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巨匠・木村大作が見抜いた山崎賢人の魅力「ヒットメーカーだから選んだわけではない」5役で挑む新作『腹をくくって』主演に抜てき

巨匠・木村大作が見抜いた山崎賢人の魅力「ヒットメーカーだから選んだわけではない」5役で挑む新作『腹をくくって』主演に抜てき

日本映画界の巨匠、木村大作が監督、撮影に加え、企画、脚本、編集の合計5役を自ら担当し、これまでに培った経験と技術のすべてを注ぎ込む映画『腹をくくって』(2027年公開予定)の製作に乗り出した。木村監督が5月1日に東京都内で行われた企画発表記者会見に出席し、主演の山崎賢人をはじめ、豪華キャスト陣も明らかにした。

これまでに培った経験と技術のすべてを注ぎ込む映画の製作に乗り出した木村大作
これまでに培った経験と技術のすべてを注ぎ込む映画の製作に乗り出した木村大作

1939年・東京生まれの木村大作は、1958年に東宝に入社し、黒澤明監督『用心棒』(61)、『椿三十郎』(62)などに撮影助手として参加。以降キャメラマン(撮影監督)として『八甲田山』(77)、『鉄道員(ぽっぽや)』(99)、監督としても『劒岳 点の記』(09)、『散り椿』(18)など数々の名作を創り続けている。

【写真を見る】『腹をくくって』に山崎賢人をはじめ、松山ケンイチ、松田龍平ら、主役級のキャストがズラリ!
【写真を見る】『腹をくくって』に山崎賢人をはじめ、松山ケンイチ、松田龍平ら、主役級のキャストがズラリ!

『腹をくくって』では、時代小説の名手・山本周五郎の小説に着想を得て、“敵討ち”、“暗殺”、“決闘” という3つの大きな見どころを配すという。時は江戸時代中期、北陸の小藩を舞台に、さまざまな難題が降りかかるなか、時に激しく剣を交え、“腹をくくって”生きていくことになった武士たちと、その家族を描く。会見では、主演の山崎をはじめ、松山ケンイチ、松田龍平、古川琴音、北大路欣也、渡辺謙、阿部寛、佐藤浩市という、いずれも主役級の役者8人の出演が発表された。木村監督は「この映画の一番の売りは、キャスティング」と力を込めた。

「この映画の一番の売りは、キャスティング」
「この映画の一番の売りは、キャスティング」

錚々たる名前が並んだバックパネルを見渡し、「すばらしい人たちがこの映画に出てくれる。本当に喜んでいます」と改めて感激を口にした木村監督は、「皆さんとはもうお会いしていますが、ニコニコと応対してくれている。それはホンを読んだうえで、非常にやる気になっていただいている」と役者陣の反応を紹介。

「これだけの人が集まる。なかなかのものだと思うんです。この映画が封切ってこけたりしたら、もう日本映画は終わりだよね。自分も終わりだと思っています」と覚悟をにじませた。「僕の年齢からいって、みんなこれで終わりなんだろうと。キャスティングプロデューサーが俳優さんを口説きに行く時には、『木村大作、これで最後です。だから出てやっていただけませんか』と言ったんじゃないかと聞いたら、俳優さん、みんな笑っていたからね。たぶん、そうやって口説いて集めたのかなと思う」と会場を笑わせながら、「自負としては、木村大作といっぺん、やってみたいと思ってくれたんじゃないか」と語った。役者たちには1年半前にスケジュールを渡し、映画のスケジュールに賛同してくれる俳優がそろったという。

会見場所に台本も持ち込んでいた
会見場所に台本も持ち込んでいた

主演を務めるのは、「キングダム」や「ゴールデンカムイ」など数々の人気シリーズで真ん中に立ち、2028年のNHK大河ドラマ「ジョン万」で主人公を担うことも決定している山崎賢人。「いまやヒットメーカー」と山崎について評した木村監督は、「ただ、それだけで選んでいるわけではない」とキッパリ。

「あの人と初めて生で会って、2人きりになったことがある。いい色艶で、背が高くて、すごいですよ。見た目はある種、美しい青年を見たという感じ。あの人が出ている映画も観ています。そんななか、素の姿にいいなあという感じがあった。ものすごく純真で、もっと言えば、純朴で。非常にナイーブで、ある角度に行くと男の色気がある。ある角度では、ものすごくインテリジェンスのある顔」とキャメラマンとしての目を光らせながら、「高倉健、吉永小百合、岩下志麻、渡哲也、最近は舘ひろし。そういう人を撮ってきているので。皆さん、ある角度なんです。人間って」と日本映画を代表する名優たちのような、角度で捉えたくなる魅力があるという。さらに「お芝居は日常、素の姿で出てもらっていいと。芝居をしようということではなくていいよと。絶対に、その方があなたはいいんだと。俺は、そう思っている」と惚れ込んでいた。

「全部、“腹をくくって”やってきた」
「全部、“腹をくくって”やってきた」

これまでも「全部、“腹をくくって”やってきた」という木村監督。本作において「映画の作り方も、昭和の時代と変わっていません。でもいまや昭和の映画づくりが一番新しいと思っています」という。御年86歳で5役を自ら担当するが、「この映画は、遺言のためにつくるわけではない」と力強く宣言。「体力は相当、落ちました。でも歳と共に気力だけはずんずん上がっていく。喋ることを1日、喋っていて、夜ぐったりしている時がある。体力の衰えはあるけれど、この映画が最後ではないですよ!やめるときは、そっとやめていく」と胸の内を打ち明け、「70歳過ぎの方が、忙しい生活をしています。本当にありがたいこと。大好きな日本映画の現場に立っている時に、一番、幸せを感じる。生きているなぁ!と感じる」とまた現場に立てる喜びをあふれさせていた。

『腹をくくって』は、2027年全国公開予定
『腹をくくって』は、2027年全国公開予定

立山連峰を望む富山、長野、京都、滋賀などで、本年10月よりオールロケを敢行予定。満開の桜、目に沁みる新緑、鮮やかな紅葉、身を切る風雪を存分にフィルムに収め、心震える人間ドラマを最高の俳優陣のアンサンブルで届ける。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記


取材・文/成田おり枝

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