「友近サスペンス劇場」など、どこか懐かしい画づくりが大バズり!YouTubeで手腕を振るう映像作家、西井紘輝とは?
平成初期風ホームビデオが恐怖を生みだす最新作も公開
その後も1987〜2004年に放送されていたという設定の架空の刑事ドラマ「人情刑事 呉村安太郎」シリーズなど、精力的な活動を展開してきた西井監督の最新作が、4月24日(金)から公開される『沢田美由紀のガマランドにお邪魔します』だ。
1993年、人々が相次いで失踪している謎多きテーマパーク“ガマランド”に足を運んだ美由紀(中原つばさ)と浩平(にしい)のカップルは、“楽しめない人は出られない”というガマランドで、不可解な出来事に見舞われていく…。
カップルが撮影したホームビデオの映像素材から恐怖を追体験していくファウンドフッテージスタイルとなっており、VHSの粒子感や揺らぎ、“再生”、“標準”といったビデオ画面の標記をはじめ、キャラクターのメイクや髪型、浩平の部屋にあるラジカセやCABINのゴミ箱といった細かな美術まで、徹底的な時代考証で平成初期を再現。
劇中のテレビから流れてくるワイドショー番組や車内で美由紀と浩平が歌う「あのね、笑って」といった曲まで、絶妙にありそうなラインを見極めた作り込みはまさに職人技だ。
そんな平成初期チックな映像に目を奪われるが、同時に不穏な雰囲気が醸しだすじわじわとした恐怖表現は純粋にホラーとしても見応えがある。さりげなく散りばめられた違和感が回収されていく展開も鮮やかで、繰り返し観たくなる中毒性を孕んでいる。
現代を昭和風の映像で再解釈するというユニークな目の付けどころに加え、昭和カルチャーへのリスペクトや研究熱心さを武器に、唯一無二の世界観を生みだし続けている西井紘輝監督。『沢田美由紀のガマランドにお邪魔します』ではそんな彼の魅力と確かな手腕を存分に堪能できるはずだ。
文/サンクレイオ翼
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