神木隆之介が切り開く「TXQ FICTION」の新境地。ファーストテイクにこだわった撮影現場を、監督・プロデューサーと共に振り返る
「ファーストテイクをそのまま使わせてもらえること自体に、代え難い価値があった」(大森P)
今作「神木隆之介」の最も恐ろしいシーンの一つは、神木が“てるちゃん”の兄、水島雪輝に「実は雪輝が輝久(てるちゃん)なのではないか」と自らの考察を明かすシーンだろう。その後、突如神木がカメラに向かって「もう一回いいですか…?」とリテイクを願い出るシーンは、ドキュメンタリーを観ていたはずの視聴者を一気に現実と虚構の狭間に突き落とす。この問題のシーンについて追求してみた。
神木「物音で気が散って、台詞が出なくなって、僕自身がカットをかけるシーンなんですけど、ここは最初から決まってましたね」
大森P「現場で一番、ドキッとしたシーンでした。僕と寺内さんはなんとなくモニターを見ていて、隠し撮りのように神木さんを撮影している状況で、神木さんがカメラに向かって急に喋りかけてきたっていうのがものすごくドキッとしました。この『ドキッ』ていう緊張感とおもしろさをやりたかった。そのために神木さんと企画を始めたのかもと思いました」
――そのあとの、殴り書きの文字をたくさん見つけた時の台詞はアドリブですか?
神木「あれは台詞なんですよねぇ(笑)」
大森P「あれは数少ない、かなり明確に書かれている台詞ですね」
神木「『仕込みじゃないの?』、『僕らは勝手にこんなことはしない』っていう会話まで台詞でした。でも、あれは難しかったです。あの壁も初見だったんですけど、『何ですかこれ!怖い!』くらい感情が出るかと思ったら、現場での僕の正直な反応が、『うわ、何だこれ。気持ち悪』くらいの感じだったんですよね」
――神木さんの反応は期待通りでしたか?
大森P「この作品の明確に怖い部分ですからね。そこはリアルな神木さんの反応と表情が見られてとてもよかったです」
神木「でも、あの時はめちゃめちゃ不安でしたよ?これで大丈夫なのか?と」
寺内監督「神木さんはまず、台詞を与えて100点が取れるのはもう当たり前でして、あのシーンには一応台詞がありましたけど、神木さんはその台詞をいかに自然に言えるかを狙いに行くバランス感覚が熟練しているんです。だから120%の出来になったと思います。改めて神木さんのうまさはとんでもないと思いました」
神木「ありがとうございます。逆に、僕らからしたらただの台詞ですけど、視聴者の方々から見ると『いやいや、あんたらヤバいもん発見してるから』っていうギャップが作れたらいいなと思います」
大森P「フェイクドキュメンタリーって絶対に拾わないといけないフラッグみたいな台詞があると思うんですけど、そのフラッグを拾うのが本当はとても難しいんです。その台詞が悪目立ちしたり、作品の要点だということに視聴者が気づいてしまった瞬間、ちょっと嘘っぽくなる。リアリティがなくなってしまうことがあるのですが、神木さんはこのフラッグの拾い方が異常にうまいんです。あまりにも溶け込んでいてすぐには気づけないんですよ。いつもなら何テイクか繰り返すこともある部分を神木さんがサラッとやってくださったので、そのファーストテイクを素材としてそのまま使わせてもらえる。それ自体に代え難い価値があって、非常にすばらしいことだなと改めて思いました」
「言葉にできないような苦しさを感じる作品をやってみたい」(神木)
最終回で急展開を迎えた「神木隆之介」。物語の最後について、我々はどのようにとらえたらいいのか、3人に聞いてみた。
神木「ロケハンの時点で、“てるちゃん”が僕に取り憑いたのか、“てるちゃん”と僕の波長が合ったのか、あの動画を通して 『なにか』を撮るようにさせているということなんですかね。“てるちゃん”という子役の本当の結末を、少しでも昇華してあげるためにやったという感じなのかな」
大森P「僕は非常にオーソドックスなホラーの話だなと思っています」
神木「まさに『フェイクドキュメンタリー「Q」』っぽいというか、寺内さんの作品だなって思いました。観ていただいた皆さんにはシンプルに楽しんでもらいたいです。いろいろ考察してもらいたいし、XとかYouTube でコメントし合ったり、同時視聴みたいなこともしてほしいなぁ」
大森P「もしかしたらその考察を神木さんが見ているかもしれないですからね」
神木が思う「フェイクドキュメンタリー」の魅力についても、改めて語ってもらった。
神木「ゾッとする瞬間がやっぱりあるんですよね。それこそ『放送禁止』シリーズでも、『事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない』ということが、テーマとしてあげられていると思うんです」
大森P「ちょうど『放送禁止』の映画(『放送禁止 ぼくの3人の妻』)も公開されますね」
神木「見ているものがすべてではなくて、その裏に隠されたこと、見えなかったことが一瞬うっすらと顔を出した瞬間、真実にたどり着きそうになった瞬間が、一番ゾッとするんです。お芝居だけど、本人が思っているよりかなり重大なことが起きている。実はヤバいことになっているってことに、本人じゃなくて視聴者が先に気づいてしまった瞬間が怖いと思っていて、それが『TXQ』や数々のフェイクドキュメンタリー作品の魅力ですかね」
大森P「僕が魅力に思う点も一致しています。本当にありがたい気持ちです」
「イシナガキクエを探しています」が放送されてからはや2年。「TXQ FICTION」としても新たな挑戦となった「神木隆之介」という作品を経て、今後もし「TXQ」となにか新しい企画をやるとしたらどんな作品に参加してみたいかを聞くと、神木は目を輝かせながら答えてくれた。
神木「本当に何でもしていいってことだったら、もっとエグくて怖いのをやりたいです。『飯沼一家に謝罪します』や『魔法少女山田』のような、たしかな結末ではないけれども、行き場のない強い感情を突きつけられて、言葉にできないような苦しさを感じる作品。『何だよこの感情は?』みたいな。あとは、最初に伏線が張られていて、すでに1カット目でなにかがいるのに気づけない、みたいな作品はやってみたいです。僕がどういうかたちで参加できるかはわからないですけど」
大森P「ぜひ『神木隆之介2』でやりましょう(笑)」
取材・文/小泉雄也
「TXQ FICTION『神木隆之介』」
広告付き無料配信サービス「TVer」などで見逃し配信中。※配信期間は3月31日まで
また、「TXQ FICTION」公式YouTubeチャンネルでも随時配信開始予定です。
▶TVer:https://tver.jp/series/srog0v9atu
▶テレ東HP(ネットもテレ東):https://video.tv-tokyo.co.jp/txqfiction/
▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/catchup/2-1-113-7
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