死亡事故が繰り返された過去も…伝説的傑作からリブート作まで激動の歴史を歩んだ「クロウ」シリーズ
愛する人と共に殺された主人公が死の淵から蘇り、復讐を繰り広げるというダークな物語を魅力的に描き、1994年の公開から30年以上経ついまなお根強い人気を誇る『クロウ 飛翔伝説』。ジェームズ・オバーのコミックを原作とするこの作品をビル・スカルスガルド主演でリブートした『ザ・クロウ』が、3月6日より公開された。
今回のリブート版のほかにも、『クロウ 飛翔伝説』に端を発するシリーズ作品が繰り返し作られてきているので、ここで振り返ってみたい。
原作者の壮絶な経験から生まれたダークヒーローコミック「ザ・クロウ」
「ザ・クロウ」の原作者ジェームズ・オバーは、孤児院や里親の元を転々とする孤独な幼少期を過ごし、18歳の時には婚約者を飲酒運転の被害で失うという悲劇的な過去の持ち主。その悲しみを乗り越えるべく海兵隊としてドイツに駐在していた時、故郷デトロイトで起きた20ドルの婚約指輪をめぐり若いカップルが殺害されたという事件を知り、本格的に「ザ・クロウ」を描き始める。
ハロウィン前夜の“悪魔の夜”に無法者が暴れ回るデトロイト。ミュージシャンのエリック・ドレイヴンと婚約者のシェリーは悪の一味によって暴行され、婚約指輪を奪われた末に惨殺されてしまう。無念の最後を迎えながらも死の国の使者であるカラスの力によって不死身の体で蘇ったエリックは、復讐を果たすべく悪党たちを次から次へと処刑していく。
ブランドン・リーの死という悲劇に見舞われた『クロウ 飛翔伝説』
この物語を、ゴスをコンセプトにした映像美、Stone Temple PilotsやThe Cureといった人気バンドの楽曲を用いた音楽によって、アレックス・プロヤス監督がクールな世界観を構築しながら描き、ダークな魅力でファンの心を掴んだ『クロウ 飛翔伝説』。
しかし悲しいことに、いまなお語り継がれる伝説的な1作となった大きな要因の一つが、主人公エリックを演じたブランドン・リーを襲った撮影中の死亡事故だ。エリックがギャングに撃たれるシーンの撮影の際に、空砲のはずがなんらかの手違いによって銃弾が発射されてしまい、被弾したリーはそのまま搬送先の病院で28歳の若さで亡くなってしまう。
悲劇的な事故によって監督もキャストも精神的に困難な状況を迎えるが、撮影が残りわずかだったこともあり、制作を敢行することに。リーのスタントマンを務めていたチャド・スタエルスキを代役に立てると、顔があまり映らないようにするといった工夫を凝らすことでなんとか完成へと漕ぎ着け、長きにわたり愛される傑作となった。

