死亡事故が繰り返された過去も…伝説的傑作からリブート作まで激動の歴史を歩んだ「クロウ」シリーズ
容赦ないゴア描写が炸裂するビル・スカルスガルド版『ザ・クロウ』
そして1作目から30周年となる2024年に製作されたのが、ビル・スカルスガルドが主人公エリックを、歌手のFKAツイッグスが恋人シェリーを演じ、監督には『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17)のルパート・サンダーズ、製作には1作目のエドワード・R・プレスマンという座組みとなった今回の『ザ・クロウ』。
恵まれない家庭に生まれ育ち非行を繰り返す青年エリックと暗い過去を持つ女性シェリー。更生施設で出会い、瞬く間に恋に落ちた2人は、施設から脱走し共に生活を送るうちに深く愛し合っていく。しかしシェリーの過去に関わる組織の襲撃により、2人は命を落としてしまう。
死の国の使者であるカラスから復讐のための不死身の力を与えられたエリックは、激しい憎悪に駆られながら組織へ復讐すべく、夜の闇へと飛びだしていく。
トレーラーハウスで生まれ、孤児院で育ったという原作者オバーの生い立ちとリンクするようなエリックの幼少期から始まり、これまでの作品と比べ、エリックとシェリーの関係性も時間をかけて積み上げられていく本作。それゆえにシェリーを失ったエリックの悲しみや孤独もより痛切に伝わってくる。
不死身の体に戸惑いながらも怒りやシェリーを救いたいというピュアな思いに突き動かされていくエリックの復讐劇もこれまでとは桁違いの暴力描写で描かれ、日本刀で首を落としたり、口から顔をパックリ裂いたりと容赦なし。ゴス的な世界観のなかで繰り広げられる血みどろの復讐劇は、もはや美しくロマンチックですらある。
作品のダークな魅力を残しつつ、新たなエッセンスを加えながら、孤独な男の復讐の行く末を描く『ザ・クロウ』。これまでの作品とはひと味異なる作品となっているので、過去作と共に本作をチェックしてほしい。
文/武藤龍太郎
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