『ブゴニア』と、リメイク元である韓国カルト映画の違いは?陰謀論が笑えなくなった社会の変化
エリート女性vs弱者男性という構図が分断された社会を如実に表す
『ブゴニア』は、物語の展開など大筋では『地球を守れ!』を踏襲。そうであっても、シン・ハギュン転じて、ジェシー・プレモンス演じる不幸な生い立ちの青年が、「エイリアンが人間の姿に変身して、地球を滅ぼそうとしている」という陰謀論に傾倒し、凶行に及ぶ姿のリアリティは、オリジナルよりも増している。
大きな改変と言えるのは、アンドロメダ星人として拉致監禁される男性社長を、エマ・ストーン演じる女性CEOに変更したこと。彼女はオリジナルに比して、誘拐されても大きく動じることはなく、尊大に振る舞い続ける。
それに加えて誘拐犯の青年の共犯者は、恋人の女性ではなく、従順な引きこもりの従兄弟へとチェンジ。これにより、エリート女性vs弱者男性ペアという、分断の溝がより深く、到底話が通じないように見える組合せとなった。
タイトルも古代の陰謀論から引用
ちなみにタイトルの「ブゴニア」とは、ギリシャ神話に由来する古い言葉で、「牛の死骸から生まれるミツバチ」という意味。古代ギリシャや中世ヨーロッパでは、ミツバチは腐敗した雄牛の死骸から自然発生すると信じられていた。
ある意味それは、古代の陰謀論。オリジナルから受け継いだ設定として、リメイク版でも、主人公の青年は養蜂を行っているが、それと絡めた、これまた一筋縄ではいかないタイトルである。
文/松崎まこと
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