「ウィキッド」偏愛イラストレーターが全力プレゼン!『永遠の約束』公開前に『ふたりの魔女』をイラストで振り返り
「誰もが最高だし、誰もが最悪。そこが好きなんです!」
様々なバックグラウンドと個性を持ち、共感性の高いキャラクター像も本作の人気の秘密。どのキャラクターにも思い入れがあるという千助が、その魅力を語ってくれた。「エルファバは本当はみんなに愛されたいけど、おかしいと思ったことにはまっすぐ立ち向かう正義感がありますよね。一方で、グリンダはみんなに愛されるキャラ。でも逆に言うと、そのための努力を惜しんでいないのがすごい」。一見すると軽薄そうに見えるフィエロ王子については、「彼は頭がからっぽのフリをしていることをエルファバに指摘されて、本当の自分に気づくんですよね」とエルファバと出会ったことで徐々に変わっていき、新たな魅力を発揮していくと紹介。さらに、「オズの民に祭り上げられた魔法使いの気持ちもわかるんですよ…そう思われてるならそうしてあげようと思っているところが人間臭くて」とのこと。「誰もが最高だし、誰もが最悪なんです。そこが好きなんですよ!で、いま現在の私はオズの民に落ち着いています(笑)」と、彼女は名もなき登場人物たちにさえ共感していることを笑って語る。
実は、日本公開よりもひと足早く、『永遠の約束』も鑑賞した千助。エルファバとグリンダの2人がたどる運命を見届けたいま、彼女たちにどんな想いを抱いたのか。熱のこもった感想を語ってくれた。「ここに登場するキャラクターは、各々の信念を持っています。魔法の才に長けたエルファバは正義感が強く、そのために不器用だけれど、一方では愛されたいという強い願望を抱いています。逆に誰からも愛されるグリンダは、本物の魔法使いになりたいと願っています。どちらもなかなか夢はかなわない。でも、2人がお互いを認め合い、友情を育むことで、ひとりではできなかったことを成し遂げます」。『ウィキッド 永遠の約束』では、そんな彼女たちの絆の強化がエモーショナルに描かれている。それがピークに達した時、千助は涙が止まらなくなったという。映画を観て、千助最大の号泣シーンを探してほしい!
「『ウィキッド』はいろんな角度から観ることができる映画」
映画「ウィキッド」シリーズは、とにかくゴージャスなエンタテインメントだ。歌と踊り、美術と衣装のめくるめくスペクタクルに、とにかく圧倒される。映画館映え必至のシリーズであることは間違いなしで、千助も「舞台で観ていた世界が、画面いっぱいに広がっていくスケールの大きさ、感動はものすごかったです!IMAXとか、ドルビーシネマとかいろんなフォーマットで楽しめるのも最高ですね」と、太鼓判。
そして、エルファバとグリンダの友情を筆頭としたドラマも感動的だが、一方では少数派を排斥する社会問題も浮き彫りにされる。それらを踏まえたうえで、いまや“オズの民”となっている千助に、この映画を「ウィキッド」を知らない人にどう勧めるかを訊いてみた。すると、なによりもまず、「この作品に“出会う”という一歩を踏み出してほしい」と熱くプッシュしてくれた。そのうえで、「まずは楽しんでほしいです。とにかく規模の大きい作品だから、予備知識がなくても楽しめます。そしてエルファバとグリンダの物語を見届けてほしい。そのうえで、差別という社会派の要素を深掘りしたいと思ったら、ぜひしてほしい」と、先入観を持たずに本作の世界へ飛び込むことをおすすめする。
「舞台版の時から、初めて『ウィキッド』を観たという人に、『この映画の結末は“なにエンド”なのか。ハッピーエンドなのか、バッドエンドと思うのか』を訊いてきたんです」と彼女は言う。「なにが正解でなにが誤りということではないし、浅い、深いでもありません。『ウィキッド』はいろんな角度から観ることができる映画です。エルファバとグリンダが2人で出した答えを、観た方がどう受け止めるのか?それを知りたいし、どんどん語ってもらえればうれしいです」。
1作目のあちらこちらに散らばっていた伏線が、次々と2作目にリンクしていく様も見どころだと語る。「歯車のように、本当にうまくハマッていくんです。後半に向けて、伏線がどんどん回収されていく」。「オズの魔法使い」といえば、そう…カンザスから竜巻で飛ばされてきてしまう少女・ドロシーという存在。2作目ではいよいよ彼女がオズの国に降り立つわけだが、彼女の登場がエルファバとグリンダの物語にどう絡んでくるのか?それについては、ぜひ映画を観て確認してほしい。
千助のいうとおり、「ウィキッド」は様々な要素を内包している映画だ。頭を空っぽにしても楽しめるし、深く探求しようと思えば探求もできる。まずは1作目『ウィキッド ふたりの魔女』でオズの国に足を踏み込み、最新作『ウィキッド 永遠の約束』でその深淵に分け入ってほしい。そこには、虹の彼方に足を踏み込んだ者だけの感動があるのだから。
取材・文/相馬学
イラストレーター。舞台観劇が趣味で、劇団四季版「ウィキッド」は幾度となく観劇している。イベント、雑誌、MV等、幅広いメディアにてイラスト協力を行う。
公式SNS:@kagimaruchisuke
