2025年で最も話題になった映画『国宝』、アカデミー賞ノミネート入りの可能性は?トム・クルーズの応援も追い風に!
“激戦の年”と言われる第98回アカデミー賞国際長編映画賞
では、『国宝』がノミネート、オスカー獲得の可能性はどれくらいあるのだろう。ライバルとなるほかの作品も当然のことながら、賞レースのキャンペーンを行なっているわけだが、今年度は特に強力作品が並ぶ“激戦の年”。『国宝』が超えるハードルは高そうだ。
有力作品は、カンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』(26年日本公開予定/フランス代表/監督はイランのジャファル・パナヒ)、やはりカンヌで監督賞&男優賞2冠の『The Secret Agent(英題)』(25/ブラジル代表)、カンヌのグランプリ受賞作『センチメンタル・バリュー』(26年2月20日日本公開/ノルウェー代表)、同じくカンヌで審査員賞などに輝いた『Sirat(原題)』(25/スペイン代表)、さらにトロント国際映画祭の国際観客賞に選ばれた『しあわせな選択』(26年3月6日日本公開/韓国代表)と、映画祭での実績を積んだ作品が、予想でも上位を独占。これらの作品は、国際長編以外の部門でも複数のノミネートの可能性が高く、アカデミー賞に“欠かせない存在”になりつつある。ほかにもいくつか有力作があり、『国宝』はアンラッキーな年に当たってしまったと言える。
実際、すでにノミネートが発表された、クリティクス・チョイス・アワード、ゴールデン・グローブといったアカデミー賞の前哨戦では同カテゴリーに『国宝』の名前は入らなかった。
徐々に『国宝』への追い風が!
ただ、“希望”の要素もある。トム・クルーズの件に加え、メイクアップ&ヘアスタイリング部門のショートリストに『国宝』が入ったこと。こちらは10本のなかに残ったので、ノミネート5本への可能性は国際長編より高い。このように複数部門で評価される動きは追い風であり、賞レースの初期段階、国際長編部門で『国宝』をスルーしていた予想メディアも、このところ上位にアップさせている。
また、3年前の同部門で、それまで予想上位ではなかったアイルランドの『コット、はじまりの夏』(22)がノミネートされるなど、アカデミー賞では時折サプライスが起こる。なにより、これから投票のために『国宝』を観るアカデミー会員が多いわけで、そうなれば「新鮮な記憶」として投票には有利になる。
北米での『国宝』の一般公開は2026年初頭なので観客の反応はまだわからないが、映画批評サイトの「ロッテン・トマト」では、現時点(※12/30)で批評家の支持が100%と満点。つまり観た人すべてが高評価しているのも“追い風”か。
様々な条件を考えると、『国宝』のオスカー受賞は現実的には厳しそうだが、ノミネートへの期待はキープしてもよさそう。長編アニメーション部門での『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)も含め、来年1月22日(木)のノミネート発表を楽しみにしてほしい。
文/斉藤博昭
※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記
※Siratのaはマクロン付きが正式表記
