「アバター」スティーヴン・ラング&ウーナ・チャップリンが語るJ・キャメロンが巨匠と言われる所以「彼は俳優を愛する監督」

「アバター」スティーヴン・ラング&ウーナ・チャップリンが語るJ・キャメロンが巨匠と言われる所以「彼は俳優を愛する監督」

「監督は私のなかから最高の演技を取り出す方法を見つけました」(ウーナ・チャップリン)

続いては、喜劇王チャーリー・チャップリンの孫で、俳優のジェラルディン・チャップリンを母に持つウーナ。苛烈な破壊衝動に駆られるヴァラン役に抜擢されるに至った経緯や役作り、キャメロン監督やジェイクを演じるサム・ワーシントンからのアドバイスを教えてくれた。

【写真を見る】クールで強烈な個性にあふれるアッシュ族のヴァラン。これまでのナヴィ族とは異なるビジュアルにも注目
【写真を見る】クールで強烈な個性にあふれるアッシュ族のヴァラン。これまでのナヴィ族とは異なるビジュアルにも注目[c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

――あなたはこのシリーズに初めて参加しました。どういう経緯でアッシュ族のリーダー、ヴァランを演じることになったのでしょう。

「オーディションを受けたんです。そのころの私はキューバのジャングルのなかにあるツリーハウスに住んでいたんですが、オーディションの話をもらい、是非ともトライしてこのチャンスを活かしたいと思いました。というのも『アバター』シリーズの大ファンだったからです。映画は、大自然とのつながりをまったく新しい形で感じさせてくれました。こんな映画が存在するなんて、私たちにとっての“恵み”のようなものだと思うくらいでした。もし、その映画の一部になれるのなら、こんな名誉なことはないと思ったんです。

2度のオーディションが終わり、3度目の時に初めてジムと会って、彼の前で演技をしました。とても尊敬していたので上手く出来ないんじゃないかと不安でしたが、ジムは寛大で遊び心があり情熱的な人で、すぐに打ち解けただけではなく、一緒にこの仕事をつくりたいとより強く思うようになりました。テストを終えたあと、私とジムは有機農業や土中カリウムレベルなどの話をして、自分なりに手応えを感じたんですが、それから何週間も連絡がなくて不安が拡がり始めたんです。周囲の友人たちには『もうこの役を手に入れた』なんて豪語していたから(笑)。そして、諦め始めたころ、ジムから電話をもらい『ヴァランはあなたに決まりました』って。飛び上がって喜んじゃいました(笑)」

3度のオーディションを経てヴァラン役を勝ち取ったウーナ・チャップリン
3度のオーディションを経てヴァラン役を勝ち取ったウーナ・チャップリン[c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

――初めて「アバター」の世界に飛び込む時、キャメロンはどんなアドバイスをくれましたか。

「最初のころ、ジムがひとつだけヴァランというキャラクターを説明してくれたことがありました。『そこに彼女を怖がらせるものがあったら、それに向って走るのがヴァラン。彼女はそれに突進して破壊しようするキャラクターだ』と言っていました。これが私の演技の指針になりました。でも、それだけなんです。撮影が始まるとほとんどなにも言わなくて、ずっと自由にやらせてくれた。それも不安になるくらい!もしかして監督は私に関心がないんじゃないだろうか?と悶々とする時もあったくらいです。ほかの俳優とはたくさん話しているのに、私に対しては口出しがなかったんですから。でも、ある時、こう思いました。監督は私のなかから最高の演技を取り出す方法を見つけたんじゃないかと。それが“自由にさせること”だったのではないかということです」

――あなたにとってはパフォーマンスキャプチャも初めてですよね?

「そう、初めてでした。だから、自分に関係のないシーンの時も現場に行って、ほかの俳優たちの仕事を見ていました。実際にやってみると、驚くほど解放感があって、子どもの時、友達と遊びに没頭してしまったあの感覚を思い出しました。舞台の経験に近いかもしれません。純粋で自由で、エネルギーを与えてくれているという感じ。すぐにでもまたやりたいと思うくらいです。
そうそう、サムに的確なアドバイスをもらったんです。『パフォーマンスキャプチャは100%のクローズアップが撮影の間中、100%続く』ということです。ということは、どこにも逃げ場はなく、どこにも隠れることができないということであり、トリックも効かなければ、ごまかしも無理ということでしょ?このアドバイスは役立ちました。サムに感謝しています」

第1作からジェイク役を演じるサム・ワーシントンに、パフォーマンスキャプチャでの演技についてアドバイスをもらったそう
第1作からジェイク役を演じるサム・ワーシントンに、パフォーマンスキャプチャでの演技についてアドバイスをもらったそう[c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.


――アッシュ族、ヴァランはこのシリーズにどういう要素を加えてくれるのでしょうか。

「パンドラが持つ複雑性です。パンドラのこれまでまったくなかった側面をもたらすんです。これはとてもエキサイティングなことだと思います。アッシュ族もヴァランもとてもクールで強烈、そして恐ろしい存在。観客の方々はそういうところを楽しんでもらえると思うし、彼らを憎むという感情も味わえますよ!(笑)」

取材・文/渡辺麻紀

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