物語とシンクロし映画への理解がさらに深まる――『国宝』『KPOPガールズ!』『チェンソーマン』など2025年の映画を彩った主題歌の数々
『国宝』(公開中)が邦画実写歴代1位の興行収入となり、22年ぶりに記録を更新した2025年。『8番出口』(25)、『秒速5センチメートル』(25)など話題作が続いたほか、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)をはじめ、『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(25)や劇場版『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)など、アニメ映画も数多くヒット。それに伴って主題歌にも注目が集まり音楽シーンを賑わせた。そこで本稿では、ヒットチャートを彩った映画主題歌と共に2025年の公開作を振り返っていく。
米津玄師がチャートを席巻した2025年
これまでも、『シン・ウルトラマン』(22)の「M八七」、『君たちはどう生きるか』(23)の「地球儀」、『ラストマイル』(24)の「がらくた」など、多くの映画主題歌を担当し、「話題作に米津あり」と言わしめる米津玄師。1月に劇場先行で上映された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(25)の主題歌「Plazma」でロケットスタートを切った。
そして、9月に公開された劇場版『チェンソーマン レゼ篇』では「IRIS OUT」と「JANE DOE」を、10月公開の『秒速5センチメートル』では「1991」をそれぞれ手掛けている。どこかコミカルさも感じさせるアッパーなスウィングナンバー「IRIS OUT」は“踊ってみた”の流行も手伝い2025年ではトップクラスのヒットに。宇多田ヒカルとのコラボで注目を集めたジャジーなバラード「JANE DOE」、新海誠監督が作品に込めた思いを汲み取ったエレクトロナンバー「1991」という作風の異なる3曲は、米津玄師の懐の深さが発揮される形となり音楽チャートのトップ3を独占する快挙を成し遂げた。
ミセス&椎名林檎が注目作をさらにブースト
また上半期で印象的だったのは、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴とtimeleszの菊池風磨のW主演で話題を集めた『#真相をお話しします』(25)。同作ではMrs. GREEN APPLEが主題歌「天国」も担当しているが、彼らは11月にライブフィルムとドキュメンタリーの2本の映画が同時公開。ライブフィルムが日本人アーティスト史上初のIMAX上映を果たすなど映画づいた1年になった。また、原作がWeb小説サイトで投稿されるやたちまち議論が巻き起こり、映画もモキュメンタリーホラーとして反響を呼んだ『近畿地方のある場所について』(25)では、椎名林檎が主題歌「白日のもと」を担当。ゴリゴリのロックで映画にさらなる深みを与えている。
そして、Netflixで6月から配信されたミュージカルアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(25)が、世界的ヒットを果たしたことは特筆すべきだろう。K-POPグループがアイドル活動の傍ら妖怪退治をするストーリーで、劇中に登場するガールズグループ、ハントリックスが歌う「Golden」が、アメリカのビルボードで6週連続1位を記録。さらにグラミー賞にもノミネートされており、K-POPグループとしては初めてソング・オブ・ザ・イヤー部門にノミネートされる快挙を達成している。さらに、ハントリックスのライバルとなるボーイズグループ、サジャボーイズも人気を集め、それらの楽曲を集めたサウンドトラックもアルバムチャートで1位を獲得し、作品全体の音楽自体が評価される形となった。
この『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、Netflixで91日間の再生回数が3億2500万回を突破、さらに第83回ゴールデン・グローブ賞ではアニメ映画賞、主題歌賞、興行成績賞にノミネートされている。音楽面以外でも、テーマ性のある物語、ソニー・ピクチャーズ アニメーションが手掛けるハイクオリティの映像などが多くの層に刺さったようだ。
