ファン特派員が聞いた、細田守監督の原動力と『果てしなきスカーレット』の革新「大きな愛を描けると気づいた」

ファン特派員が聞いた、細田守監督の原動力と『果てしなきスカーレット』の革新「大きな愛を描けると気づいた」

日本のみならず世界中の観客を魅了し続けているアニメーション映画監督、細田守による最新作『果てしなきスカーレット』がいよいよ11月21日(金)よりスクリーンに登場する。このたび本作のムビチケ前売券購入者のなかから抽選で招待された細田監督の大ファンである30代・会社員の臼井さん、20代・会社員の大橋さん、10代の学生・大内さんの3名が、「MOVIE WALKER特派員」として監督にインタビューを敢行!細田監督に愛を届けると共に、ファンならではの視点で細田作品の魅力を深掘りする質問を繰り出すと、監督も楽しそうに応答。笑顔いっぱいの温かな雰囲気のなか、『果てしなきスカーレット』に込められた新たな試みや、衝撃のヒロイン誕生秘話、チャレンジ精神の源までを明かしてくれた。

「チャレンジづくしの作品になりました」

王女スカーレットが宿敵に復讐を果たそうとする姿を描く、これまでの細田作品と一線を画す物語
王女スカーレットが宿敵に復讐を果たそうとする姿を描く、これまでの細田作品と一線を画す物語[c]2025 スタジオ地図

新たなアニメーション表現を追い求めながら、『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)、『未来のミライ』(18)、『竜とそばかすの姫』(21)などを世に送り出し、もっとも新作が待ち望まれる監督のひとりとなった細田守。最新作の主人公となるのは、国王である父を殺した敵への復讐を心に誓う王女、スカーレット(声:芦田愛菜)。≪死者の国≫で目覚めた彼女が、現代からやってきた看護師の青年・聖(声:岡田将生)と時を超えた出会いを果たし、心を動かされていく姿を描く。

――死者の国で復讐を果たそうともがく王女スカーレットは、選択や未来を描いてきた細田監督作品のなかでも、極めて過酷な状況を背負い、壮絶な旅路を歩んでいく主人公です。4年ぶりの最新作の制作にあたって、いま取り組むべき映画、送り届けたい映画はどのようなものだと感じていましたか。

「MOVIE WALKER特派員」からの質問に応えた細田守監督
「MOVIE WALKER特派員」からの質問に応えた細田守監督撮影/杉映貴子

細田監督「いまうちの娘が9歳になるのですが、彼女のことを思いながら取り組んだのが本作です。世の中に平和であってほしいけれど、現状はそうではない。この小さな子が、これからどうやって生きていくのだろうかという不安を抱きつつ、そのなかでも強く生きてほしい、新しい世代の人たちによりよい世界を目指してほしいという願いを込めながらこの映画を作りました。娘を見ながら考えていたことが、かなり映画に反映されていると思います」

――特派員の皆さんのような細田監督作品のファンの方々も、映画に込められた“未来へと向かう力”に惹かれている方も多いと思います。また皆さんは予告編や新たな情報を目にするたびに、本作にたくさんのチャレンジが込められている点についてとても気になっているとのこと。


これまでにない物語を描く本作には、あらゆるチャレンジが込められた
これまでにない物語を描く本作には、あらゆるチャレンジが込められた[c]2025 スタジオ地図

臼井さん「そうなんです。公開時期や中世という舞台設定、3Dをこれまで以上に取り入れられていたりと、チャレンジの多い作品だと感じます。どういった想いを核とした結果、新たなチャレンジをすることになったのでしょうか?これがやりたかったから、いままでと変える必要があったというお考えがあれば伺いたいです」

細田監督「まずは内容を先に決めて、そこからどういったものが必要なのかと考えていくことで、チャレンジづくしの作品になりました。僕自身、中世の王女様を主人公にするのは今回が初めてのことです。王女様を主人公にすると、大きなテーマを描くことができたりと、これまで以上に新たな広がりを物語に持たせることができるのではないかと感じました。そして大きなテーマを描くとなると、それを表現するための新たな技術も必要になるので、テーマと同時に表現においてもこれまでにないものに挑むことになりました」

臼井さん「細田監督の作品は夏に公開されてきましたが、今回は11月公開となります。秋公開にすることで、周囲の方から反対されたことはありますか?」

細田監督「反対されるというよりは、制作の初期の段階で『これは夏公開には間に合わないですね』という話があって(笑)。でも夏はスカッとしたアクションが観たい人も多いと思いますが、秋や冬は哲学的なことや、深いことを考えるにはぴったりの季節じゃないかなと思っていて。スケジュールの逆算から秋の公開になりましたが、結果として季節と作品の内容が符合してよかったなと感じています」

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