映画『楓』第2弾カバーアーティストは渋谷龍太に!「常に自分の日常の中に“スピッツ”があった」
スピッツの名曲を原案にした、映画『楓』が12月19日(金)に公開となる。このたび、第2弾劇中カバーアーティストが渋谷龍太に決定。あわせてフィーチャレット映像が到着した。
時代を超えて愛される国民的バンド、スピッツの楽曲がデビュー34年にして初の映画化。「楓」は、1998年にリリースされた8thアルバム「フェイクファー」の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされ、その後数多くのアーティストにカバーされながら、27年経ったいまも愛され続ける名曲。ボーカルで作詞作曲も担当する草野マサムネが綴る歌詞と心揺さぶるメロディーは、聴く人それぞれに寄り添い、大切な人との別れや思い出を包み込む。
本作で監督を務めるのは、多様な恋愛映画を手掛けてきた行定勲。『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)に続く令和を代表するラブストーリーに挑む。そして、オリジナルストーリーを書き上げたのは、『ソラニン』(10)、「東京リベンジャーズ」などジャンル問わず常に評価される脚本家、高橋泉。そして音楽は、藤井風など様々なアーティストの作曲や編曲、プロデュースを務め、優れた楽曲をCM、映画、ドラマなど多方面に提供するYaffleが担当する。
すでに、主題歌としてスピッツの「楓」が本編に流れることは決定していたが、さらに劇中を様々な「楓」が彩るアイデアが、監督によって取り入れられたことが明らかに。いくつかの物語の重要なシーンで「楓」が流れることにより、歌詞とメロディー、そしてシーンが絶妙にリンクし、観客の記憶の奥底にある感情に語りかける、楽曲原案の本作ならではの表現だ。先日10月30日には、スペシャルカバーアーティスト第1弾として、シンガーソングライターの十明の参加が発表され大きな話題を呼んでいた。
今回発表されたのは、大人気ロックバンドSUPER BEAVERのボーカル、渋谷。スピッツへのリスペクトがあふれでるインタビュー映像と共に、渋谷の伸びやかな歌声で紡がれる「楓」のレコーディングシーンを収めたフィーチャレット映像と、渋谷本人、行定監督、さらに音楽を担当したYaffleからのスペシャルコメントも到着している。
スピッツの名曲「楓」を原案に、双子の弟、恵を失くして弟のフリをする涼(福士蒼汰)と、亡くなった恵の恋人で涼を恵だと思い込む亜子(福原遥)、2人の男女が辿るせつなすい運命の恋を描きだす本作。2020年4月にメジャー再契約を果たして以来、2021年7月には楽曲「名前を呼ぶよ」が映画『東京リベンジャーズ』(21)の主題歌に起用され、数々のドラマやアニメ、映画の主題歌などを手掛けて国民的人気を誇るロックバンドSUPER BEAVER。そのボーカルとして、力強くも繊細な歌声で多くのファンを魅了する渋谷は、俳優、執筆活動も行うなど、音楽シーンの枠を超えて表現を続けている。
今回の解禁映像は、「楓」との出会いによって生まれる“新たな化学反応”をテーマに、アーティストによるカバー楽曲を通して、楓の花言葉でもある“美しい変化”を描くように構成され、「この映画と出会うとき。あなたの心にはどんなことが起こるだろう?」というメッセージで締められている。「僕の中でスピッツはすごく特別な存在です」と、噛みしめるように語る渋谷。続けて、一言一言を渋谷が大切に紡ぐ「楓」の歌いだしが流れ、瞬く間に聴く者をグッと惹き込ませる。自身が大のスピッツファンであることも公言しており、“スピッツ愛”が言葉の随所に現れる中、「常に自分の日常の中に“スピッツ”があったから、うれしい気持ちとプレッシャーが半々。ガクガク震えながらオファーを受けさせていただきました」と、深い敬意と共に、だからこそ感じる緊張感も印象的に話す。渋谷の言葉とともに映しだされる、行定監督と楽曲に真摯に向き合い会話をする様子からも誠実な姿勢がひしひしと伝わってくる。
映像の後半、亜子が涼に涙ながらに「さよなら」と別れを告げる本編のシーンに重ねて、2人の心に寄り添うように、渋谷の力強くまっすぐな歌声で「さよなら きみの声を抱いて歩いていく」というサビのフレーズが響き渡る。そして一緒に笑い合い、支え合いながら過ごす涼と亜子の色合いにあふれた日々。ラスト、登場人物それぞれの秘めたる想いが交錯するように、映像は締めくくられる。
「伸びやかな渋谷龍太の声が『楓』と出会う。その化学反応が観るものを映画の世界に引き込むだろう」という行定監督の言葉の通り、想いをマイクにぶつけるようにレコーディングする渋谷の横顔からも、哀愁と儚さが滲み出ており、「楓」の歌詞や映画の情感を観るものにダイレクトに届けて世界観へ引き込む。また、Yaffleも「力強くどこまでも届くような歌声の響きが、希望もしくは祈りのように響いています」と、彼の奏でる「楓」が映画にもたらす力を強く実感している。
また、本作を鑑賞した渋谷からもコメントが寄せられており、「生きているからこそ抱ける感情は、生きていなければ抱かずに済んだ感情でもあり、だからこそ例え時間が掛かっても、その機微を愛おしめるように生きていくことがやはり大切だと、この作品から受け取ることができました」と、失った大切な人を胸に未来へ進もうとする主人公たちの姿に新たな気づきを得たと語っている。
12月17日(水)には、先日解禁された十明によるカバー楽曲や、今回解禁された渋谷によるカバー楽曲、さらにすべての原点とも言えるスピッツの「楓」が収録されたオリジナル・サウンドトラックが発売されることが決定。このサウンドトラックには映画音楽を手掛けたYaffleによる劇伴も収録されており、心の中に響くメロディで物語を支える役割を果たしている。「楓」は、多くのファンに愛されるスピッツの名曲であり、十明と渋谷龍太という異なる個性を持つアーティストによるカバー楽曲と合わせて聴くことで、楽曲の新しい解釈や魅力が感じられそうだ。主人公が大切な人を失った心の痛みに寄り添い、映画のテーマを深く映しだすアルバムは、聴く人にとって忘れられない特別な一枚になるだろう。
この冬、多くの人々の記憶に深く刻まれるであろう、永遠のラブストーリー『楓』。十明の透明感あふれる歌声と、渋谷龍太の心を震わせるボーカル――2人が織りなすそれぞれの「楓」と、最後に辿り着く真実ともに物語全体を包み込む、スピッツの主題歌「楓」。永遠に愛され続ける音楽、そして、繊細で美しい映像が紡ぐ物語の温もりを、ぜひ劇場で感じてほしい。
