舘ひろし、眞栄田郷敦は自身にとっての“ひかり”と絶賛!映画『港のひかり』東京プレミアで今後も続く交流を宣言

舘ひろし、眞栄田郷敦は自身にとっての“ひかり”と絶賛!映画『港のひかり』東京プレミアで今後も続く交流を宣言

映画『港のひかり』(11月14日公開)の東京プレミアイベントが10月29日、渋谷・ヒカリエホールにて開催され、主演の舘ひろし、共演の眞栄田郷敦尾上眞秀椎名桔平、MEGUMI、藤井道人監督が登壇した。

主演の舘ひろしは輪島でのジャパンプレミアを振り返った
主演の舘ひろしは輪島でのジャパンプレミアを振り返った

本作は、小さな漁村で生まれた出会いを描く物語。孤独な少年が、漁師の“おじさん”に助けてもらったことをきっかけに、年の差を超えて心を通わせていく。過去を捨てた元ヤクザの漁師、三浦諒一を舘が演じ、三浦が助けた幸太の少年期を尾上、幸太の青年期を眞栄田が担い、親子以上に歳の離れた2人の12年にわたる友情を通して、血のつながりはなくても「誰かのために生きる」ことができる人間の強さを描きだしている。

【写真を見る】舘との撮影を振り返った眞栄田郷敦。シックなブラックコートをまとって登場
【写真を見る】舘との撮影を振り返った眞栄田郷敦。シックなブラックコートをまとって登場

本作の撮影は2024年の地震で被害を受ける直前の能登半島を中心に行われ、厳しくも風情に満ちたロケーションをフィルムにおさめることができた。10月18日に石川県の輪島にて開催されたジャパンプレミアを振り返った舘は「朝市だったところはすごく賑やかな通りだったのですが、まったくなにもなくて。映画のなかでちょっとした買い物をするシーンもあるのですが、そのお店がどこにあったのかさえわからないくらいになっていて」と、地震からまもなく2年を迎える現在の能登の様子を明かし、「言葉を失いました」と心境を語る。ジャパンプレミアの際には地元の方々との交流もあったそうで、「みなさんがすごく明るいので、こちらが元気をいただく感じでした」と地元の方々の様子を伝えていた。

共演者から芝居を絶賛された尾上眞秀
共演者から芝居を絶賛された尾上眞秀

年の差を超えた2人が心を通わせていく“友情”がテーマの本作。年の差60歳の舘と尾上の間に友情が芽生えたと感じた瞬間はあったのか、との質問に「60歳差(笑)。友情はないと思うし、僕が感じたとしても受け入れてくれないと思います」と笑い飛ばした舘は撮影を振り返り、尾上の芝居から感じたことに触れる。「本当に素晴らしい演技をしてくれて。僕が目の見えない老人の役をやるとなったら、あれだけできるのかなと思いました」と絶賛した舘は、尾上のほうに体を向け、「とても勉強になりました」と深々とお辞儀。一緒にペコリとした尾上が「船のシーンで声をかけてもらったので、酔わなかったです」と感謝すると、館は「すごく(船でのシーンの芝居を)心配していたので、楽しんじゃえ!って言って」と、リラックスできるようなアドバイスを送ったと振り返っていた。

舘との対峙シーンでの心境を語った椎名桔平
舘との対峙シーンでの心境を語った椎名桔平

今度は、同じ質問を眞栄田が答えることに。「50歳差です」と前置きした眞栄田に対し、ニヤリと反応した舘は「もう、帰っていいですか?」と年の差トークを切り上げようとする場面も。眞栄田は「僕はいただいているものばかりで、舘さんになにかを与える立場でもないので、答えるのは難しいです」としたうえで、「これから、舘さんに与えられる存在になって、友達にもなりたいです」とラブコール。「よく聞こえなかった」と冗談混じりの舘だったが、「今度ご飯とか食べようという話をしていて。これから交流が増えていくかと思います」と笑顔を見せていた。

尾上と仲良くなるためにMEGUMIがとった行動とは?
尾上と仲良くなるためにMEGUMIがとった行動とは?

少年期を演じた尾上には「目が見えないという説得力。(舘演じる)おじさんが(幸太の)ひかりだという説得力を見事に演じていました。僕はそれを引き継いだだけなので、とても楽でしたし、感謝しています」と眞栄田が感謝を伝えると、「この映画は眞秀にかかっています」とニッコリの舘に尾上は少し照れた表情を見せる。少年期から青年期にかけて、映画では描かれていない時間があることを踏まえ、眞栄田は「その説得力みたいなものをどう出そうか。迷いながらやっていました」と役作りを振り返る場面もあった。

キャスティングへの想いを明かした藤井道人監督
キャスティングへの想いを明かした藤井道人監督

椎名演じる石崎は舘演じる三浦がかつて所属していた河村組の組長という役どころ。「石崎はいろいろ演じてきたなかでもなかなかのクズみたいな役です」とキャラクター紹介をして笑わせた椎名は「監督と話して、憎しみや嫉妬だけではない、そういう感情を携えて対峙しようと決めました」と役作りを明かした椎名は「40年近く前、売れていないころに『あぶない刑事』で犯人役で出させていただきました。絡みがなかったのでご一緒したとは言えませんが、当時から雲の上の大先輩」と自身にとっての舘がどういう存在なのかを説明。「40年近く経って(役で)対峙させていただく。いろいろなことを思い起こしながら(演じました)」としみじみした椎名は「とてもうれしかったです!」と満面の笑みを見せた。「大好きな藤井組に入れて、キャメラマンは(木村)大作さんで30年ぶり。役者人生のなかでこんなことはない」とよろこびを噛み締めると、「またそんな機会を作っていただきたいと思います」と藤井監督にリクエストしていた。

尾上を優しくフォローする舘
尾上を優しくフォローする舘

MEGUMIが演じるのは幸太の叔母。撮影時を振り返り「(尾上と)仲良くなりたかったから、すごい食い気味で話しかけていました」とニヤニヤし、「しっかり困った顔をしていました」と笑い飛ばす。尾上の芝居については「そこにいてその人であるというのをピュアな感じでやっていた」と絶賛し、「大変勉強になりました。こういうふうに(役として)居なきゃいけないなと思いました」と影響を受けたと明かしていた。「舘さんとご一緒させていただくこと自体がご褒美みたいな企画です」と話した藤井監督は、「毎回、これが最後の映画だと思って挑んでいます。キャスティングの際には、ベストアクトを引きだしたいというプロポーズのような気持ちでオファーをさせてもらっています」とこれまでも機会があるごとに話してきた、映画制作への変わらぬ姿勢、意気込みに触れ、「みなさんそれ以上の芝居を見せてくれたので、幸せな時間でした」と感謝していた。


舘と眞栄田のトークは息ぴったり
舘と眞栄田のトークは息ぴったり

イベントでは映画のタイトルにちなみ「自身にとっての光のような人」「周りで光輝いている人」をフリップに書いて発表するコーナーも。舘は「友達になりたい」とアピールをした眞栄田の名前を書くなど、改めて出演者間の絆が垣間見えた。また、LED型ライトを手に、優しい光溢れる空間を演出してのフォトセッションも行われた。

取材・文/タナカシノブ

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