木村拓哉、山田洋次監督の最新作『TOKYOタクシー』セレモニーで主演の倍賞千恵子をスマートにエスコート!会場は黄色い歓声でいっぱいに

木村拓哉、山田洋次監督の最新作『TOKYOタクシー』セレモニーで主演の倍賞千恵子をスマートにエスコート!会場は黄色い歓声でいっぱいに

木村拓哉、「山田組は人の気持ちが乗った豊かな場所」としみじみ

セレモニー終了後には会場を丸の内ピカデリーに移し、舞台挨拶が行われた。本作は山田監督にとって91本目の映画で、倍賞は70本目の出演となる。想像を超える数字に、会場からもどよめきが起きるなか、倍賞は「山田組に出ると、自分が勉強していなかったことがとてもよく分かります。私にとっては学校。お芝居的な学校というのではなく、人間としてどう生きていくのかを作品を通して考える、人間としての学校です」と自身にとっての山田組を表現した。

舞台挨拶の会場を見渡し手を振る木村
舞台挨拶の会場を見渡し手を振る木村

木村にとっては「山田監督は作品の監督という立ち位置にいてくれるのですが、それだけではなくて。撮影現場の豊かさを教えてくださる、伝えてくださる、そして一緒に作業をしてくださる。人の気持ちが乗っかった各部署、セクションがいる、すごく豊かな場所です」と説明した上で、「テクノロジーの凄さを感じさせてもらった現場でもあったけれど、テクノロジーよりも人が先行する場所でした」とも付け加えていた。

上映後の舞台挨拶に「ドキドキ」と明かす場面も
上映後の舞台挨拶に「ドキドキ」と明かす場面も

上映後の舞台挨拶に登場するのは、山田監督も倍賞も初めてだと明かす。山田監督は「判決を受けている被告の気分」とたとえ、倍賞は「緊張するけれど思い切って出てきました」と茶目っ気たっぷりに語る場面も。山田監督は「映画というものは一言では説明できない複雑なもの」とし、「主演の俳優さん、サポートする俳優さん、大勢のエキストラさんなども含めた俳優さん、そして数十人のスタッフが加わり、ワーワー言いながら作り上げていくのが映画です。他の芸術にはないもの。しいていうならオーケストラが少し似ているかな」と映画作りについて語り、「辛いことも含めて、楽しいなと思える、そういう気持ちでクランクアップできるのが理想。みんなと一緒にいて楽しかったと思える、そういうのが映画作りというものです」と締めくくると、会場は大きな拍手に包まれていた。

迫田演じた小川のキャラクターについて山田監督が解説!
迫田演じた小川のキャラクターについて山田監督が解説!

さらに迫田は蒼井演じる若き日のすみれの結婚相手という役どころ。「もっと二枚目に。色気を出してほしい」という山田監督からのリクエストがあったと明かした迫田はいくつか提案したなかで近いものがあったのかなという手応えがあったと振り返る。迫田が演じた小川について山田監督は「彼はかなり異常な人間だけど、彼だけ違う種類の人間ではない。彼の異常性はみなさんのどこかにあるもの。それが異様に膨らんでいるの人間というだけ。そういう意味では彼は可哀想な人間です」と解説。迫田は山田監督の言葉に乗っかる形で「それを心がけました」とニヤリとし、「僕はポジティブな人間なので、これは活用していこうと(笑)」と付け加え、笑いを誘いイベントを盛り上げていた。

撮影裏話を明かした優香の言葉に山田監督から予想しなかったコメントが?!
撮影裏話を明かした優香の言葉に山田監督から予想しなかったコメントが?!

木村演じる宇佐美の妻役の優香は、作中でシュークリームを頬につけるシーンがあったそうで、「7回撮りました」と笑顔で告白。「なかなかうまくつかないんです。すごくめり込ませてみたりもして…」とニヤニヤする優香に山田監督から「すごく難しいシーンで、いまでも納得いかない(笑)」との言葉が出る場面も。「えー!」と絶叫した優香は、「リテイクかな(笑)」とポツリとこぼし、笑わせる。木村と優香が演じる宇佐美夫婦の娘を演じた中島は「ホン読みの時から、かわいらしく守ってもらうような女の子に見えるように意識しました」と役作りを明かし、「うまくいかなかったこともあったけれど、呼吸のところから、一からご指導いただいたので頑張っていかなきゃ!と思っていました」と撮影時の心境を明かしていた。


取材・文/タナカシノブ

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