“ゾンビィ”となった少女たちがご当地アイドルとして佐賀県を救う!?新感覚アニメ「ゾンビランドサガ」奇跡の物語をプレイバック

●0号：唯一意識が戻らない純粋なゾンビィ、山田たえ

幸太郎いわく「伝説の山田たえ」である山田たえ(声：三石琴乃)。たえ以外のメンバーが自我に目覚めたあとも一人だけ意識が戻ることがなく、うめき声しか発することができない。しかし、その自由奔放な振る舞いがファンの間でも人気。食べ物を見るとすぐ飛びつくだけでなく、さくらの頭にもよく噛みつき、頭や腕がよく取れる。

唯一自我を取り戻していなかった山田たえに変化が訪れる？(劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』)[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

幼稚園児程度の知能は持っており、第2期6話ではゾンビィ犬、ロメロの散歩をしながらお遣いをするエピソードが描かれ、飛び入りでダンス大会に参加し見事なブレイクダンスで優勝する。また、墓地でお供え物を盗み食いするシーンがあり、そこが「山田家代々之墓」だったのは、偶然か本能か不明だ。劇場版ではなんと自我を取り戻し、まさかのフランシュシュ脱退を宣言する…？

●さくらたちをゾンビィとして蘇らせた張本人、巽幸太郎

佐賀を救うために「ゾンビランドサガプロジェクト」を推し進めるプロデューサー、巽幸太郎(劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』)[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

佐賀県を救うために、フランシュシュのメンバーをゾンビィとして蘇らせた謎のアイドルプロデューサー。サングラスとスーツ、ポケットチーフ代わりのスルメがトレードマーク。メイクの腕は一流で、メンバーのゾンビィフェイスを隠すことは彼にしかできない。

“ご当地アイドルで佐賀を救う”ことを目標に掲げ、さくらたちを巻き込みながら「ゾンビランドサガプロジェクト」を推し進めていく。常にハイテンションで強引ではあるが、その手腕は確かなもので、人気ご当地CMへの出演をはじめ、ライブの規模も確実に拡大させていくなど、フランシュシュたちを多くの人に愛されるアイドルへと成長させていく。

第2期の終盤では、いつもの強引さで「駅前不動産スタジアム」での無謀な大規模ライブを強行した結果、キャパを埋めきることができず大失敗。多額の借金を抱えたことですべてを諦めて現実逃避してしまう。一念発起したフランシュシュの頑張りによって巨額の借金を完済し、知名度も断然に上げた彼女たちと仲直りした幸太郎は、駅前不動産スタジアムでのリベンジライブを決意する。しかしそんな矢先、九州で局地的な暴風雨が発生し、佐賀県全域が陸の孤島と化してしまう…。

素顔を見せてでも、水害で心を痛める人々のために頑張るフランシュシュに背中を押され、佐賀の人たちに“いま”ライブを届けることが必要だと確信する。彼の熱意によってライブは、チャリティライブという位置づけで実現。災害に苦しんでいた佐賀の人々を勇気づけることに成功した。また、幸太郎にアイドルになれたことのお礼を言うさくらに彼の過去が重なる形で、さくらがかつての同級生であり、彼女に恋心を抱いていたことなどが示唆された。

佐賀に宇宙人が襲来!?劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』

フランシュシュがアンバサダーを務める佐賀万博に危機が!?(劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』)[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

宇宙船の飛来と激しい爆風という不穏なシーンで幕を閉じた第2期。以来約4年ぶりとなるシリーズ最新作、劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』では、2期ラストの伏線がついに回収される。また、「三石琴乃の無駄遣いではないか」と言われていたたえが、ついに本領を発揮。謎とされていた、たえの過去や幸太郎との関係が明らかになる。

幾多の危機を乗り越えた佐賀は、フランシュシュがアンバサダーに起用された“佐賀万博”の開催に沸いていた。そんな折、突如として宇宙船が飛来し攻撃を仕掛けてくる。宇宙人の目から逃げ隠れしながらの生活を余儀なくされた人々に、フランシュシュは反撃の炎を灯す。そんななか、過去の記憶を取り戻し自我に目覚めたたえは、佐賀を救うために一人で宇宙人の侵略に立ち向かおうとする。アイドルがいったいどのようにして宇宙人に対抗するのか。作戦成功の鍵を握るのは、メンバーの絆と佐賀愛。しかし、たえの自我はタイムリミットを迎えようとしていて…。

劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』は公開中！[c]劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

トラブルに次ぐトラブルに見舞われながらも、確固たる絆で結ばれ、スターダムをのし上がってきたフランシュシュ。劇場版ではアニメ版を上回るトラブルが彼女たちを襲うわけだが、紆余曲折を経て開催されるフランシュシュ最後のライブは、これまでで一番の感動を呼ぶに違いない。そして、佐賀への強い愛がもたらす奇跡、ファン待望のたえの覚醒をぜひ劇場で見届けてほしい。

文/榑林史章