當真あみ、緊張で眠れない夜を越えて「幸せな気持ちでいっぱい!」長編映画初主演作『ストロベリームーン』がついに公開
當真あみが長編映画初主演を務める『ストロベリームーン 余命半年の恋』の初日舞台挨拶が10月17日に丸の内ピカデリーで行われ、當真をはじめ、齋藤潤、池端杏慈、中条あやみ、伊藤健太郎、田中麗奈、酒井麻衣監督が出席した。
本作は「令和イチ泣ける」と話題の芥川なおによるベストセラー小説を、『余命10年』(22)や『いま、会いにゆきます』(04)を手掛けた脚本家の岡田惠和と「美しい彼」シリーズで注目を集める監督の酒井麻衣が実写化したラブストーリー。
ドラマ「ちはやふるーめぐりー」の好演も話題となった當真が、余命を宣告されながら、家族や友人、そして慣れない学校生活に対して明るく振る舞う主人公の桜井萌を演じた。撮影から1年が経ち、宣伝活動に励むなか「だんだん公開が迫っているなとずっとワクワクしていたんですが、昨日の夜は緊張しすぎてまったく眠れなくて」という當真。しかしながら「観にきてくださった皆さまを前にして、うれしいという気持ちが一気に跳ね上がって。うれしく、幸せな気持ちでいっぱいです」と会場の熱気を感じたことで、緊張よりも幸せな気持ちが勝っている様子で「すごく元気です!」と清々しい笑顔を見せていた。
萌から突然告白される純朴な同級生の佐藤日向を演じるのは、映画『カラオケ行こ!』(24)での悩める中学生役で印象を残した齋藤。「原作を読んだ時からこの作品が大好き。青年になる日向くんの成長を演じさせていただけるのが、とにかく幸せだった」と切り出し、「あみちゃんや酒井監督をはじめ、キャスト、スタッフの皆さんに現場で支えていただいたおかげで、日向くんとして毎日立つことができました」と感謝を込めていた。
日向の幼なじみである麗を演じた池端は、「2人とも優しくて。本当のクラスメイトのよう。楽しく撮影できました」と當真や齋藤と過ごした撮影期間を回想した。當真によると、撮影の合間は「好きな食べ物や、好きな色の話をしていた」そうで、これには13年後の麗に扮した中条が「かわいい!」とメロメロ。同じ役を演じた中条と池端は「好きな色は紫」と意気投合して笑顔を弾けさせつつ、中条は「映画を観ると、みんながすごく楽しそうで。こんな青春っていいなと夢を見られるようだった。それを実際に体験したような気持ちにさせてもらえるような、美しい映像だった」と高校生役を演じたメンバーのきらめきに胸を打たれたという。
「なんで私は高校生役で呼ばれなかったんだろう。悔しかった…」と茶目っ気たっぷりにこぼしながら、「この年齢にしか出せない、とてもキュートでキラキラとしたみんなの笑顔や表情を見ると、歳を取っちゃったと思いました」と苦笑い。「最初に健太郎くんに会った時も、これくらいの年齢だったもんね。それから10年、あっという間だったなとびっくりしています」と伊藤と顔を見合わせていた。
日向の親友であるカワケンの13年後を演じた伊藤は、試写を観て「ボロボロに泣いた」と告白。「純粋な、心が洗われるようなステキな映画。参加させてもらえて光栄」としみじみと話した。「今年も残すところあと2か月。その2か月で叶えたい願いは?」と質問されるひと幕もあったが、回答のトップバッターを務めた伊藤は「小さいころから空を飛びたい。空を飛べたらいいな」と壮大な夢を語って会場の笑いを誘いつつ、「スカイダイビングです」とコメント。続けて中条が、「まじめな話をすると、この映画を本当にたくさんの人に観てほしい」と大人の答えを繰り出すと、伊藤は「ズルい…」とポツリ。さらに池端が「『ストロベリームーン』をあと5、6回、観に行きたい」、田中も「娘が5歳。『ストロベリームーン』を観たいと言っているので、連れて行っちゃいます。予告編を見て、『ママがちゃんとやっているか観に行く』と言っている」と子どもの様子を紹介しながら、本作に関する願い事を口にした。
一人だけ映画とは関係のない願いを発表した伊藤が「すごい汗をかいてきた」とタジタジとなるなか、齋藤は「僕も空を飛びたいです」と伊藤に同意しながらも、「でも一番の願いは、この映画がロングランになること」と希望し、会場と伊藤は大笑い。齋藤が「スカイダイビング行きたいです」とさらに伊藤をフォローすると、伊藤は「ありがとう。一緒に行こうね」とうれしそうに目尻を下げていた。當真も「私も死ぬまでには一度、空を飛びたい」と笑顔。「この2か月となると、萌ちゃんみたいに、なにかに恋できる期間がほしいなと。好きなものを見つけて、なにかに熱中できる時間がほしいなと思います。あとはこの映画を一人でも多くの方に観ていただきたい」と心を込めると、伊藤は「本当にステキな方々」と敬意を表し「すみませんでした」と謝罪して会場を笑わせていた。
最後には當真と齋藤がくす玉を割り、会場と一緒に初日をお祝いしたこの日。當真は「ピュアな初恋や友情、家族の愛など、いろいろな形の愛が詰め込まれた作品です。いま舞台上に立っている役者の皆さん、スタッフさんの愛もこもっている作品です。温かさにあふれていて、心が癒されるような作品になっていると思います」と改めてアピールし、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝