『エミリー・ローズ』『フッテージ』から『ブラックフォン』へ!ホラーの枠にとどまらないスコット・デリクソン監督の手腕に迫る
メガヒット作からカムバック!兄妹の絆が感動を誘う
『ドクター・ストレンジ』で世界的成功を収めたデリクソン監督がホラージャンルに回帰し、『フッテージ』以来10年ぶりにホークとブラムとチームを組んだ『ブラック・フォン』は、1970年代のコロラド州を舞台に、連続殺人鬼グラバー(ホーク)に誘拐され地下室に監禁された内気な少年フィニー(メイソン・テムズ)が脱出を試みようとする姿が描かれる。
フィニーを導くのは、断線した黒電話を通して届けられるグラバーの犠牲となった子どもたちからのメッセージ。死が徐々に迫ってくる緊迫感と、死者の声を頼りにするという斬新な設定、生きて帰るために奮闘するフィニーの懸命な姿は、ホラーとドラマ性の融合を得意とするデリクソン監督の真骨頂。
また、フィニーの妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)の予知夢という要素が物語の怪異性を高め、兄妹の絆を強く結びつける。ホラージャンルでありながら観る者に感動を与える一本だ。
舞台は前作から4年後!兄妹が絆の力で“真の悪”と再戦
最新作『ブラックフォン 2』で描かれるのは、死者たちの言葉と兄妹の絆を力に変えグラバーを地獄へと葬ってから4年後。17歳になったいまもグラバーのトラウマに苦しむフィニーと、15歳になり意志の強い少女に成長したグウェン。ある日グウェンは、夢のなかで黒電話からの着信を受け、ウィンターキャンプで3人の少年が追い詰められる恐ろしい様子を予知する。自分自身とフィニーを苦しみから救うため、実際にウィンターキャンプを訪れたグウェンとフィニー。そこで待っていたのは、グラバーと自分たち家族の過去を結びつける衝撃的な真実だった…。
グラバー役のホークに加え、実写版『ヒックとドラゴン』(25)でヒック役に抜擢されるほどの飛躍を遂げたフィニー役のテムズ、グウェン役のマックグロウも続投。フィニーへの復讐を企み、凄まじい怨念と絶望を携えて姿を現す“死者となったグラバー”に、兄妹はどのように立ち向かっていくのか。恐怖の向こう側に込められたドラマ性にも注目しながら、死をも超越する“真の悪”の姿を目撃してほしい。
文/久保田 和馬

