「攻殻機動隊 S.A.C.」神山健治監督が分析する、エイリアンのデザインと生態。「エイリアン:アース」で感じた、シリーズ共通の“閉鎖空間”とは?

インタビュー

「攻殻機動隊 S.A.C.」神山健治監督が分析する、エイリアンのデザインと生態。「エイリアン:アース」で感じた、シリーズ共通の“閉鎖空間”とは?

「閉鎖的な空間で展開することがお約束のひとつなのかもしれない」

――もうひとつ、このシリーズのウリのひとつは舞台が「宇宙」から「地球」へです。地球が舞台になるのは(正史)シリーズ初です。

「『1』から『2』が作られるまでは7年ありますが、その間、続編が作られるんじゃないか?その続編の舞台は地球になるんじゃないかとウワサされていましたが結局、地球に帰って来たのは今回が初めて。では、広範囲の地球でエイリアンの恐怖を描くのかといえば、ネバーランドと名付けられた離島のような場所が舞台となっていて、どうもそこから出るとは思えない。エイリアンを持ち出したい者がいるんだけど、成功しないんじゃないかと思いますよね。もしかしたら『エイリアン』シリーズって、閉鎖的な空間で展開することがお約束のひとつなのかもしれない。映画版の場合は宇宙船、そして本シリーズでは離島ということです」

地球の物語であるが、閉鎖された空間で物語が進んでいく
地球の物語であるが、閉鎖された空間で物語が進んでいく[c]2025 Disney and its related entities[c]2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu

――深宇宙に浮かぶ宇宙船、そして海に浮かぶ離島ということですね。

「そうそう。だから、そういう感じでめちゃくちゃ想像が膨らむシリーズだと思います。ここで描かれている映像、書かれているストーリー以外のなにかを潜ませているんじゃないかと思わせるし、『エイリアン』シリーズを知っていれば知っているほど想像力を掻き立てられる。アンドロイド関係では『ブレードランナー』が重要なので、一緒に考察するとよりおもしろくなる。そもそも『ピーターパン』が重要なモチーフになっているけど、ウェンディたちのことを“永遠の子ども”と言っているのか、それとも彼らを創造した大富豪の天才児(カヴァリエ)なのかも、6話まででははっきりされていない。これもとても気になります。

初めに言ったように、観始めた時は欲張り過ぎでは?なんて思ったんですがそれは最初だけ。あとは昨今では珍しいくらいゆっくりした展開なので、毎週じらされています(笑)。いまのところ6話まで観てますが、謎はほとんど解けてないし、興味深い話が絡み合っていて、あと2話で終わりには絶対にならないと思う…というか、そうなってほしくない。このままセカンドシーズンに続いて、そういう物語をより深く追求してもらいたいという気分です、いまは!」

「エイリアン:アース」はディズニープラス「スター」で独占配信中!
「エイリアン:アース」はディズニープラス「スター」で独占配信中![c]2025 Disney and its related entities[c]2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu


取材・文/渡辺麻紀

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