マキマ、パワー、姫野、そしてレゼ…ウブなデンジを翻弄する「チェンソーマン」の魅惑的な女性キャラたち
話題作を次々と生みだす鬼才の漫画家、藤本タツキが、現在「少年ジャンプ+」で連載中の大ヒットコミック「チェンソーマン」。「呪術廻戦」、「進撃の巨人 The Final Season」のアニメスタジオMAPPAが手掛けた2022年放送のテレビアニメは、200以上の国と地域で配信され、国内外で高い評価を獲得した。そしてこのたび、ついに待望の初映画化となる劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が9月19日に公開された。
テレビシリーズの最終話から地続きとなる今回の物語“レゼ篇”は、連載当時から熱狂的な人気を博し、「これはスクリーンで観たい!」という声も多く聞かれたエピソード。“チェンソーの悪魔”の心臓を持ち、公安対魔特異4課に所属するデビルハンターの少年デンジ(声:戸谷菊之介)が、ある夏の日、無邪気な美少女レゼ(声:上田麗奈)と偶然出会い、彼女との交流に胸をときめかせながら、いつしか予測不能な運命へと突き進んでいく。
親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を過ごしていた初登場の時は「死ぬまで女と付き合えねえんだろな~」とあきらめの境地にいて、もしも叶うなら、女を抱いてから死にたいという夢を抱いていた自称16歳のデンジ。学校にも通わず、女性とはまったく縁のない孤独な生活を送ってきただけに、公安に入り、デビルハンターとして人並みの生活を手に入れたあとは、女性への憧れと欲望こそが、彼がこの仕事をするうえでの大きな原動力となっている。そこで本稿では、これまでの物語をデンジと3人の女性キャラクターたちの関係性から振り返り、新たな物語のカギを握る新ヒロイン、レゼの魅力に迫ってみたい。
謎めいた言動でデンジを翻弄する、ミステリアスな魔性の女“マキマ”
公安対魔特異4課を取り仕切るリーダーであるマキマ(声:楠木ともり)。“ゾンビの悪魔”討伐に向かった先でデンジと出会い、彼を公安にスカウトした。内閣官房長官直属のデビルハンターでもあり、一介のデビルハンターは彼女が契約している悪魔を知ることも許されない。新幹線の車内で銃撃にあった際は、命を落としたように見えた彼女が、なぜか無傷の状態で現れたことも…。京都にいながら、遠隔で東京にいる敵を次々と殺すなど、底知れない恐ろしい力を持っている。
ひどい環境で生きてきたデンジにとって、初めて優しく接してくれて、衣食住も与えてくれたマキマは救世主的存在。出会った当初は「公安を辞職したり違反行動があった場合、デンジくんは悪魔として処分されます」と言って脅す一方で、好きな男性のタイプは「デンジくんみたいな人」と答えるなど、マキマの思わせぶりな態度に、ウブなデンジは翻弄され続けている。最強の悪魔である“銃の悪魔”を殺すことができたら、「願いごと、なんでも一つ叶えてあげる」とマキマから言われたことで、デンジの仕事に対するモチベーションは爆上がりに。初めての相手はマキマがいいと心に決めたデンジは、彼女に認めてもらうべく奮闘する。
今回の劇場版では、デンジが憧れのマキマと初めてデートするシーンがあるのもうれしいポイント。マキマへの好意を周囲に隠そうともしないデンジと、時々上司と部下の関係を越えた親密すぎる距離感でデンジを惑わせながら、真意がまったく見えないマキマ。彼女の趣味である映画鑑賞を通して、プライベートの素顔と感情がチラリとのぞく瞬間がたまらない。