永井紗耶子原作小説を柄本佑&渡辺謙で映画化『木挽町のあだ討ち』2026年2月公開決定
<キャスト、スタッフコメント>
●柄本佑(加瀬総一郎役)
「なにを隠そううちの父は木挽町の生まれでして、今作の小説が出たときに『これは読まなければ』と、あまり本を読まない僕が珍しく買って読んでた小説なわけなのですが、まさか自分にお話が来ようとは思いもしませんでした。源監督は出演数の一番多い監督。スタッフも勝手知ったる旧知の仲間。皆さんとのお仕事はいつも楽しいばかり。加えて京都太秦撮影所でのがっつり撮影ですから、隅から隅まで俺得でしかない現場でした。原作を読んだことのある方は『あれ、どうやって映画にするのん??』と思われるかもですがご安心を。流石源監督。ホンを読んで『そうきたかぁ』と唸りました。ぜひお楽しみにしていただけたら、これ幸い」
●渡辺謙(篠田金治役)
「原作を読んだ時、この作品映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされた時、2つ返事でした。脚本はミステリーと群像劇の要素が入り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました」
●永井紗耶子(原作)
「この作品は、読者の皆様を江戸の芝居小屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居小屋のセットに入った時、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました。監督、スタッフのみなさんのパワーと、役者さんたちの熱演によって、新しい角度から表現される『木挽町のあだ討ち』。ぜひ多くの方に、楽しんでいただきたいと思っています」
●源孝志(監督)
「直木賞を受賞して間もない『木挽町のあだ討ち』を映画化したい、監督してもらえないか?というオファーを受けたのは、『赤坂大歌舞伎』『中村仲蔵』など、江戸歌舞伎の世界を舞台とした作品が続いていた時期だった。正直、私的には歌舞伎ものはお腹いっぱいで、半ば断ろうと思っていた。思っていたのだが…渡された原作を、ついつい一晩で読んでしまった。生き場所を失って芝居小屋に流れ着いた江戸の演劇人たち。彼らの細やかな悲しみが丁寧に織り込まれたエピソードが、重層的にストーリーを動かし、次第に仇討へと収斂されていく展開が見事だった。
脚本をどう書くべきか?と悩んでいたころ、別作品のミーティングでたまたま会った渡辺謙さんが、『「木挽町のあだ討ち」読んだ?あれ、おもしろいよね。映画にならないかなぁ』と私に言った。私はシレッと聞き返した。『謙さんなら、どの役がやりたいですか?』『そりゃ◯◯◯でしょう?』『いや、△△の方がいいと思いますよ』『なにそれ?源さんが撮るの?』『いやいやいや…』キナ臭い役者と監督の会話である。
この作品を映画化するにあたって、1つ難度の高い問題があった。私に監督を依頼したプロデューサーは、この人情あふれる物語を、サスペンスタッチのエンタテインメントに仕立て上げて欲しいという。無茶な話である。この無茶振りに対する打開策を数日ぐるぐると悩み、やがて唐突に『解』を得た。ダラっと家で見ていた『刑事コロンボ』の再放送が、その『解』をもたらしてくれた。コロンボの如く、ニュルっと仇討ちに隠された謎に切り込んでいくのは、原作では一言も喋らない男。すぐに、柄本佑のニュルっとした笑顔が思い浮かんだ。その前に立ちはだかるのは、渡辺謙率いる、クセ強めの“森田座アヴェンジャーズ”。彼らが守ろうとしたものはいったいなんなのか?役者の顔が見えてきたら、脚本は一気呵成に書き終えた。まだ完成前だが、原作を読んだ読まないにかかわらず、最後まで疾走感を感じるエンタテインメントになっていると思う」
●須藤泰司(プロデューサー)
「クリスティの『オリエント急行殺人事件』を江戸の町に置き換えたような上質のミステリー、粋で痛快なストーリー。そして歌舞伎の華やかさ。そんな原作小説の持つ魅力をさらに膨らませ、極上のエンタメ作品が誕生しました!柄本佑を筆頭に、全員クセ者、訳あり男女。締めるは大ボス渡辺謙。誰がホントか嘘なのか?時代劇が再び脚光を浴びるなか、東映京都の職人たちが咲かせた『あだ討ち』の花、とくとご覧あれ!!」
文/鈴木レイヤ