主題歌は米津玄師書き下ろし「1991」に!『秒速5センチメートル』感情をあらわにする貴樹の姿映す最新予告も
『君の名は。』(16)、『天気の子』(19)、『すずめの戸締まり』(22)など、記録的な大ヒット作を生みだしてきた新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(07)。本作を、松村北斗主演で実写映画化した『秒速5センチメートル』(10月10日公開)の主題歌が米津玄師 書き下ろし楽曲「1991」に決定し、本楽曲を使用した予告編が新たに解禁された。
映像美、音楽、特徴的なセリフで編まれた詩的な世界観は、センチメンタリズムが凝縮された新海ワールドの原点との呼び声も高く、公開から18年たったいまもなお、日本のみならず世界中で愛されている『秒速5センチメートル』。主人公、遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描く。貴樹を演じるのは、本作が初の単独主演映画となる松村北斗、またヒロインの篠原明里に高畑充希が扮する。また、貴樹の幼少期を本作がデビュー作となる上田悠斗、明里の幼少期を「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞した白山乃愛、自然豊かな種子島で過ごした高校時代の貴樹を青木柚、貴樹に想いを寄せる高校の同級生、澄田花苗を森七菜、花苗の姉で、貴樹が通う高校の教員を務める輿水美鳥を宮崎あおいが演じるほか、漠然とした不安と焦燥感を抱えた社会人時代、貴樹の同僚、水野理紗役には木竜麻生、科学館の館長、小川龍一役に吉岡秀隆といった豪華キャスト陣の出演が発表され、より一層期待の声が上がった。
メガホンをとるのは、「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師「感電」「KICK BACK」星野源「創造」のミュージックビデオを監督し、映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之。昨年公開されたオムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』(24)では、3館でスタートした上映が80館にまで拡大し、北京国際映画祭「FORWARD FUTURE」部門において最優秀脚本賞と最優秀芸術貢献賞をダブル受賞するなど非常に評価が高く、いま大きな注目を集めているクリエイターだ。切実さと誠実さをもって、いましか作れない『秒速5センチメートル』を真摯に撮りたい、と語る現在34歳の若き新鋭、奥山監督にとって、本作が初の大型長編商業映画監督作となる。
これまで時代を代表する数々の名作映画やドラマ、アニメーションに主題歌を提供し、そのたびに高い評価を獲得してきた米津。米津は1991年に生まれ、10代の頃、新海誠の『秒速5センチメートル』と新海自身が書き下ろした同作品の小説に深い感銘を受けたという。今回、原作の世界観をリスペクトしながら、主人公に自らを重ね新たな名曲を生みだした。
本作で重要なパートを占めるのは、貴樹の心に深く刻まれている、明里と出会った1991年の日々。小学生のころに出会い、心を通わせていく幼い2人が過ごしたまばゆい日常、大人になってからも色あせない“あの頃”が、主題歌のタイトルに刻まれている。そして奥山監督も1991年生まれ。奥山はこれまで米津の楽曲「感電」「KICK BACK」のミュージックビデオを監督したほか、アーティスト写真の撮影を担当するなど、深い信頼関係を築いてきた。互いの才能を高く評価し合う2人が紡ぐ、映画本編と主題歌にも注目したいところ。
「大人になればきっと、この世界のことがわかるようになるはず──」という、貴樹のモノローグで始まり、貴樹が歩んできた18年間を振り返るように続いていく本予告映像。1991年、人と人が出会うわずか0.0003%の確率で出会った、貴樹(上田)と明里(白山)。「来年も、一緒に桜見れるといいね」と、この先もずっと一緒に過ごしていけると信じていた幼い2人に訪れる、突然の別れ。
1997年、「誰にも近づきすぎないように──」と、どこか心ここにあらず高校時代を過ごす貴樹(青木)に、どうしても届かない花苗(森)の想い。そして2009年、「誰といつ別れても平気でいられるように──」漠然とした不安と焦燥感を抱えながら、社会人としての日々を過ごす貴樹に送られる、理紗からのメール。主題歌「1991」からは、貴樹の内に秘めてきた感情があふれ、“いつまでも君といたかった──”と、切実な想いを、まるで心の中に零れ落ちるように米津が歌い上げる。
さらに、これまで解禁されてきた映像では観られなかった、嗚咽しながら涙を見せる、感情があらわになった貴樹の姿も映しだされる。それぞれの人生を歩み、大人へと成長した貴樹と明里(高畑)は、いまは別々の場所に。お互いが同じものを見たり、同じ場所を訪れたりしていても、再び交わることがなかった人生のなかで、やがて迎えるある約束の日。そして、原作アニメーションでも印象的な参宮橋の踏切のシーンで締めくくられる。
大切な人との巡り合わせを描いた約束の物語。それぞれ異なる速さで18年という時間を過ごした貴樹と明里の運命は、果たして交わるのだろうか。今後の続報にも注目だ。