アナ・デ・アルマス、火炎放射器バトルは「正気の沙汰ではない(笑)」。監督と語った「ジョン・ウィック」最新作のアクションが生まれるまで

アナ・デ・アルマス、火炎放射器バトルは「正気の沙汰ではない(笑)」。監督と語った「ジョン・ウィック」最新作のアクションが生まれるまで

キアヌ・リーブスが伝説の暗殺者ジョン・ウィックを熱演する大ヒットシリーズの最新作『バレリーナ:The World of John Wick』(公開中)。ガンアクションとカンフーを組み合わせた“ガンフー”など、シリーズを追うごとに激しさとスケールを増すアクションで世界を熱狂させてきた本シリーズは、新たに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)のアナ・デ・アルマスを主人公に、さらなる広がりを見せている。

謎の暗殺教団に父を殺され、天涯孤独になった少女イヴ(アルマス)。暗殺者を養成する組織、ルスカ・ロマに身を寄せることになった彼女は、過酷な訓練の日々を乗り越え、暗殺者として活動し始める。ある晩、父を殺した暗殺者と同じ傷痕を持った男に襲われ、その傷跡が暗殺教団のメンバーのものであることが判明。仇への手掛かりを見つけ復讐心に駆られたイヴは、一人戦いに身を投じる。

劇中にはリーブス演じるジョンをはじめ、ニューヨーク・コンチネンタルの支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)、コンシェルジュのシャロン(ランス・レディック)らおなじみのメンバーも登場するなど、まさにファン待望の最新作となった本作。来日したアルマス、監督を務めたレン・ワイズマン監督にインタビューを敢行し、「見たことがないものを撮る」ことにこだわった、唯一無二のアクションの舞台裏、続編の可能性までたっぷり語ってもらった。

取材中、終始互いへの信頼関係がうかがえたワイズマン監督とアナ・デ・アルマス
取材中、終始互いへの信頼関係がうかがえたワイズマン監督とアナ・デ・アルマス撮影/興梠真穂

「イヴの視点から『ジョン・ウィック』の世界を再発見・再構築するのは興味深いこと」(アナ・デ・アルマス)

――脚本を最初に読んだ時にどう感じましたか?

アナ・デ・アルマス(以下、アルマス)「読んだ瞬間、大好きになりました。そもそもですが、レン(・ワイズマン監督)と最初に会ったのは、この作品の撮影の1年前くらいだったんですが、その時から私は本当に興奮していたと思います。大好きな『ジョン・ウィック』の世界の一員になりたいと本当に思っていましたし、そのうえでこの脚本。強くて楽しくてユニークで…イヴは私が演じるのに最適なキャラクターだと自負していますし、読んだ瞬間からイヴに恋した気分でした」

アナ・デ・アルマスも脚本を読んだ時から恋をしたという、新たな復讐者イヴの魅力とは
アナ・デ・アルマスも脚本を読んだ時から恋をしたという、新たな復讐者イヴの魅力とは[R], TM & [c] 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

レン・ワイズマン(以下、ワイズマン)「私が最初にシェイ・ハッテンの脚本を読んだ時に感じたのは、これまでの『ジョン・ウィック』の流れはちゃんとくんでいるものの、明らかにテイストが違うことでした。ルスカ・ロマで殺し屋のトレーニングを受けて、組織の一員としてやっていたのに、あることをきっかけに組織とは別の行動に移るようになる、という点では、ジョン・ウィックもこの作品のイヴも同じではあるんですが、明らかに違うのが組織がどのようにして暗殺者を育てていくかのプロセスについて語られていたことですね。組織はまるでカルト部族のようにいくつも流派があって、それぞれ家族を育てるような感じで育成していること、そして流派ごとの結びつきがどのようなものか。この2点について新しさを感じ、それがこの作品の魅力だと思いました」

――キャラクターのどの側面に一番惚れ込みましたか?

アルマス「まずは主人公のイヴが女性ってことですね。このようなシリーズ、またはアクション作品はたいてい男性が主人公のことが多いじゃないですか。しかも『ジョン・ウィック』という巨大なフランチャイズで初めての女性主人公ということが、このシリーズにおいてとても大きな意味があり、新たな息吹を吹き込む可能性を感じていたことです。そして、イヴの視点から『ジョン・ウィック』の世界を再発見・再構築することが本当に興味深いことだと思いました。


肉体面で男性に劣ってしまうイヴは、様々なキルスキルを駆使して戦いに挑む
肉体面で男性に劣ってしまうイヴは、様々なキルスキルを駆使して戦いに挑む[R], TM & [c] 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

彼女は自分が男性の暗殺者ばかりの世界にいて、体力が必ずしもほかの男性暗殺者よりも強くはないということを自覚しているんです。つまり、彼女は賢さと解決の速さを武器にして、問題から抜け出そうとする。これがイヴの最大の特徴であり、本作での魅力だと感じています。しかも、男性暗殺者よりも体力的には弱いかもしれないけど、非常に高度に訓練された危険な暗殺者に変身するキャラクター。アクション映画というジャンル自体での新しい女性キャラクターのすばらしいアプローチだったことに非常に驚きました」

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