賀来賢人「大好きな世界に入れて感激!」『映画クレヨンしんちゃん』初日舞台挨拶で山寺宏一、森川智之、速水奨らベテラン声優陣の面白トークに会場も大爆笑
『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』の初日舞台挨拶が8月8日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、本作のゲスト声優を務めた賀来賢人、お笑いコンビバイきんぐ(小峠英二、西村瑞樹 )、山寺宏一、速水奨と、おなじみ野原一家声優陣の小林由美子、森川智之、こおろぎさとみとボーちゃん役の佐藤智恵、橋本昌和監督が登壇。さらに、野原しんのすけ&ボーちゃんも登場し、舞台挨拶をアツ~く盛り上げた。なお、野原みさえ役のならはしみきは、体調不良のため欠席となった。
「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ32作目となる本作は、しんのすけたちカスカベ防衛隊がインドへ。観光を楽しむなか、しんのすけとボーちゃんが奇妙な雑貨屋を訪れ、「鼻の形」をしたリュックを発見。リュックに詰まっていた紙を偶然にも鼻に入れてしまったボーちゃんに異変が…。トレードマークの鼻水を流さず、キリッとした表情で素早い動きを見せるなど、しんのすけたちの知らない“暴君(ボーくん)”へ変貌を遂げてしまう。いったいボーちゃんになにが起こったのか。いつものボーちゃんを取り戻すべく、カスカベ防衛隊が立ち上がる。
小さい頃から「クレヨンしんちゃん」が大好きだったという賀来は「まさかこの世界に入れてもらえるなんて!」とゲスト声優として本作に参加したことに「本当に感動しました!」と大興奮。「いま、自分も子どもがいて、一緒に(作品を)楽しめている状況のなか、なかばゴリ押しの逆オファーをさせていただきました」と茶目っ気たっぷりに挨拶し笑いを誘った。しんのすけたちのインド旅で現地をガイドしてくれる温厚で優しいインド人のウフンアハーン役を演じた小峠は「すべての喜怒哀楽を『ウフンアハーン』で表現しなきゃいけなくて…」と難しさ(?)に触れつつ、「終わると思ったらもうひと波やってくるような、すばらしい映画に参加させてもらえることが光栄です!」と作品の出来栄えを絶賛し、作品に参加したことを心から喜んでいた。
しんのすけたちが立ち寄った雑貨店のバイト君役を演じた西村は「家族で観にきた時に、子どもがはたして気づいてくれるのか…」とちょっぴり心配の様子。「出てた?」などとキャスト陣から冗談混じりにツッコミが入ると「ちゃんと出てました!」と胸を張り、本作でキーとなるボーちゃんが変貌してしまうきっかけとなる”雑貨屋さんのバイト”という重要な役どころであることを真剣にアピールしていた。
アフレコを振り返った山寺は「昨年の10月の末。とても過酷な収録でした」とグッタリした様子で語り、小林、佐藤と収録終わりに収録スタジオ近くのクラフトビールを飲みに行ったと明かすと、小林も「あの味は忘れらません!」と思い出深い収録日だったと声を揃えていた。速水は「声優として『クレヨンしんちゃん』に出れるのってすごくうれしいこと」と低音ボイスでにっこり。続けて「しかも山寺くんと相棒なんて!声優になったって気がします」とさらに笑顔を見せ、大きな拍手を浴びていた。すでにたくさんの感想が届いていることが伝えられると「すごくうれしいです!」と喜ぶ賀来。「しんちゃんファンとして作品を観てきたなかで、ここまで全部のせなのは本当にすごい。いろんなおかずが詰まっているって最初観た時に思いました」と感想を伝え、家族で観ることを楽しみにしているとも語っていた。
プロモーションでしんのすけとインドを訪れた小峠は、インドでの「クレヨンしんちゃん」の人気ぶりを報告。「週7オンエアされています。しかも18年間!」と切り出した小峠は「とにかく知名度がすごい!」と大興奮。知名度は100パーセントとも言えるくらい、どこに行っても声をかけられて人気を実感したそう。最終日にお酒を飲みにインドのクラブ訪れた際に一緒に踊ることになった若者に、「映画クレヨンしんちゃん」の新作の舞台がインドだということ、その作品に声優として参加していることを伝えたところ、若者たちが大盛り上がり。「『おー!クレヨンしんちゃんに出てるって!』みたいになって。その場で持ち上げられて、インドのクラブで胴上げされました」とエピソードを披露すると、キャスト陣も大爆笑だった。
本作ではインド機密未解決怪奇事件特捜部の刑事コンビを組む山寺と速水は「インドパワー120%」をデュエットしているが、こちらも反響がすごいことが伝えられると「Mステ出れる?それから紅白かな?」と大はしゃぎ。森川も本作で歌っているそうで「ひろしの見せ場です。トム・クルーズの代表的な作品で有名な『デンジャー・ゾーン』を歌わせていただきました」とのこと。「大人の事情で作品名は言えない…」と苦笑いの森川に、山寺が「トムには言ったの?本人公認声優だから…」と質問。「連絡は取れるけれど、言ってない」と答える森川に山寺は「怒られればいい!」とニヤリ。森川が「山寺さんのジェラシーがすごいんです!」と困り顔を見せると、「だって!僕もトム・クルーズの声やったのに、森川くんが本人公認になったからもうできない!」と不満を漏らすと、声優陣は大爆笑。「怒られて、もう(トムの声)やれなくなればいいのに。しくじればいい!」とまくし立てた後に、「うっそでーす」と満面の笑みを浮かべ、「ぜひ聴いてください!」とおすすめするなど、トークを盛り上げていた。
ひろしの歌唱シーンではひまわりも参加しているそうで「0歳児が(歌唱に)参加できるとは(笑)」と吹き出しつつ、「光栄です。うれしかったです。表向きは言葉になっていないけれど、心のなかではみんなと同じように歌っています」と語る。さらに「みさえも歌っています。母としての力強さ、みんなを引率するんだという責任感を背中から感じながら、おぶりながら参加させていただきました。0歳児の持てるすべての力を出し切りました!」と充実感を滲ませ、このシーンは「0歳児とお母さんの心にブッ刺さると思います!」と自信たっぷりに話し、大きな拍手を浴びていた。
ひろし、みさえの歌唱シーンを入れた理由について橋本監督は「子どもはもちろん、大人のファンも多い。お父さん、お母さん、大人が盛り上がれる曲を入れたくて。『頑張って!』という応援歌のようなシーンがほしかったので、ひろしとみさえにも頑張ってもらいました」と説明していた。
しんのすけとボーちゃんの胸アツなシーンも本作の見どころのひとつ。演じる際には「スケールは大きいけれど、いつもと変わらないこと」を意識したという小林。「ボーちゃんが暴走しても、『一緒に遊びたいのに、なんで?』みたいなしんのすけらしさ、しんのすけの持っている、”しんのすけらしい”欲望を大事にしました」と解説。佐藤は「ボーちゃんは暴走してしまっても、心のなかには『インドで歌って踊りたい』という気持ちがある。それを叶えたい気持ちでインドに行ったことを忘れないようにしていました」と心がけていたことに触れ「急に怖い感じにならないように、ちょっとずつグラデーションをつけていくようにしています」とボーちゃんが変貌してしまうまでの過程は細かな調整をしながらのアフレコだったとも話していた。
イベントでは「灼熱の夏に挑戦したいこと」をフリップで発表し、わちゃわちゃトークも展開。舞台挨拶は賀来の「灼熱のカスカベダンサーズ、本日公開!」の掛け声で、登壇者と観客が「ナマステファイヤー!」と叫び、くす玉を割るという演出で最後まで大盛り上がりだった。
取材・文/タナカシノブ