『カラダ探し THE LAST NIGHT』橋本環奈が魅せた表現力、眞栄田郷敦のビジュアル激変に騒然!撮影現場レポートが到着
そして高広役の眞栄田郷敦も、城島高原パークで撮影をスタートさせた。前作で初ホラー出演を成し遂げた眞栄田は、「前作から3年ほどが経ち、自分がどのぐらい成長できているかとやりがいを感じた」と気概を持ち込んだ。
前作の高広は、校内の生徒の憧れの的でさわやかな風を思い切り吹かせていた。最新作では、いなくなった明日香を3年も探し続けている…という苦悩を抱えた高広が登場する。現場に姿を現した眞栄田はボサボサ頭に無精髭を生やした姿で深めにフードを被るなど、ビジュアルも前作とは激変。本番が始まるや瞳の奥に寂しさを宿らせるなど、大切な人を失った高広としての説得力がにじみ出す。眞栄田は「3年間の中で高広が経験してきたことを踏まえた」うえでビジュアルにもこだわりを込めつつ、「前作ではアクションのシーンも多く、体力をたくさん使う撮影が多かったんですが、今回は高広の内面にある複雑な想いや変化を表すお芝居ができる」とさらに高広というキャラクターを掘り下げられることに充実感もたっぷり。
明日香との思い出の場所でもある遊園地を訪れ、重苦しいオーラを漂わせる高広。一方、高校生らしいバイタリティと友情を武器に生き生きと「カラダ探し」に立ち向かう新メンバー。高広は5人と共闘することになり、頑なだった心を次第に解きほぐしていくが、眞栄田もシーンを重ねるごとに仲良くなっていく新キャストたちを目にして前作の撮影を思い出したという。「カラダ探し」経験者である高広と新メンバーの見せるコントラストも、本作の注目ポイントとなっている。
そして「カラダ探し」の呪いによってこの世から姿を消し、“死者の世界”へと足を踏み入れてしまったのが橋本環奈演じる明日香だ。橋本は、セットが作られた福岡県北九州市の港湾倉庫でクランクイン。制服に袖を通すと自然と明日香に戻れたといい、「カラダ探し」への帰還に感無量の面持ちを見せる。
現実世界で奮闘する高広と並走するように、明日香は“死者の世界”で孤独な戦いに飛び込むことになる。静けさに包まれた“死者の世界”は、荘厳な趣のある祭壇、怪しく光る赤い石など、恐ろしくも幻想的な空気に満ちている。そこでは橋本の放つ神秘的な美しさも際立ち、意志を光らせた瞳からは「高広に会いたい」という一途な思いが立ち上がってくる。撮影の合間には持ち前の明るい笑顔でキャストやスタッフと談笑しながらも、カメラ前に立つと細やかな息づかいにも明日香の心情と葛藤を込める橋本。スタッフからも、「前作でも感じたけれど、スイッチの切り替えがすごい」「本当に頼もしい」と驚きの声が漏れるなか、羽住監督も橋本の熱演に快心の「OK!」を響かせる。橋本が「想いがまっすぐに伝わったらいいなと思いながら演じています」と語るように、高広への気持ちを胸により強くなろうとする明日香がお目見えした。
取材・文/成田おり枝