一つ一つの選択が運命を大きく変えていく…!映画『アンティル・ドーン』の原作となったホラーゲームとは

コラム

一つ一つの選択が運命を大きく変えていく…!映画『アンティル・ドーン』の原作となったホラーゲームとは

「Until Dawn -惨劇の山荘-」がホラーゲームファンに愛される理由

本ゲーム最大の特徴が、“バタフライエフェクトシステム”。「蝶の羽ばたきが地球の反対側で竜巻を引き起こす」という比喩表現を指すバタフライエフェクトは、ごく些細なことが巡り巡って最終的には大きな変化をもたらすことを意味を持つ言葉。プレイヤーはゲーム中、会話の受け答えや行動の選択を何回も迫られるのだが、選んだ答えによって登場人物の性格や周囲との関係性が徐々に変化。やがてそれは登場人物たちの生死へとつながっていく。何気なく近くにあったアイテムを拾ったことで別のキャラの行動に変化が起きたり、自らが逃げるために見殺しにした相手にピンチの際助けてもらえなかったりと、過去の選択がプレイヤーを苦しめることもしばしば。ゲーム画面上には、実際に蝶がはばたくエフェクトが挿入されるため、選択がその後の展開にどう影響を及ぼすのかドキドキさせられる。

俳優たちの演技がドキドキ感をさらに押し上げる(「Until Dawn -惨劇の山荘-」)
俳優たちの演技がドキドキ感をさらに押し上げる(「Until Dawn -惨劇の山荘-」)[c] 2025 Sony Interactive Entertainment Europe. Until Dawn is a trademark of Sony Interactive Entertainment.

また、エンディングのパターンの多さも本ゲームの特徴の一つ。キャラクターごとのエンディングに加え、バッドエンドとハッピーエンドが用意されているゲームがほとんどで、100通りあればかなり多いほうと言われるなか、最悪の結末である「全員死亡」から、惨劇の夜を生き延びる「全員生存」ルートまで、なんと256通りのエンディングが用意されている。また、途中で登場人物の誰かが命を落としたとしてもゲームオーバーになることはなく、惨劇の一夜を終えるまで物語は続いていく。そのため、プレイヤーはゲームを繰り返しプレイすることによって様々な結末を目撃することができる。

そして、実在の俳優が登場人物を演じているのも大きな魅力だ。『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のフレディ・マーキュリー役で一躍脚光を浴びたラミ・マレックが物語の大きな鍵を握るジョッシュを演じるほか、ヘイデン・パネッティーア、ブレット・ダルトンなど、実際に映画やドラマで活躍する俳優たちが登場。ゲーム発売当時の最新技術が使用されたモーションキャプチャーによって、彼らの表情や仕草、目線の動きといった細かな演技まで捉えており、映画やドラマを観ているような没入感を味わうことができる。ゲームを手掛けたSupermassive Gamesの開発ディレクター、ウィル・バイルズは、過去のインタビューで「ホラーゲームやホラーそのものにとって、視聴者やプレイヤーが画面上のキャラクターに感情移入ができることが必要不可欠」と語っていたが、「Until Dawn -惨劇の山荘-」でもその考えが生かされていると言えるだろう。

ゲームでも異彩を放っていたドクター・ヒルを演じたピーター・ストーメアが映画にも登場!(『アンティル・ドーン』)
ゲームでも異彩を放っていたドクター・ヒルを演じたピーター・ストーメアが映画にも登場!(『アンティル・ドーン』)


ゲーム最大の魅力であったバタフライエフェクトシステムを、タイムループという形に転化させた映画『アンティル・ドーン』。ゲームでは見られなかった容赦ない残酷描写も、画面が暗転せずばっちり見える(?)という本作を劇場で楽しんでほしい。

文/サンクレイオ翼

「MOVIE WALKER PRESS」のホラー特化ブランド「PRESS HORROR」もチェック!
作品情報へ

関連作品