胸アツな3つの戦いが描かれるアッという間の2時間半！ファンの期待を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
仇敵、童磨への怒りを爆発させるしのぶ
無限城編は、柱をはじめとする鬼殺隊の隊士たち全員で挑む総力戦。本作では蟲柱の胡蝶しのぶ(声：早見沙織)と十二鬼月・上弦の弐の童磨(声：宮野真守)、我妻善逸(声：下野紘)と新たに上弦の陸となった獪岳(声：細谷佳正)、そして炭治郎＆義勇の2人と上弦の参の猗窩座(声：石田彰)という組み合わせによる3つの壮絶な戦いが描かれる。
しのぶの本格的な戦闘シーンは「立志編」の那田蜘蛛山以来。これまでは鬼と戦う時にも普段と変わらぬ落ち着きを見せ、感情を表に出さなかったしのぶだが、今回の童磨は最愛の姉カナエ(声：茅野愛衣)を惨殺した張本人。仇敵を目の前にした彼女が、いつもの冷静さをかなぐり捨て、蓄積され続けてきた激しい怒りを爆発させる姿が胸を打つ。
稲妻の眩しい光とスピード感あふれるアクションが見応えたっぷりな善逸vs獪岳
善逸が交戦するのは、かつて同じ育手の桑島慈悟郎(声：千葉繁)の下で学んでいた兄弟子で、自ら鬼になってしまった獪岳。「柱稽古編」の終盤で、一通の手紙を受け取った善逸が一人覚悟を決める印象的なシーンは、ここにつながっていたことが判明する。善逸の戦闘シーンも「遊郭編」以来と久しぶり。師匠が元鳴柱だったため、善逸と獪岳の戦いは共に雷の呼吸の技のぶつかり合いとなる(獪岳はさらに血鬼術を加えている)。稲妻の眩しい光とスピード感あふれるアクションの数々。いつも弱音ばかり吐いている善逸が、恩師であり家族である爺ちゃんへの深い想いを胸に、獪岳と全力で戦うシーンは見応えたっぷりだ。
ちなみに善逸の戦闘シーンのあとに登場する、優しい先輩隊士の村田(声：宮田幸季)と、彼と同じ隊に紛れて、素知らぬ顔で救護と援護をする鬼の愈史郎(声：山下大輝)にも注目。無限城にいる彼らの姿を見ると、今回が本当に“総力戦”であることがよくわかる。全編緊迫感に満ちた本作のなか、村田と愈史郎のコミカルなやり取りで一瞬ほっとした気持ちになれるのがうれしい。
