DC映画も手掛けたホラー界の新たな才能デヴィッド・F・サンドバーグ監督が、人気ゲームの“R18+”実写化に挑む!
大人気ホラーゲーム「Until Dawn -惨劇の山荘-」を、R18+のスラッシャーホラーとして実写映画化した『アンティル・ドーン』(8月1日公開)。人里離れた山荘で、死んでも死んでも終わらない“恐怖のタイムループ”に巻き込まれた若者たちが味わう惨劇の一夜を描いた本作でメガホンをとったのは、原作ゲームの大ファンと公言しているデヴィッド・F・サンドバーグ監督だ。
そこで本稿では、本作への期待値をさらに高めるべく、これまで手掛けた長編作品がいずれも大ヒットを記録している映画界注目の気鋭サンドバーグ監督の、才気あふれるフィルモグラフィを一気に紹介していこう。
自主制作短編を自ら長編化!衝撃のデビュー作『ライト/オフ』
スウェーデン出身のサンドバーグ監督は20代で映画界入りを果たし、アニメーターとして活動しながら自主制作短編映画をYouTubeなどで発表していた。そんななか、2013年に発表したホラー短編映画『Lights Out』が1億5000万回以上の驚異的な再生数を記録。それがジェームズ・ワンの目に留まり、サンドバーグ監督自らの手で長編映画化することになったのが、長編デビュー作の『ライト/オフ』(16)だ。
物語の舞台はアメリカ郊外。離れて暮らす幼い弟から「電気を消すと“なにか”が来る」という不可解な話を聞いたレベッカは、弟を守るために実家へと戻ってくる。家中に明かりを灯して備えるものの、夜が来ると次々と光が失われ、闇のなかから“なにか”が忍び寄る…。やがてレベッカは、一家に隠された恐ろしい秘密を知ることに。
短編版の時点から冴え渡っていたシンプルで正攻法のアイデアと独特の映像センス、そして視覚に直接飛び込んでくる鮮烈な恐怖演出が高く評価された同作は、わずか490万ドルの制作費に対して全世界興収1億4900万ドルを超えるヒットを記録。一躍サンドバーグ監督は全世界のホラーファンから一目置かれる存在となった。
「死霊館」ユニバースに大抜擢!“シリーズ最恐”の呼び声も
『ライト/オフ』が成功することを確信していたかのように、ワンはその公開前の段階で、自身が製作を務める「死霊館」ユニバースの第4作『アナベル 死霊人形の誕生』(17)のメガホンをサンドバーグ監督に託した。
全世界興収2億4000万ドルの大ヒットを記録した『アナベル 死霊館の人形』(14)の前日譚にあたる同作は、幼い娘を亡くした人形職人とその妻が、自分たちが暮らす館に孤児の少女たちを住まわせるところから幕を開ける。少女の一人で脚の不自由なジャニスが館に封印されていた人形“アナベル”を解き放ってしまい、それをきっかけに彼女たちは恐怖のどん底へと突き落とされていくことに。
北米公開時には週末興収ランキングで初登場No. 1を獲得し、6週連続トップテン入り。また1500万ドルの制作費に対して、全世界興収は20倍以上の3億600万ドルを記録する大ヒットを収め、さらに“シリーズ最恐の一本”と呼ばれるほどの高評価も獲得。「死霊館」ユニバースの真髄を受け継ぎ、そこに独自の巧みな恐怖演出をプラスしたサンドバーグ監督は、ホラー映画監督としての地位を不動のものとした。