DC映画も手掛けたホラー界の新たな才能デヴィッド・F・サンドバーグ監督が、人気ゲームの“R18+”実写化に挑む!
掟破りのヒーロー映画「シャザム!」で新境地!
2作続けて興行的にも批評的にも大成功を収めたサンドバーグ監督は、一旦ホラージャンルから離れてハリウッド大作、それも“DCエクステンデッド・ユニバース”に属するスーパーヒーロー映画の監督に大抜擢される。1940年にコミックスデビューを果たした掟破りのヒーローの活躍を描く「シャザム!」シリーズだ。
第1作『シャザム!』(19)では、身寄りのない少年ビリーがスーパーパワーを手に入れ、相棒のフレディといたずら三昧。しかしその力を狙う科学者にフレディが連れ去られたことで、ビリーは本当のヒーローとして目覚めていく“ヒーロー誕生”の瞬間が描かれた。そして第2作『シャザム!~神々の怒り~』(22)では、復讐に燃える“神の娘たち”が巨大ドラゴンを引き連れて地球へ襲来。シャザムは人類滅亡を阻止するための壮大な戦いに挑んでいく。
シリーズ2作つづけて北米興収ランキング初登場No. 1を飾り、2作合計の全世界興収は5億ドルを突破。とりわけ第1作は批評集積サイト「ロッテン・トマト」で当時のDC映画史上最高評価を獲得。「アメコミ史上最も笑える」と称賛されるなど、サンドバーグ監督は新境地を開拓するとともに、その才能の豊かさを世に知らしめることとなった。
最新作の舞台は“殺戮タイムループハウス”!?
そして最新作『アンティル・ドーン』でサンドバーグ監督は、長編映画では8年ぶりにホラージャンルにカムバックを果たす。1年前に失踪した姉のメラニーを捜すために、友人たちとともに人里離れた山荘を訪れたクローバー。そこで覆面の殺人鬼によって惨殺される彼らだったが、気が付くと殺される前の時間に戻っており、また現れた殺人鬼に殺され、また生き返るという恐怖のタイムループに巻き込まれていく。
子どもの頃からホラーファンだったサンドバーグ監督は、毎晩物語がリセットされて、また別ジャンルのホラーが始まるという本作のユニークな構成を「夢のよう」と語り、「彼らが脱出できる回数には限りがあります。そのほうが、主人公たちがただ何度も死んで生き返るという物語よりもはるかにおもしろい」と説明。4月に公開された北米では週末興収ランキングで4週連続トップテン入りを果たし、強烈な描写の連続にホラーファンのあいだで口コミが広がる“現象”を巻き起こしたほど。
ホラー映画が活況となる夏に、ついに日本上陸を果たす本作。死んでも死んでも終わらない“殺戮タイムループハウス”を舞台に、サンドバーグ監督はどんな恐怖を見せてくれるのか。是非とも涼しい劇場に足を運び、その巧みな恐怖演出に唸りながら、主人公たちと一緒に山荘に隠された謎に立ち向かってみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬