F1(R)にまつわるキホンをチェック!映画『F1(R)/エフワン』がよりおもしろくなる“モータースポーツ最高峰”のあれこれ

コラム

F1(R)にまつわるキホンをチェック!映画『F1(R)/エフワン』がよりおもしろくなる“モータースポーツ最高峰”のあれこれ

ソニーが実践する型破りな作戦とは?

レースシーンでは、リアウイングの一部を開いて空気抵抗を減らす「DRS」、走行中に生みだされた熱エネルギー、運動エネルギーを電気に替えてバッテリーに溜め、加速に使う「ERS」といった搭載システム、ソフト、ミディアム、ハードからなるタイヤの種類とそれぞれの特性、どのタイミングでピットインし、「タイヤを替えるか?」のチーム戦略も描かれている。

ピットインでのタイヤ交換などチームスタッフとの連携も重要(「Formula 1: 栄光のグランプリ」)
ピットインでのタイヤ交換などチームスタッフとの連携も重要(「Formula 1: 栄光のグランプリ」)[c]Everett Collection/AFLO

F1レースならではの駆け引きが見られる一方で、“型破り”なソニーが実践する映画らしい攻め過ぎな作戦も満載。スタート前にコースを1周するフォーメーションラップでは、最後尾にいたソニーがわざとマシントラブルを演出して大きく遅れて走りだしていた。彼が遅れてスタート位置に戻ってくることでほかのマシンのタイヤが冷えてしまうのに対し、自分だけ十分にタイヤが温まった状態でスタートすることに成功している。また、上位がねらえるジュシュアをサポートするため、何度もほかのマシンに接触して部品をサーキット内にまき散らし、セーフティーカーを走らせることですべてのマシンをゆっくり走らせるという離れ業も実行。劇中では大歓声を浴びていたが、実際にこんな走り方をするドライバーがいれば大顰蹙を買うのではないだろうか…。

F1(R)ドライバーが見ている世界を疑似体験できる!(『F1(R)/エフワン』)
F1(R)ドライバーが見ている世界を疑似体験できる!(『F1(R)/エフワン』)[c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

F1の裏側に迫ったドキュメンタリーシリーズ「Formula 1: 栄光のグランプリ」

このほか、エイペックスの株主の一人が「『栄光のグランプリ』を観てファンになった」と話していたが、こちらはNetflixのドキュメンタリーシリーズ「Formula 1: 栄光のグランプリ」だと思われる。F1の舞台裏に迫り、レースの模様をただ追いかけるだけではなく、そこで繰り広げられる人間ドラマにも焦点を当てた人気シリーズ。ドライバー、チーム代表をはじめスタッフ陣にもインタビューを行い、レースに対する様々な感情、プレッシャー、情熱が映しだされていく。2019年のスタートから現在までに7シーズンが配信され、F1のファン層拡大に大きく貢献した。もちろん、本作に登場する現役ドライバーたちも登場するので気になった人はチェックしてみてほしい。

F1(R)の舞台裏に迫るNetflixによるドキュメンタリーシリーズ「Formula 1: 栄光のグランプリ」
F1(R)の舞台裏に迫るNetflixによるドキュメンタリーシリーズ「Formula 1: 栄光のグランプリ」[c]Everett Collection/AFLO


これぞ映画!という興奮と感動、スペクタクルに満ちた『F1(R)/エフワン』。そこにF1の知識も加われば、より深く作品を楽しめるはずだ。

文/平尾嘉浩

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