『国宝』が前週末を上回る成績で2位に浮上!“6月の映画興行”に考える、長尺のハンデを乗り越えた異例の大ヒットの理由とは?
『フロントライン』『ドールハウス』が初登場!
さて、ここからはランキングに戻ろう。3位に初登場を果たしたのは、小栗旬が主演を務め、松坂桃李や池松壮亮、窪塚洋介といった実力派キャストが集結した『フロントライン』(公開中)。初日から3日間で動員25万1000人、興収3億4700万円と、上位2タイトルに迫る好成績を収めている。
2020年に豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号のなかで発生した、日本初の新型コロナウイルス集団感染。その最前線で戦った災害派遣医療チームDMATの奮闘を描いた同作。すでに映画やテレビドラマなど、コロナ禍後の世界を舞台にした物語づくりが主流となってきているが、こうして“あの時、なにが起きていたのか”を再検証する作品はまだまだ少ない。反響次第では前頁で取り上げた“6月公開のヒット邦画”に加わるポテンシャルを秘めた一本なだけに、今後の推移に注目しておきたいところだ。
また新作タイトルはもう一本。『ウォーターボーイズ』(01)などで知られる矢口史靖監督が、『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(14)以来11年ぶりに長澤まさみとタッグを組んだミステリー『ドールハウス』(公開中)は5位にランクイン。初日から3日間で動員17万4000人、興収2億4200万円と、こちらも上々のスタートを切っている。
既存作品では、前週2位だった『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(公開中)が週末3日間で動員19万5000人、興収3億2000万円を記録して4位に。累計成績では動員258万人&興収40億円を突破しており、シリーズ8作連続の興収40億円超えを達成。また、公開9週目を迎え6位となった『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)は、累計で動員965万人&興収139億円を突破。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)を抜き、2作連続の動員1000万人突破にまた一歩近付いたようだ。
以下は、1~10位までのランキング(6月13日〜6月15日)
1位『リロ&スティッチ』
2位『国宝』
3位『フロントライン』
4位『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
5位『ドールハウス』
6位『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』
7位『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』
8位『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』
9位『マインクラフト/ザ・ムービー』
10位『見える子ちゃん』
今週末は、「ブラックパンサー」シリーズのライアン・クーグラー監督の最新作で、北米で社会現象級のヒットを記録した『罪人たち』(6月20日公開)、ダニー・ボイル監督とアレックス・ガーランドがタッグを組んだサバイバルスリラーシリーズの久々の新作『28年後…』(6月20日公開)、幸田もも子の同名漫画を畑芽育と大橋和也の共演で実写映画化した『君がトクベツ』(6月20日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬