「傷ついた気持ちを曝け出せる人って本当にカッコいい」韓国映画ファンもそうでない人にも刺さる『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を映画ファンはどう観た?

コラム

「傷ついた気持ちを曝け出せる人って本当にカッコいい」韓国映画ファンもそうでない人にも刺さる『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を映画ファンはどう観た?

「自分を見失いそうになった時にエールを贈ってくれる」…ジェヒとフンスの生き方に誰もが励まされる!

大学でも堂々とタバコを吸い、破天荒な振る舞いに対する周囲の好奇な目に毅然とした態度で立ち向かうジェヒだが、それでも心無い言動には深く傷つきもするし、社会の中では自分を曲げることを強いられる場面にも直面する。ゲイであるフンスもまた、そのことを周囲に隠して生きてきただけでなく、母親から理解を得られないことにも苦しんでいた。

周囲になじめず、破天荒な振る舞いから好奇な目にもさらされているジェヒ
周囲になじめず、破天荒な振る舞いから好奇な目にもさらされているジェヒ[c] 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

状況は違ってもつらい感情を共有できる2人だからこそ、お互いが理解でき、ありのままで生きていいんだと自身のことを肯定的に捉えられるようにもなっていく。そんな生き方に、似た悩みも抱える人たちも励まされ、「自分らしさは弱点ではない」のだと背中も押してくれる作品になっている。

ゲイであることをジェヒにバレてしまったフンスは「弱みを握られた」と思っていたが、そんなフンスに対して、「あんたらしさが、なんで“弱み”なの?」と、大したことじゃないという感じで問いかけるジェヒ。心も体も傷だらけになって、「あんたの言うこと聞けばよかった」と後悔するジェヒを、「それがお前だ。体当たりして傷を負っても笑い飛ばす、無謀な女」と、優しく微笑みながら励ますフンス。そんな2人を観ていると、「自分は自分のままでいいんだ」という気持ちになる。

「ジェヒの言葉が観た人の背中を押したり、心の支えになったりすると思う。他人からの目を気にしてばかりいるのはもったいない。もっと自分らしく生きていいのだとジェヒが教えてくれた」
「日々感じていたことがたくさんあって共感。『あんたらしさがなんで弱点なの?』と言い放つ自由奔放なジェヒがジェンダーを隠すフンスを救う。観れば自分らしくなれる映画」
「人の目を気にして生きるのも気にせず生きるのもしんどい。多様性を描く作品はたくさんあるけど素直にみんなが自分らしく生きられたらいいと思えた」
「『自分らしさは弱点ではない』ということを教えてくれ、自分を見失いそうになった時にエールを贈ってくれるようなすてきな作品でした」
「ありのままの自分は決して隠すことではないしマイナスでもない。自分やほかの誰かの全てを受け入れることを、自分にも世の中にも強く願う作品でした。なんだか、生きていく勇気をもらいました」
「『あなたらしさは弱みにならない』と生きづらさに燻る気持ちを全部ぶちまけて抱き締めるすてきな映画。説教も知ったかぶりもない、寄り添いたい相手への愛し方。なんだか懐かしいザ・韓国映画」
「自由奔放なジェヒとゲイを隠して生きる孤独なフンス。正反対な2人が友情を育む感動傑作。自分らしさを出せない世知辛い世の中だけど、『大丈夫だよ』とそっと後押ししてくれる。なんて優しい映画なのだろう。自分らしくいること、それは弱点ではない」
「単なる恋愛映画に留まらず、都市で生きる若者たちのリアルな姿や、社会の中での葛藤も描いている。正直に生きることはすばらしいし、強い」
「『どんなことがあっても大丈夫だから!』と背中を叩かれたような気持ちのよさが残り、力強い愛があふれ励まされた」

互いに認め合い、自分自身を肯定する大切さも教えてくれる
互いに認め合い、自分自身を肯定する大切さも教えてくれる[c] 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

このほか、「自分もがんばろうと前向きな気持ちになる」「『大丈夫だよ』とそっと後押ししてくれる優しい映画」「胸に響くセリフがたくさん」といった声が数多く見られた。どの言葉にも共通するのが、観れば誰もが優しい気持ちに包まれる最高のエールムービーであるということ。ぜひ劇場で鑑賞してほしい。


構成・文/平尾嘉浩


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