『すずめの戸締まり』に「【推しの子】」、そして『見える子ちゃん』…確かな演技力で人気拡大中!話題作への出演が止まらない原菜乃華の魅力

コラム

『すずめの戸締まり』に「【推しの子】」、そして『見える子ちゃん』…確かな演技力で人気拡大中!話題作への出演が止まらない原菜乃華の魅力

豊かすぎる表情で観る者を虜に

ホラーでありながらコメディでもある『見える子ちゃん』。そこで原に求められたのが、観る人を怖がらせると同時に笑わせるということ。なかなかの難題と思われるそれを可能にしたのが、原の“豊かすぎる”表情の演技だろう。

見えないフリで霊をやり過ごすことに決めるが…
見えないフリで霊をやり過ごすことに決めるが…[c]2025『見える子ちゃん』製作委員会

そんな原の表情を楽しめる作品が、映画『恋わずらいのエリー』(24)。高校1年生の市村恵莉子は「恋わずらいのエリー」というアカウント名で、かっこよくて爽やかな同級生の近江章(宮世琉弥)を相手にした恋の妄想を投稿し、密かに楽しんでいた。だがある時、彼の裏の顔を知ってしまったうえ、妄想にあふれた日々のつぶやきを近江本人に知られてしまう。

学校生活を送るシーンや妄想している頭のなかを表現したシーンなど、場面がクルクルと変わる作品なのだが、そこでの原の喜怒哀楽すべてを網羅したかのような表情は見ていて楽しい。ラブコメらしい恋する様子も見られるのだが、一作品のなかでここまでいろんな表情を求められることはないのではないかと思うくらいに多様な表情を浮かべている。

霊が見えるようになってしまった時の驚き、怖がる様子、無視することを決めてからの見て見ぬフリ、そして親友を守ろうという決意にあふれた表情…。『見える子ちゃん』の監督を務めた中村義洋も作品の注目ポイントとして“みこの表情”を挙げており、キャスティング時に「原さんの表情で持たせたい」と伝えていたそう。98分の上映時間のなかで原が強弱をつけて見せ続ける表情から目が離せない。

親友に霊が取り憑いたことで、みこは恐る恐る霊と対峙することに
親友に霊が取り憑いたことで、みこは恐る恐る霊と対峙することに[c]2025『見える子ちゃん』製作委員会

演技だけじゃなく歌やダンスも!

2024年に実写ドラマ&映画化された「【推しの子】」シリーズでは、アイドルグループであるB小町の一人、有馬かなを演じ、歌と踊りを披露した原。同じくB小町のメンバーを演じた、アイドルの経験を持つ齊藤なぎさやあのに引けを取らないパフォーマンスを見せ、B小町として劇中を飛びだし音楽番組に出演した際には、「上手い!」「アイドルだ!」と絶賛のコメントが多く寄せられた。

また、「あんぱん」で演じるメイコ役でも歌を披露。第7週「海と涙と私と」では、嵩(北村匠海)の美術学校時代からの親友である健太郎(高橋文哉)に初恋をする描写があり、そこでの照れたような表情や姉ののぶ(今田美桜)らとの束の間のひと時を楽しもうと歌う姿は「かわいすぎる!」と話題になった。

『見える子ちゃん』のエンディングで主題歌「Ghost」にあわせて踊っているダンスにも、これらの経験が生かされていると言えるだろう。同曲のPVでも制服姿で“見える子ちゃんダンス”をキュートに披露しているので、要チェックだ。

まだまだ続く原の快進撃

この先も、吉沢亮が主演を務めるラブコメディ『ババンババンバンバンパイア』(7月4日公開)や、広瀬すずが主演した映画「ちはやふる」の10年後を描くドラマ「ちはやふる-めぐり-」(7月9日放送開始)への出演、さらに「不思議の国のアリス」を日本で初めて劇場アニメーション化する『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』(8月29日公開)での声優など、待機作が多数控えている原。それらへの期待も十分だが、まずはホラーとコメディのバランス、そして女子高生ゆえの初々しさを見事に表現している彼女の魅力がたっぷりと詰まった『見える子ちゃん』を、ぜひ劇場で楽しんでほしい!


文/於ありさ

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