柚木麻子のデビュー作を當真あみ&中島セナの主演で映画化!『終点のあの子』2026年公開

柚木麻子のデビュー作を當真あみ&中島セナの主演で映画化!『終点のあの子』2026年公開

ゆらぎやすい女子高生の友情と複雑な心情を描き、その繊細な心理描写が各メディアで絶賛された柚木麻子のデビュー作が映画化。『終点のあの子』として2026年に公開される。

【写真を見る】第27回上海国際映画祭での上映が決定した『終点のあの子』のポスタービジュアル
【写真を見る】第27回上海国際映画祭での上映が決定した『終点のあの子』のポスタービジュアル[c]2025「終点のあの子」製作委員会

原作小説「終点のあの子」は、2008年に第88回オール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を第1話においた全4編からなる連作集で、世田谷区小田急線沿線にある私立女子高校に進学したばかりの少女たちが登場する。第1話は、中学校から上がってきた内部生の希代子と外部生の朱里が主人公。第2話は、朱里に親友の希代子を取られた奈津子を主軸にした物語。第3話は3人のクラスメイトでもあり、リーダー格の華やかな美人、恭子に焦点を当て、第4話はそんな彼女らの7年後の話となる。映画では、第1話の「フォーゲットミー、ノットブルー」に注力している。

入学式の日。中学からの内部進学者の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマンだった。希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、ある変化が訪れる。

希代子役の當真あみ
希代子役の當真あみ[c]2025「終点のあの子」製作委員会

本作の主人公、希代子と朱里を演じるのは、當真あみと中島セナ。當真はTVドラマ「妻、小学生になる」でドラマ初出演を果たし、NHK大河ドラマ「どうする家康」などの注目作にも出演。2025年も『おいしくて泣くとき』、『雪風 YUKIKAZE』(8月15日公開)、『ストロベリームーン』(10月17日公開)に出演し、人気シリーズの最新作「ちはやふる-めぐり-」では連ドラ初主演が決定している。「自分も何者かになりたい」という気持ちを抱き、いまとは違う場所に身を置きたいと思っている希代子をまっすぐな存在感で体現する。

朱里役の中島セナ
朱里役の中島セナ[c]2025「終点のあの子」製作委員会

一方、希代子が惹かれる朱里に扮した中島は、2017年からモデル活動をはじめ、『クソ野郎と美しき世界/慎吾ちゃんと歌喰いの巻』(18)でスクリーンデビュー。『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19)、『あこがれの色彩』(24)のほか、ディズニープラス配信の「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」では主演も務めた。本作では、自由奔放でほかのクラスメイトとは異なる、知的で大人びた風格と孤高さを纏った朱里とまさに同化したような実在感を作品に刻んでいる。

希代子と朱里の同級生、奈津子と恭子役で平澤宏々路、南琴奈も出演。狭い世界に固執する私立女子校を舞台とし、痛くてせつない青春時代を魅力的に共感させてくれる本作において、『好きでもないくせに』(16)や『愛の病』(18)などで知られ、ロッテルダム国際映画際に招待され話題を呼んだ『Sexual Drive』(21)など、これまで女性を主体的に描いてきた吉田浩太監督がメガホンを取る。

「自分も何者かになりたい」という気持ちを抱き、いまとは違う場所に身を置きたいと思っている希代子
「自分も何者かになりたい」という気持ちを抱き、いまとは違う場所に身を置きたいと思っている希代子[c]2025「終点のあの子」製作委員会

女性を多角的に描き続けている柚木の小説を原作に、今後の日本映画を担う次世代の役者陣を起用し、吉田監督の文学作品初挑戦にして新境地となる本作。これまでの青春映画とは一線を画す作風が評価され、6月13日より中国の上海で開催される第27回上海国際映画祭のGALA部門でのワールドプレミア上映が決定している。1993年から始まった上海国際映画祭は、映画文化の普及と映画産業の発展とを目的に、毎年10日間の会期中に国内外の約500作品が上映されている、中国で唯一、国際映画製作者連盟公認の映画祭。GALA部門には、過去に宮藤官九郎が脚本を務めた山下敦弘監督作『1秒先の彼女』(20)や、齊藤工が監督し、窪田正孝が主演を務めた『スイート・マイホーム』(23)などが出品されている。

希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がない
希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がない[c]2025「終点のあの子」製作委員会

劇場公開の決定、上海国際映画祭への出品に伴い、海外ビジュアルと場面写真も解禁に。NHK朝の連続ドラマ小説「おちょやん」のメインポスター写真のほか、Netflixシリーズ「First Love 初恋」のメインビジュアルを手がける写真家、濱田英明がスチールを担当している。『終点のあの子』の続報に引き続き注目してほしい。


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