『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が洋画実写2年ぶりのV2!『名探偵コナン』の新たな戦略の成否は?
5月30日から6月1日までの全国映画動員ランキングが発表。前週、洋画実写作品としては約半年ぶりのNo.1を獲得した『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(公開中)が今週も首位をキープ。洋画実写作品が2週連続Vを飾るのは、『リトル・マーメイド』(23)以来、実に2年ぶりのこととなる。
2年連続“動員1000万人”へ!『名探偵コナン』が公開7週目で勝負をかける
この週末3日間の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の成績は、観客動員が43万2000人、興行収入が6億5200万円。前週末3日間と比較すると、動員が81%で興収が77%(6月1日は多くの映画館でサービスデーとなっていたため興収の下落幅は動員より大きくなりやすい)というなかなかの安定感。先行上映の初日から16日間の累計成績は、動員177万人&興収27億円を突破している。
前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(23)が公開17日間で動員200万人&興収30億円を突破していたことを基準にすると、若干見劣る成績にも思えるが、前作の公開期間は夏休みのまっただなか。平日の成績に差が出ることを考えればかなりの大健闘ではないか。いずれにしても、『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)と『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)に続いて、今年公開の洋画作品3本目の興収30億円突破は時間の問題だろう。
さて、今週注目したいのは『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)。公開から5週連続Vを飾ったのち、前週と今週は2位にランクインしている同作。毎年恒例で今作にも公開初日から付けられていたエンドロール後の「後付け映像」(次回作の超特報となる短い映像だ)に、この週末から新規映像が追加されるという初の試みがスタートしたのだが、その成果があったのかどうか、簡単に検証していこう。
まず週末3日間の成績は動員24万2000人、興収3億4600万円と、前週対比で動員が95%、興収が92%。GWの直前だった2週目からGWまっただなかの3週目にかけての動員&興収の維持率が85%だったことを考えると、かなり少ない下落に抑え込むことに成功したとわかる。もっともこれは「後付け映像」だけでなく、サービスデーと日曜日が重なったことや『コナン』初となる3面スクリーンの「ScreenX」上映がこの週末から始まったことも寄与しているのだろう。
とはいえ昨年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)も、公開8週目の週末がサービスデーと重なっていたが、その際の動員は前週比86%。GW終了後の『コナン』は例年、一度大きく数字を落とした後に7割前後の動員&興収で推移していく傾向にあり、今年も5週目が前週比78%、6週目が同73%だった。それらを勘案すれば、前週比9割越えの成績はかなりイレギュラー。「後付け映像」というコアなファン向けのあからさまなアプローチは“『コナン』らしくない”ものではあるが、イレギュラーを生みだす一要因として機能する程度には成功したと判断できよう。
この週末時点での累計成績は動員921万人、興収133億円を突破。順調にいけば次々週末ごろには『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)の最終興収を抜き去ることだろう。そしてシリーズ2作連続の動員1000万人超えという偉業も、6月中に達成するはず。おそらく今回の“テコ入れ”の最大の目的は前作超えの成績をあげることではなく、前作が動員1000万人超えを成し遂げた6月頭の時点で、2作連続の偉業達成を確実なものにしたいというねらいがあったのではないだろうか。