丸山隆平『金子差入店』大ヒット記念舞台挨拶で反響に感謝「映画館でじっくりと浸って!」

丸山隆平『金子差入店』大ヒット記念舞台挨拶で反響に感謝「映画館でじっくりと浸って!」

映画『金子差入店』(公開中)の大ヒット記念舞台挨拶がTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、主演の丸山隆平古川豪監督が登壇。サプライズゲストとして三浦綺羅、スペシャルゲストで現役弁護士芸人のこたけ正義感も登場した。

【写真を見る】息子役・三浦綺羅をギュッと愛おしそうに抱きしめる丸山隆平
【写真を見る】息子役・三浦綺羅をギュッと愛おしそうに抱きしめる丸山隆平

本作は、刑務所や拘置所への差入を代行する“差入屋”を営む一家の絆が、ある事件をきっかけに揺らいでいく姿を描くヒューマンサスペンス。丸山が『泥棒役者』(17)以来、約8年ぶりの主演を務めている。古川監督は本作で長編映画監督デビューを果たした。

作品への反響、感想をSNSなどでチェックしているという丸山と古川監督。印象的だった感想について「映画が好きな方、辛口の方々からや、ロングランで(たくさんの人に)届いていけばいいなと紹介してくれている動画も観ました」と報告した丸山が、古川監督のデビュー作であることに驚き、関心している声も多いと伝える。丸山の報告に笑顔を見せた古川監督は「役者陣もすばらしいし、自信を持って送りだしているけれど、賛否あると思っていたので、(この反応は)捨てたもんじゃない。信じてよかったと思いました」としみじみ。続けて「初監督、オリジナル、全国ロードショーという作品は(調べても)出てこない。周りから『ありがたいと思え!』と言われています」と胸を張る古川監督に、会場からは驚きの声と共に大きな拍手が送られていた。

作品への反響、反応をチェックしているという丸山隆平
作品への反響、反応をチェックしているという丸山隆平

現役弁護士芸人のこたけ正義感をスペシャルゲストに迎えた経緯について、丸山は「知り合いから(こたけ正義感の考察)動画を紹介されて。めちゃくちゃいいこと言ってくれていて」とにっこり。うれしさのあまり、すぐに古川監督にリンクを送ったそうで、さらにマネージャーとも共有し、なんらかの形で対面したいと懇願したところ、実現したと大満足の様子。古川監督も動画はとてもうれしい内容で、一緒に飲みに行ってもっと感想を聞きたいと思ったそうで「取材欲が出てしまいました」と前のめりで話しかけていた。

本作で長編映画監督デビューを果たした古川豪監督
本作で長編映画監督デビューを果たした古川豪監督

現役弁護士の立場の感想を求められたこたけ正義感は「拘置所のなかもリアル。再現性がすごかったです」と力を込め、実際にある拘置所のなかがロケ地になっていると思うほどだったと指摘。「美術スタッフのおかげです」と感謝した古川監督は、拘置所でのロケハンを振り返り、「全部見せてもらえました。でも写真は撮らないでくださいと言われて。ひたすらデッサン。採寸してデッサンです」と説明。実際に拘置所を訪問する人たちに「見た景色が全然違うと思ってほしくなくて。誠意を持って作っていることを伝えたかったです。そんな想いがありました」と制作過程に触れ、「(実際に)ない場所もあります。どこなのかは言わないけれど…」と映画上、再現しなかった部分があるとも告白。すると「ピンときました!」と反応したこたけ正義感も「言わないです」とネタバレに気遣う場面も。実際に差入の依頼をしたこともあるが「どんな風に会っているのか、近所の人からどう思われているのかは知らなかった」と、映画によって知ることができたこともあったと明かし、「被疑者をサポートするという点においては弁護士にも似たボジション。だけど、弁護士は明確に味方としての立ち位置。立ち位置が微妙な点が新しいと感じました」と、現役弁護士ならではの気づきに触れたこたけ正義感の言葉に、丸山も古川監督は時々目を合わせたり、頷き合ったりしながら、うれしそうに聞き入っていた。

本作の考察動画がきっかけでイベントに登場した現役弁護士芸人のこたけ正義感
本作の考察動画がきっかけでイベントに登場した現役弁護士芸人のこたけ正義感

主人公の金子真司役を演じる際には「真司として生きることを意識しました」と話した丸山は「どんな仕事でも賛否はある。アイドルも監督も。いい仕事なのかどうかは、勝手に外からの目線で判断される。仕事とつくものに関しては、葛藤や苦しみはそれぞれあると思います。なので差入屋さんだからというのではなく、(葛藤や苦しみ)そこから起きる歪みみたいなものを意識していました」と役作りについても解説した。


丸山、古川監督から「天才!」と大絶賛された三浦
丸山、古川監督から「天才!」と大絶賛された三浦

真司の息子役を演じた三浦がサプライズで登場すると、愛おしそうにギュッと抱きしめた丸山。三浦については「彼のお芝居の破壊力(はすごい!)。これからが楽しみになりました」と大絶賛。三浦は現在12歳。古川監督も本作が形になるまで11年の歳月がかかったことと重ね、「こういうことです」と感慨深い様子。11年かけたら三浦という天才にも巡り会えたと笑顔で語った古川監督は、「とにかく役者陣がすごい!」と改めて本作の見どころをアピール。ここまで言葉にしてこなかったが、一瞬でも見逃すとわからなくなってしまうくらい、映るものすべてにこだわり抜いたと話し、「映画館で観ることをおすすめしてください!」と観客に呼びかける。丸山もぜひ映画館で観てほしいと念押しし、「ポップコーン片手に、(よそ見をせず)どっぷりと浸ってください!」とリクエストし、大きな拍手に包まれながら、リピート鑑賞もおすすめしていた。

取材・文/タナカシノブ

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