今掛勇監督が明かす『ドラゴン・ハートー霊界探訪記ー』のポイントは、現代版にアップデートされた地獄や閻魔大王!「地獄をどこまでリアルに描くのかが課題でした」

今掛勇監督が明かす『ドラゴン・ハートー霊界探訪記ー』のポイントは、現代版にアップデートされた地獄や閻魔大王!「地獄をどこまでリアルに描くのかが課題でした」

「霊界探訪」をテーマに、ドラゴンに導かれて未知の世界を探訪することになった少年少女の成長と使命への目覚めを描くアニメーション映画『ドラゴン・ハート-霊界探訪記-』(5月23日公開)。製作総指揮・原作は大川隆法総裁が務め、『UFO学園の秘密』(15)、『宇宙の法―エローヒム編―』(21)に続き、監督を務める今掛勇が、総作画監督・キャラクターデザインもあわせて担当している。

原作を読んだ時に感じたのは「恍惚感」

ドラゴンに導かれて未知の世界を探訪することになった竜介と知美
ドラゴンに導かれて未知の世界を探訪することになった竜介と知美[c]2025 IRH Press

壮大な世界を描くという意味で、本作でもプレッシャーや難しさがあったと明かした今掛監督。原作を読んだ時に最初に感じたのは「恍惚感」だという。「“恍惚感”というのは夢を見た時のような感覚とでもいうのでしょうか。どんな夢を見たのかは答えられないけれど、充実感というか、濃厚な時間を体験したように感じることってありますよね。それに似た印象がありました。そのあと冷静になって原作を何度も読み返し、この作品がなにを語ろうとしているのかを深く理解していきました」と読後の印象を解説。「恍惚感のイメージは、そのあとストーリーを映像化していく際にも助けられまして。原作を読んだ時に自分のなかで霊界探訪を体験できていたのかなと、あとから納得していくような感じがありました」。


アニメーションにするうえで、作り手として楽しみにしていたのは閻魔大王だったそう。「僕が子どものころは閻魔大王の名前をよく聞いていた気がするのですが、最近、あまり聞かないですよね。閻魔大王にあまりなじみのない現代の子どもたちにとっては非常にインパクトのある存在になると思って、楽しみにしていました。今回は現代風にアレンジした姿の閻魔大王が出てくるのもポイントになっています」とおすすめ。インターネットやSNSで誹謗中傷などした者が堕ちる“ネット地獄”なども登場し、現代版にアップデートされた地獄のシーンも多いと明かす。「地獄をどこまでリアルに描くのかというのも今回の課題でした。閻魔大王のキャラクターデザインが地獄を描くうえでの基準になったと思っています」と、制作過程を振り返った。

【写真を見る】今掛監督が楽しみにしていたという閻魔大王の姿は、現代版にアレンジ!
【写真を見る】今掛監督が楽しみにしていたという閻魔大王の姿は、現代版にアレンジ![c]2025 IRH Press

キャラクターデザインは本作の主人公、中学生でいとこ同士の田川竜介(声:小林裕介)と、佐藤知美(声:廣瀬千夏)が最初にできあがった。「竜介と知美は中学生ということもあるので、元気に動くキャラクターをイメージしました。シンプルでなじみのあるデザインを意識し、いとこ同士ということなのでどことなく似ている感じを出すために、目元や顔の作りを似せて親戚に見えるよう表現しています。竜介にはヒーロー性、知美には女剣士でありながらも女の子らしさもきちんと描くことを大切にしました」と説明。大変だったのは洞庭湖娘娘(声:浅野真澄)、天日鷲命(声:千葉繁)、ビシュヌ神(声:三木眞一郎)、アデプト(声:武内駿輔)ら神々のキャラクターデザインだったそうで、「特徴的な天上界の神々がたくさん登場するので、デザインのチェックを何度も重ね、ブラッシュアップしていきました」とデザインが固まるまでに細かな作業を繰り返し行ったと明かした。

龍に導かれて霊界へと旅立った竜介と友美がたどり着いた場所とは
龍に導かれて霊界へと旅立った竜介と友美がたどり着いた場所とは[c]2025 IRH Press


本作では特に子どもたちや若い層へ向けた作品づくりを意識していたという。「(東京の新宿にある)太宗寺の閻魔大王開帳のタイミングで取材をしてモデルにするなどリアリティを出すことにこだわりつつも、地獄を描くうえで刺激が強すぎるのは避けたい。見やすさ、なじみやすいというところは狙いました」とのこと。実際に取材をしたことで「閻魔大王や地獄絵図は目にする機会がないと、存在が忘れられてしまうよな、と改めて勉強になりました」と振り返っていた。

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