「すべてが予想外」映画人たちがそろって“まさか”の太鼓判!『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』はここがすごい
1978年にギンビス社から発売され、いまや世界20か国以上で販売されているロングセラー商品「たべっ子どうぶつ」を“まさか”の映像化!映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が公開中だ。“おかしを映画化”という前代未聞の斬新すぎる企画で、製作発表時からSNSを中心に日本中を騒然とさせた本作は、いったいどんな映画なのだろうか?
MOVIE WALKER PRESSでは、ひと足先に本作を鑑賞した各界の著名人・映画関係者たちにコメントを依頼。すると返ってきたのは、魅力的かつ細かに作り上げられたキャラクターたち、ユーモアとエモーショナルさを見事に融合させたストーリー展開への深い考察など、映画作品としてのクオリティの高さを絶賛するものばかり。そこで本稿では、そのコメントをたっぷりと紹介しながら本作の注目ポイントをチェックしていこう!
「数々の“まさか”が、あらゆる世代に親しみを抱かせる」清水崇(映画監督)
物語の舞台となるのは、おかしと人間が仲良く暮らすスイーツランド。世界的人気を誇る、歌って踊れるスーパーアイドルグループ“たべっ子どうぶつ”は、ワールドツアーの真っ最中。しかしリーダーのらいおんくん(声:松田元太)と新メンバーのぺがさすちゃん(声:高石あかり)の関係はギクシャクしていた。
そんななか、彼らが1年ぶりにスイーツランドに帰ってくると、街中は一面わたあめで覆われていた。なんとわたあめの王様“キングゴットン”(声:大塚芳忠)が、この世のわたあめ以外のおかしをすべて排除し、世界征服をしようと画策していたのだ。迫り来る悪の手から逃げだしたものの、みんなを守ろうとして捕えられてしまうぺがさすちゃん。そこでたべっ子どうぶつたちは、大切な仲間を助けるためにキングゴットンを倒そうと決意。しかし彼らは“かわいい”だけが取り柄で戦闘力は皆無だった…。
「呪怨」シリーズや、昨年夏に大ヒットを記録した『あのコはだぁれ?』(24)などJホラー界の重鎮として知られる映画監督の清水崇は「楽しく遊び、楽しく食べて、英語も教えてくれた彼らをスクリーンで応援する日がくるとは…」としみじみとたべっ子どうぶつの思い出を語りつつ、「“まさか”のキャラクター、“まさか”のドラマ、“まさか”の展開、“まさか”の……。数々の“まさか”が、あらゆる世代に親しみを抱かせます」と、予想だにしない“いい意味の裏切り”を見せてくれるストーリー展開に、驚きを隠せない様子。ハリウッドでも成功を収めた名匠・清水監督からも、エンタメ性の高さにお墨付きをもらえたようだ。
脚本は、「アンナチュラル」など数々の人気作で名バイプレイヤーとして比類なき存在感を示すなど俳優としても活躍する池田テツヒロが担当。仲間を助けるために成長していくキャラクターたちの奮闘という王道のストーリーラインに、様々な捻りのあるエッセンスや奇想天外なアイデアを巧みに盛り込んでいき、この唯一無二の物語を完成させた。
本作の企画を立ち上げたのは、シュールすぎる展開で人気を博したアニメ「ポプテピピック」の須藤孝太郎プロデューサー。須藤がギンビス社の営業車を街で見かけ「3DCGで日本でも『トイ・ストーリー』を作れるはず」と考えたことがきっかけだったとのことで、映画ライターの相馬学も「和製『トイ・ストーリー』の声も納得」と「誰もが親しみを持つ、身近な存在が動いたら…?」という“もしもの世界”を、高品質なエンタテイメントに昇華させた本作との親和性に触れた。
ストーリーテリングのプロであり、『翔んで埼玉』(19)、『はたらく細胞』(24)などを手掛ける脚本家の徳永友一も「次から次へと捲られていく登場人物たちの背景に、古きよき時代を感じたかと思えば、現代ならではの方法でストーリーを大きく唸らせることもやってのける。気が付けば、グイグイと物語に惹き込まれている」と舌を巻き、実写版「【推しの子】」でメガホンをとった映像演出家・映画監督のスミスは「甘いも辛いもしょっぱいも全部入った映画」と手放しで絶賛。物書きのSYOも「なんたる野心作。冒頭から末尾に至るまで、全てが予想外」とコメント。