「すべてが予想外」映画人たちがそろって“まさか”の太鼓判!『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』はここがすごい

「すべてが予想外」映画人たちがそろって“まさか”の太鼓判!『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』はここがすごい

<コメント>

●伊藤さとり(映画評論家・映画パーソナリティ)
童心に返る映画。そんな楽しくて懐かしい映画体験には、「その気持ち経験ある」がいっぱい詰まっている。子供から大人まで心に響く感情が綴られていて、愛されたいから認められたいから、悔しいから、頑張る思いに溢れていて、出てくるみんなが大好きだった。しかもモフモフフワフワで、誰も彼もが違う魅力を持っているたべっ子な仲間たち。画のクオリティの高さにも驚きながら“カワイイ”を全身で浴びる喜びを堪能して。

●IMALU(タレント)
あの「たべっ子どうぶつ」が映画化!? 流行っていたのは知っていたし、何ならグッズもしっかり持っている私ですが、あの愛くるしい動物たちがどんな声で、そしてどんな物語になるのか想像できませんでした。キャラクターたちはみんな個性があり、動物の特徴も捉えていて、最高にポップでキャッチー。更には「たべっ子どうぶつ」以外のお菓子たちも登場して、思わず「わ!」と声を出してしまいました。小さい頃から見ていた馴染みのある子たちがスクリーンに動いて出てきてくれるとやっぱりトキメキますね!ちなみに私はわにくん推しになりました!

●斉藤博昭(映画ライター)
日本が世界に誇る「お菓子文化」、そして「かわいいカルチャー」への愛とリスペクトが全編に込められている。アニメ作品としても「カラー効果」が絶大。ピンク、イエローなど、これまでのどんな映画とも違うクリスタルクリアな輝きを放ち、色が脳に幸福をもたらしてくれる魔法を実感した。特にワタガシで覆い尽くされるシーンは、目にした瞬間、未知の世界に迷い込んだ不思議な浮遊感に包まれる。ミュージカル風の演出がサラリと加わるのも、作品のスパイスとして効果的。お菓子キャラのドラマということで、全体にスイートで毒のない展開なので、子供たちにも“やさしい”味を届けるのでは?

●清水崇(映画監督)
“まさか”の連続……全ての世代に懐かし可愛い、彼らが映画に⁉ 僕が彼らに出逢ったのは6歳の時。 楽しく遊び、楽しく食べて、英語も教えてくれた彼らをスクリーンで応援する日 がくるとは⁉ “まさか”のキャラクター、“まさか”のドラマ、“まさか”の展開、 “まさか”の……数々の“まさか”が、あらゆる世代に親しみを抱かせます! 親子は勿論、大人にこそ、観て欲しい。

●SYO(物書き)
なんたる野心作。冒頭から末尾に至るまで、全てが予想外。本作を境に、たべっ子どうぶつの概念が根底から覆される。自分は壮大なユニバースの始まりを見たのかもしれない…。

●辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
お菓子から動物の姿にトランスフォームするたべっ子どうぶつたち。考えてみれば私たちの体に入って、炭水化物やたんぱく質など様々変化して、必要な場所で働いてくれているありがたい存在でした。ひとときの幸せを与えてくれるだけでなく、英単語の勉強にもなって……。そんなお菓子界のスターとしての存在価値を改めて実感させられる映画でした。かわいさとおいしさと笑顔と感動が渦巻いています。これから食べるときは感謝を込めて『いただきます』と言おうと思いました。

●神武団四郎(映画ライター)
ギンビスを代表するビスケットがまさかの長編アニメーション化!個人的にはアスパラガスと並んで一時期よく食べていたお菓子なだけに、感慨深いものがある。本作の“たべっ子どうぶつ”は、ビスケットから生まれた歌って踊れるアイドルグループ。お菓子と⼈が仲よく暮らす故郷スイーツランドを謎の綿あめ軍団から守るため、メンバーが時に対立しながら力を合わせ奮闘するお話だ。そのビジュアルや設定からコアターゲットはかなり低い年齢だろうと侮っていたが、心と体の成長やトラウマを軸に繰り広げられる物語は、子供はもちろん大人にも深く突き刺さる。アニメーションならではの自由な絵作りや二転三転していくスリリングな展開、クライマックスにはスペクタクルも盛り込まれ「お子様向け」と敬遠するのはもったいない仕上がり。何気なくギンビスのお菓子やイメージキャラが絡んでくるお遊びも「これってギンビスだったんだ」という発見を含め楽しめた。何より日本で長編アニメーションといえばコミックやTVアニメの劇場版が鉄板の中、オリジナルと呼べる作品がこのクオリティで誕生したのが嬉しい。

●スミス(映像演出家・映画監督)
映画の「お菓子」と云えば海外のクッキーやキャンディだったが、ついに「おかし」が物語になった。全部食べたことがある!なんなら食べながらも観られる!世界で一番美味いんだから、なぜ今までここを通らなかったのか、宝の山。甘いも辛いもしょっぱいも全部入った映画。

●相馬学(映画ライター)
辛党になって数十年、お菓子と縁が切れて久しい。なので、この映画もスイーツ同様に甘くみていたが、これが意外にデリシャス! アップテンポでノリがよい展開に加えて、もふもふ感を匂わせたカラフルなビジュアルに引き込まれる。和製『トイ・ストーリー』の声も納得。ちょっぴり傲慢な“らいおんくん”がウディなら、空飛ぶ“ぺがさすちゃん”はバズ!? 何より仰天したのは、クライマックスでポップな色彩から一転、ゴシックに転調し、ダークなサイケに発展すること。トーンの変化だけで、スゲー!と唸りながら爆笑してしまった。キャラクターの意外な変身は創意にあふれ、作り手も楽しんでつくっていたのではないかと想像。ともかく、ユーモアが全編にあふれ、笑顔がはじける90分。あまりに楽しかったので、たべっ子どうぶつを買って食べてみたが、さほど甘くなくて、意外にもハイボールに合うことを発見した。ありがとう、たべっ子どうぶつ!

●徳永友一(脚本家)
あのたべっ子どうぶつを映画化!?一体どうストーリーを紡ぐつもりだ?ファンタジーすぎるイロモノ映画だと侮るなかれ!ストーリーは最後までブレることも飽きさせることもなく、気がつけばグイグイと物語に惹き込まれている。なるほど、そんなことがあったのか!次から次へと捲られていく登場人物たちの背景に古き良き時代を感じたかと思えば、現代ならではの方法でストーリーを大きく唸らせることもやってのける。そして、最後にはおかしが持つ根源的な役割について立ち返らせてもらえる。ファミリームービーとしても、デートムービーとしても最適な一本だとオススメしたい。

●藤津亮太(アニメ評論家)
仕事で疲れると、特定のスナック菓子を儀式のように、必ず買って帰宅する知り合いがいる。この映画を見てそのことを思い出した。お菓子はいつもそばにいてくれる。楽しいときも、そして疲れたときも。本作は、たべっ子どうぶつたちをキャラクター化しただけではない。彼らを通じて、お菓子が僕らにとってどんな存在なのかをわかりやすく、そして楽しく描き出したのだ。子供のころに大好きだったお菓子のことを思い出す1作だ。


●吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
登場キャラクター、全部「友達」!画面に出てくる役者さんが、「あ、みんな知ってる!」って思える映画があったら、こんなに魅力的なことはないんじゃないでしょうか。何十年も無言で寄り添ってくれたあのキャラクターたちが、縦横無尽に饒舌に活躍する姿、こんなに親近感があった映画はありません!

文/久保田 和馬

※高石あかりの「高」は、はしごだかが正式表記

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