これぞ王者の貫禄!『名探偵コナン 隻眼の残像』がシリーズ新記録へ向け、公開3日間で動員231万人&興収34億円のスタート
4月18日から4月20日までの全国映画動員ランキングが発表。今週のトピックは、ついに公開を迎えた『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)がいったいどれだけの成績をたたき出したのか、ということ以外ありえない。改めて言うまでもなく、同作は2位以下に途方もない差をつけて初登場No.1を獲得。もはやゴールデンウィーク前の風物詩であり、日本の映画興行における最大のビッグイベントといっても過言ではないだろう。
『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が前年を上回るビッグオープニング!
シリーズ史上最多規模となる全国522館(IMAX55館、4DX62館、MX4D12館、DolbyCinema9館を含む)で公開された『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』。まず初日から3日間の成績からお伝えすると、観客動員数は231万4690人で、興行収入は34億3862万6700円。これは昨年の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)と比較すると102%の成績であり、シリーズ過去最高のオープニング記録を更新。まさに期待通りのスタートだ。
ちなみに各日の成績を細かくチェックしてみると、初日の4月18日は動員69万7355人で興収10億5842万2300円。これは『100万ドルの五稜星』対比109%の成績となる。そして4月19日の土曜日には動員83万5908人&興収12億4631万4200円で、4月20日の日曜日には動員78万1427人&興収11億3387万200円。あえてなにかと比較するならば、先日「金曜ロードショー」で放送されたシリーズ第2作『名探偵コナン 14番目の標的』(98)の最終成績を、土日2日間だけで達成したことになる。
一昨年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)でシリーズ初の最終興収100億円突破(138億8000万円)を成し遂げ、前作『100万ドルの五稜星』では興収158億円に到達と、近年右肩上がりの本シリーズ。先述のように前作対比102%のオープニング成績ということは、まったく同じペースで興収を積み上げていけばシリーズ初の興収160億円超えの可能性もあるということなのだが、はたしてそううまくいくだろうか?
先述した土日2日間の成績を足すと、動員が161万7335人で興収は23億8018万4400円。土日2日間の成績だけで見れば、ごくわずかではあるが前作を下回っている。週末3日間成績に占める初日成績の割合は、金曜日公開となった2018年以降、コロナ禍前の2年は21%だったのに対し、2021年から昨年までは27〜28%で推移。今年はついに30%に乗っている。観客が初日に集中するのは期待値の高さのあらわれではあるが、土日の成績が微妙に落ちてしまったことはやはり気掛かりなところ。
また、ここ2年は公開3週目末がGWの序盤で公開4週目末がGWの真っただ中。この期間が初週末に次ぐピーク期間となり、GW終了時までで『黒鉄の魚影』は動員728万人、『100万ドルの五稜星』が動員845万人と、最終成績の4分の3をあげている。今年の場合は公開3週目末がGWの真ん中に位置し、初日から稼ぎどころまでの期間が数日短いカレンダーになっている。GW終了後に下降する傾向はどうしても避けられないだけに、いかに前2年よりも短い期間で成績を伸ばすかが課題となることだろう。
ちなみに内容面では、“黒の組織”や“怪盗キッド”という「名探偵コナン」を象徴するキャラクターがキーパーソンだった近2年と比べて、長野県警の大和敢助を軸にしたストーリーというのは通好みでチャレンジング。さらに劇場版シリーズに求められるド派手なエンタメ活劇としての色よりも、ひたすら脚本のクオリティの高さ一本で勝負に出たという印象を受けた。これでシリーズ最大のヒットとなったら、コナンファンとしてはうれしい限り。なにはともあれ、しばらくの間、動員ランキングでは“王者の貫禄”をたっぷりと見せつけてもらおう。