ケイト・ウィンスレットが映画化への想いを綴る!『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』インタビュー映像
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)の主人公のモデルにもなった実在した一人の女性の情熱的で数奇な運命を映画化した『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』(5月9日公開)。本作のインタビュー映像が解禁となった。
トップモデルから写真家に転身し、歴史的一枚“ヒトラーの浴室”を記録したリー・ミラー。本作では20世紀を代表する女性報道写真家が実際に目の当たりにした戦争の悲劇が映しだされる。その名を歴史に刻んだミラーの人生には、マン・レイ、パブロ・ピカソ、ココ・シャネル、ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストら時の天才たちとの交流があった。その輝きは写真家としての活動を始めてからもますます強くなり、凄まじい情熱とエネルギーで戦場へと赴いていく。彼女が写し出す写真には、唯一無二の芸術的センスに加え、人間が持つ脆さと残酷さの両方が刻みこまれ、いまもなお、人々を惹きつける歴史的記録として真実を伝えている。
このたび、本作で主演&製作総指揮を務めたケイト・ウィンスレットのインタビュー映像が到着した。ウィンスレットが演じたミラーは、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の主人公のモデルにもなったと言われている。『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では、キルステン・ダンスト演じるリーが、激しい戦闘が行われる真っただなかに突っ込んでいく姿が強烈なインパクトを与えていたが、それは決してフィクションに留まらない。
実際のリーも第二次世界大戦下、戦争の最前線でカメラを通して真実を訴え続けた偉大な報道写真家として名を刻み、さらにそれだけでなく、当時女性が行くことが許されていなかった戦争の最前線で活動する報道カメラマンとしての権利を勝ち取ったパイオニアでもあるのだ。“真実を伝えたい、撮られるのではなくて”という想いに突き動かされ、多くの犠牲を払い、傷つきながらも声を挙げることを恐れず、歴史に残る衝撃的な事実を捉えた多くの写真を記録している。
そんな稀有な女性であるミラーについて、ウィンスレットは「知っているのは戦争報道記者だったという程度なの」と語り始める。しかし、ミラーにかんするとあるテーブルとの出会いから、彼女の人生に惹かれて映画化を考え始め、製作総指揮として本作のために費やした時間は8年以上にも及ぶという。当時を振り返り、「私たちがこの映画の脚本を作っている最中に、世界は歴史的な変化を遂げた。変化のおかげで、リーの真の姿やほかの女性を支えてきたその在り方がより鮮明になった気がする。“#MeToo”運動も脚本の執筆中に起きたし、ウクライナで戦争も始まった。少し前の時代とは女性の言葉を聞く態度が大きく変わった」と明かす。続けて、だからこそ「リーの映画を作れることが誇らしい。本作を作れて心から誇りに思う」といまの時代に本作を届けられることへの想いを熱く語っている。
さらに、「リーは当時よりも、いまの時代の感性で生きていた。“時代を先取りしていた”ではもはや足りない。時代を間違えて生まれたと思えるくらい、リーはいまの時代に合っている」とも力説するなど、ミラーという女性の生き方に想いを馳せ、行動力とエネルギーにあふれ、どんな困難にも立ち向かう力強さを持ったその姿勢を心の底から尊敬しているウィンスレットの様子が映しだされている。
アカデミー賞をはじめ、数々の映画賞に輝くハリウッドのトップランナーであり、世界屈指の名女優として輝かしいキャリアを誇るウィンスレット。彼女自身も自ら声を挙げ、多くの人々を勇気づけてきた立場であるが、そんな彼女をもってしても、敵わないと思わせてしまうミラーの魅力とはなんだろうか?
映像内では、映画を通して「難しい時代で生きている女性、特に若い女性たちには目標となる尊敬できる人が必要なの。正しい道を示してあげる、声の上げ方を教えてあげる、それこそがリー・ミラー。本当に頭が上がらない」と現代を生きる若者たちへ、そして女性たちへ向けた強いメッセージを伝えている。
名優ケイト・ウィンスレットも魅了された報道写真家、リー・ミラー。その熱い生き様にも圧倒される『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』に注目してほしい。
文/平尾嘉浩