サイモン・ペッグが語る「ミッション:インポッシブル」シリーズの20年間!トム・クルーズに最後にかけたい言葉が胸熱…

サイモン・ペッグが語る「ミッション:インポッシブル」シリーズの20年間!トム・クルーズに最後にかけたい言葉が胸熱…

「誰も犠牲を出すことなく、ガブリエルと立ち向かえるのか?が一番の見せどころ」

『ローグ・ネイション』でベンジーが大ピンチ⁉
『ローグ・ネイション』でベンジーが大ピンチ⁉[c]Everett Collection/AFLO

「ミッション・インポッシブル」シリーズを通して、ベンジー最大のピンチと言えば『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)で敵に捉えられたベンジーが、身体に爆弾をつけられたシーンではないだろうか。もちろん、仲間を決して見捨てることのないイーサンは命懸けで救いにいったが、回を重ねるごとに、チームの絆や友情はより強固なものになっていった。

ペッグは最新作について「いままで紡いできた友情は、シリーズにとって大きなテーマの一つだと思いますが、今回のイーサンは究極の選択を迫られるというか、非常にそれが生々しい形で出てきます」というなんとも意味深な発言をする。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』でも貫禄たっぷり!CIA長官のエリカ・スローン(アンジェラ・バセット)
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』でも貫禄たっぷり!CIA長官のエリカ・スローン(アンジェラ・バセット)[c]2025 PARAMOUNT PICTURES.

「イーサン・ハントという人は、常に世界を救うために走り回っていますが、それと同時に、彼のなかでは誰一人として犠牲者を出したくないという信念もあるわけです。彼は自分の恋人や友だちだけではなく、見知らぬ一般人など、おそらくすべての人たちの安全を確保しつつ、世界を守ることが“インポッシブル”(不可能)ではないと信じています。だから、全力で自分の仲間を守るという忠誠心を持って行動しますが、いつも彼がすべての人を守ってあげられるとは限らないんです。実際に前作では、イルサ(レベッカ・ファーガソン)が死んでしまいましたし、誰一人として安全ではないということです」。

『デッドレコニング』撮影中の、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、トム・クルーズの4ショット
『デッドレコニング』撮影中の、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、トム・クルーズの4ショット[c]Everett Collection/AFLO

確かに『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』では、イーサンにとって最愛の人でもあったイルサ・ファウストが命を落とすという衝撃的な展開に息をのんだ。そういえば、イーサンと最も長い付き合いのルーサーが、イーサンが本気で愛した女性は、元妻のジュリア(ミシェル・モナハン)とイルサの2人だけだと言っていたが、そんなかけがえのない存在を亡くしたイーサンの喪失感はどのくらい大きかったのか、想像に難い。

前作から登場した、イーサンにとって最も恐ろしい宿敵が、IMFエージェントとなる前からイーサンと深い因縁があったというガブリエル(イーサイ・モラレス)だ。ひと筋縄ではいかない彼の動向が、本作でもイーサンたちの運命を左右することになりそうだ。
「ガブリエルは、本当になめてかかってはいけない、とても手強い敵です。イーサンは今後、誰も犠牲を出すことなく、彼と立ち向かえるのか?というところが今回、一番の見せどころになってくると思います」というペッグの言葉を聞くと、ますます本編の内容が気になって仕方がない。

「このシリーズに参加したことが自分の人生に与えた影響は計り知れない」

予告編にもあった「人生はすべての選択の結果だ」というフレーズは、まさに「ミッション:インポッシブル」シリーズ全作に通じるキーワードとも言えそうだ。ペッグ自身も若かりし日に、『M:i:III』に出演するという大きな決断をしたわけだが、同シリーズは結果的に、ペッグのキャリアにおいてどんな位置づけになったのか?と聞くと、「このシリーズに参加したことが、自分の人生に与えた影響は、計り知れないと思います」とうなずく。

「ミッション・インポッシブル」シリーズ全作に出演してきたヴィング・レイムス演じるルーサー・スティッケル(『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』)
「ミッション・インポッシブル」シリーズ全作に出演してきたヴィング・レイムス演じるルーサー・スティッケル(『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』)[c]2025 PARAMOUNT PICTURES.

「20年近く前のことですが、このシリーズに出演したことで、世界中を、しかもあり得ないような場所を旅することができましたし、すばらしい共演者たちに恵まれ、彼らと一緒に仕事をする機会を得ました。通常、シリーズものは回を重ねるごとにだんだん質が落ちていくことが多いけど、『ミッション:インポッシブル』シリーズに関しては、逆にどんどんクオリティが上がっていくんです。自分がまさか、これほど世界中で成功しているすばらしいシリーズの一部になれるなんて!だから、自分のキャリアにとって、ものすごく大きなターニングポイントで、ものすごく大きな比重を占めている作品だと言えます」

だからこそ、“ファイナル”とされている本作について「この何十年間、最高の体験ができました。本当に世界最高のジェットコースターに乗せてもらったような感じです。そして、ベンジーというキャラクターは約20年間、一生懸命に演じてきたし、自分自身の進化も含めて、非常に愛着のある役柄になりました。それだけに、もう彼を演じられないかもしれないと思うと、一抹の寂しさは感じます」とあふれる想いを口にした。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月23(金)より日米同時公開
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月23(金)より日米同時公開[c]2025 PARAMOUNT PICTURES.

では、もしも本当に“ファイナル”となるのなら、座長であるトムにいま、どんな言葉をかけたいか?と尋ねると、ペッグは「簡単だけど『とにかくすばらしいチャンスを与えてくれてありがとう!』ですね。あとは『めちゃめちゃ楽しかったよね!最高だった!』と伝えたい」としたうえで「トムとの友情は20年近く続いているから、そこはそう簡単には壊れないです」と笑顔を見せた。

公開を前に、世界中から熱い視線を浴びている『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』。宿敵ガブリエルの「お前の秘密も暴かれる」という台詞が物語るように、イーサンの過去が暴かれることになるのか?そしてベンジーや仲間たちの運命はいかに…。ぜひ彼らの行く末を大スクリーンで確認してほしい。


取材・文/山崎伸子

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