ダメダメなのに愛おしい!等身大ヒロイン「ブリジット・ジョーンズ」はどうして共感されるのか?
価値観の違いや些細な行き違いからマークと破局の危機に…!?
続編『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』の物語は、前作でブリジットとマークがお互いの気持ちを確認し合ったハッピーエンディングのあとからスタート。交際後に判明した価値観の違い、完璧な恋人に対する劣等感、強力なライバルの出現など、誤解や行き違いが重なった末、2人の関係は壊れかけてしまう。そんななか、ブリジットはテレビ番組の司会の仕事に転職した元カレ、ダニエルと取材旅行でタイに行くことになるのだが…。
どんなに落ち込んでも、親友たちの友情を支えに、気持ちを切り替えてがんばろうとする能天気な前向きさがブリジットのいいところ。第2作でいつもポジティブなブリジットのスタンスが光ったのは、タイで麻薬密売の疑惑をかけられ、投獄されるシーン。一生出られないかも、という悲惨な状況下でも持ち前のユーモアを発揮し、現地の女性たちとも仲良くなってしまう姿が頼もしかった。失敗も笑い飛ばし、楽観的に生きていくことの大切さを教えてくれるたくましいヒロイン像は、当時の女性にとって新たなロールモデルでもあった。
妊娠したブリジットの父親は誰!?
第3作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』は、フィールディング原案のオリジナルストーリー。43歳になったブリジットはいまやニュース番組の敏腕プロデューサー。結局、マークは別の女性と結婚し、現在は離婚協議中だ。ブリジットは野外ロックフェスで出会った婚活サイトの創設者ジャック(パトリック・デンプシー)、久しぶりに再会したマークとそれぞれ同時期に一夜を共にするが、後日、妊娠が発覚する。
40代になったブリジットの妊娠、出産という、小説では描かれなかったエピソードに焦点を当てた本作。本当の父親が不明でも、出産すること自体に迷いはナシ。フィールディング自身が40代で長男、長女を出産したこともあり、仕事を持つ40代の女性にとっては、もはや結婚より出産のほうが切実なテーマだと感じられる内容になっている。マークとジャック、性格的に合うのはジャックのほうだとわかっているのに、マークが忘れられないブリジット。愛が理屈や計算じゃないことを知っている、大人になった彼女の選択がうれしかった。