恐怖の“仕かけ”の裏側とは?ヒュー・グラントが頭脳派サイコパスを演じる『異端者の家』インタビュー映像
元祖、ロマコメの帝王“ヒュー・グラント“が頭脳派サイコパスを演じるA24による脱出サイコ・スリラー映画『異端者の家』が4月25日(金)公開される。今回、スコット・ベック、ブライアン・ウッズ監督によるインタビュー映像が解禁となった。
本作は、『ミッドサマー』(19)や『LAMB/ラム』(21)など規格外の狂気を提示し続けてきたA24が、新たに仕掛ける脱出サイコスリラー。『クワイエット・プレイス』(18)の脚本で注目を浴びたスコット・ベック&ブライアン・ウッズが監督、脚本を手がけ、人間に対するプリミティブな恐怖を突きつける。宣教に訪れたシスターを並外れた頭脳で翻弄する謎の男ミスター・リードを元祖“ロマンティックコメディの帝王”ことヒュー・グラント。新境地となる猟奇的な演技は絶賛を博し、第82回ゴールデン・グローブ賞や第78回英国アカデミー賞など名だたる賞にノミネートされた。2人のシスター役には、フレッシュな魅力を持つソフィー・サッチャーとクロエ・イーストが抜擢された。
今回、本作で監督と脚本を手がけたベック&ウッズ監督に、本作がどのようにして作られたのかを問いかけたインタビュー映像が到着。ウッズは、本作を制作するにあたって「ありきたりな手法は避けたかった」と語り、「突然大きな音で驚かせるとか、暗闇からモンスターを出すとかね」と、自身たちが手がけた『クワイエット・プレイス』を彷彿とさせるような皮肉を込めつつ「知的かつ哲学的なセリフを用いて、モンスターと同じ効果を狙ったんだ」とも言及。最恐の笑みを見せ、当て書きにしか思えないほどハマり役のグラント。だが実際は、脚本を書き終えた時にはキャストはまだ決まっておらず「キャスティングは本当に恐怖だった」とウッズは振り返る。やがて、2人のシスターがうっかり足を踏み入れてしまうほど魅力的なこの男性を演じられるのは「いくら考えても結局はヒューに行き着いた」と回想し、念願だった“長年のファン“ヒューへのオファーが実現したことを告白した。
撮影監督のチョン・ジョンフンに関しては、本作独特の密室の雰囲気や恐怖感を高めることに大きな役割を果たすために、「独特のフレーミングや照明で怖さを出してもらった」とウッズは明かす。そして、監督たちが「第4の主人公」と語るほど存在感が際立つ<家>のデザインを手がけたのは、「ハンガーゲーム」シリーズなどを手がけたフィリップ・メッシーナ。「奥に進んでいけば行くほど、恐怖が増す家を具現化してくれた。またミスター・リードの化けの皮が次第に剥がれていき人格もあらわになってくる」とウッズが語るように、まるで、生物のような佇まいを持つ恐怖の<家>プロダクトデザインを実現している。最後ベックから「これは劇場で体験するために作られた映画だ。暗闇の中で何百人の他人と観てほしい。怖くてスリリングだけど、ダークな笑いも楽しめると思う。ヒューはいままでで最もダークは役だしね」とこれから本作を観る観客へとメッセージを送った。
未だかつて誰も体感したことのない、”異端な“サイコスリラーとはどのようなものなのだろうか?グラント演じるミスター・リードの恐ろしい演技をぜひ劇場で体験してほしい。
文/鈴木レイヤ