アクション映画大好き[Alexandros]川上洋平、『アマチュア』に熱狂!「ラストまで観終わるのが惜しく感じた」

アクション映画大好き[Alexandros]川上洋平、『アマチュア』に熱狂!「ラストまで観終わるのが惜しく感じた」

スパイ映画は数あれど、こんな主人公は見たことがないのでは?「007」のジェームズ・ボンドやジェイソン・ボーンのような優れた戦闘スキルはまったくナシ。なぜなら、主人公は暗号解読専門の内勤のCIA局員で、あなたや私のように、普通に朝出勤して夕方になれば家に帰る勤め人だから。そんな彼が、妻を殺害したテロリストに対して単身、復讐に挑むことに…しかし、どうやって?注目の新作『アマチュア』(公開中)は、そんなシチュエーションを煮詰め突き詰めたサスペンスアクションだ。

『ボヘミアン・ラプソディ』(18)でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが主演を務め、“アマチュア”のエージェントをリアルに熱演。スリルはもちろん、主人公が我々サイズのキャラクターということから、共感できる点も味となっている本作。数々のスパイ映画を観てきた映画ファンは、この映画をどう観るのだろうか?そこで、ロックバンド[Alexandros]のフロントマンで、大の映画好きとしても知られている川上洋平に、『アマチュア』の魅力を語ってもらった。

映画好きとして知られている[Alexandros]川上洋平
映画好きとして知られている[Alexandros]川上洋平

内気な愛妻家のCIA分析官チャーリー・ヘラー(マレック)は、妻のサラ(レイチェル・ブロズナハン)と穏やかで幸せな日々を送っていた。しかし、ロンドン出張中のサラがテロリストによって突然命を奪われたことで、すべてが変わる。最愛の妻を殺したテロリストたちへの復讐を決意し、チャーリーはCIAの上官ヘンダーソン大佐(ローレンス・フィッシュバーン)に特殊スパイとしてのトレーニングを志願するが、戦闘経験が皆無なチャーリーは「お前に人は殺せない」と一蹴されてしまう。誰にも頼れないと悟ったチャーリーは、分析官として培った経験と並外れた頭脳、憎しみを武器に、CIAにすら予測不能な“彼ならではの方法”で、ヨーロッパ各地に潜むテロリストたちを追い詰めていく。やがてその裏に隠された驚くべき陰謀が明らかになる。

「ネタバレになるので言えませんが、予測不能なラスト。最後の最後まで完璧な映画だったと思います」

“アマチュア”のスパイという新しい設定が魅力の本作
“アマチュア”のスパイという新しい設定が魅力の本作[c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

――まずは率直な感想をお聞かせください。

「最高に楽しめました。とびっきりにおもしろかったです。余すことなくアクション愛をぶつけられる映画に出会った、という気持ちですね。僕自身、『ダイ・ハード』から映画にのめり込んだ世代なので、もともとアクション映画は大好きで。『アマチュア』はラストまで観終わるのが惜しく感じるほどでした。もっと長く観ていたい映画でした」

――ストーリー的に、どんな点に魅力を感じましたか?

「タイトルどおり、主人公のアマチュア=素人感がよく表現されていたところですね。CIAではありますけれど、彼自身は戦闘経験がなく不慣れな部分がある。こういう設定はありそうでなかった。アクション映画ってある意味、伝統芸の部分を期待しているところもあるじゃないですか。ロックンロールもそうですけれど、お約束を楽しみつつ、どう新鮮にアレンジできているかどうかがポイントですよね。そういう意味では、このアレンジは効いていたと思います。主人公は最初からピンチを迎えるけれど、そうなると応援したくなるんですよね」

チャーリーはCIAの分析官で、銃も撃てず殺しのテクニックはゼロ
チャーリーはCIAの分析官で、銃も撃てず殺しのテクニックはゼロ[c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

――諜報組織の内勤の職員が、いきなりスパイのように行動するというのは、確かにおもしろいですね。

「『007』シリーズでいうと、Qがスパイになるようなものですからね。MI6の内部で発明ばかりやっている、ちょっとオタクなキャラクターを全面に出すような。ちょっとしたオマージュを感じるセリフもあったりしつつ、頭脳派らしく、チャーリーの作戦どおりに計画が進んでいくのはおもしろかったですね。あ、でもスマホでレクチャー動画を見ながら、ピッキングをもたつきながらやっているところは笑いました(笑)」

――戦えないし、殺せない、そういうスパイというだけで意外性がありますが、展開面で驚いた点はありますか?

「あっと驚く頭脳派らしい作戦もそうですが、やはり予測不能なラストですね。ネタバレになるので言えませんが、主人公の成長が見られる点がいい。最後の最後まで完璧な映画だったと思います。シンプルな作りではあるじゃないですか。キャラクターが整理されているし、わかりやすい。スパイ映画の多くは設定上、登場人物が多くて混乱しがちですが、この映画にはそれがなかった」

「出演作のイメージを毎回リセットしているけど、どの役もインパクトがある」

最愛の妻、サラが殺されたことで、テロリストへの復讐を決意する
最愛の妻、サラが殺されたことで、テロリストへの復讐を決意する[c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

――チャーリーは妻の復讐を果たすという目的の一方で、CIAからの圧力とも戦わなければいけないという点は、どう見ましたか?

「そういう意味では倍のサスペンス感があるし、社会派の部分もありますよね。CIAの上層部が不正をしていて、それに立ち向かうという要素もあるので、余計に立場の弱いチャーリーに肩入れしてしまう。CIAにしてみればマイナスプロモーションの映画ですが(笑)、ハリウッド映画にはそういうことを描けるおもしろさがありますよね。でも説教臭さはないですから、そこはひょっとしたら、チャーリーを演じたラミ・マレックという俳優のクールな存在感が活きていたのかな、とも思います」

――ラミ・マレックについては、どんな点に魅力を感じましたか?

「アクション映画で主役を張れることに、まず驚きました。アマチュアの割には、意外に鍛えてるな、いい体をしているな、と(笑)。ともかく、インパクトのある俳優ですよね。『ボヘミアン・ラプソディ』はもちろんですが、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の悪役、『オッペンハイマー』の役など。でも前の出演作のイメージを完全に消してくれるのがいいですよね(笑)。どの役もマレックさんが演じるとインパクトがあるんですけれど、各作品のイメージをちゃんとリセットができているので、今回の映画でも安心して感情移入ができる。ほかの出演作もそうですが、ついつい目で追ってしまう役者さんですね」

テロリストを追い、各国を巡る復讐劇が展開される
テロリストを追い、各国を巡る復讐劇が展開される[c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.


――特徴的な風貌も武器になっていますね。

「そう、それもこの映画には活きているんですよ。ご本人はエジプト系米国人ですよね。この映画ではアメリカ人という設定ですけれど、アジア人のようにも見えるし、中東の人にも見えるじゃないですか。世界を駆けるわけだし、どこにいてもハマる。そういう点ではスパイ役に向いている役者さんだと思いましたし、どの国の観客が観ても親近感が沸くんじゃいでしょうか」

――ほかに気になったキャストは?

「やっぱりローレンス・フィッシュバーンですね。安心感がありますし、映像が締まりますね。かといって、主役を食わないところが重宝される理由なのかな(笑)。ともかく、大好きな役者さんです」

チャーリーに、エージェントとしてのテクニックを伝授するヘンダーソン
チャーリーに、エージェントとしてのテクニックを伝授するヘンダーソン[c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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