ガンバレルーヤ、『ミッキー17』頑張りすぎな主人公に大共感!ジブリ好きにぶっ刺さる“心のやさしさ”に「まるでナウシカのよう!」
「権力者に『お前ら、恥ずかしいと思え!』と説教したい」「ジブリファンに刺さるポイントがたくさん!」(まひる)
――宇宙船で未開の地に辿り着いたミッキーたちは、“クリーパー”という謎のモンスターと遭遇します。クリーパーはクロワッサンをモチーフにしながら、『となりのトトロ』のネコバスや『風の谷のナウシカ』の王蟲など、ポン・ジュノ監督が敬愛するジブリ作品からインスピレーションを受けているそうです。クリーパーには、どのような印象を持ちましたか?
よしこ「ものすごくかわいかったです!そして“ママ・クリーパー”は、目の表情がすばらしかったですね。象の目のようで、とてもやさしい目をしていました。あとジョークを飛ばしてしまうようなところもあって、お茶目でおもしろいですよね」
まひる「一家庭に1クリーパーがいてくれたらうれしい!もし家にいてくれたら、抱いて一緒に寝たいです。寝坊したら、足を引っ張って仕事場まで連れて行ってくれそう!」
よしこ「クリーパーには、引きずる力があるからね。連れて行ってくれるよ(笑)!」
――ジブリ作品の大ファンであるまひるさんですが、本作をジブリ好きが観たらテンションが上がるポイントはありましたか。
まひる「たくさんありました!『王蟲にも見えるな』と思いましたし、『人間とクリーパーは共存できるのか?』という問いかけや、壮大な愛が真ん中にあるという内容も、『もののけ姫』や『風の谷のナウシカ』と通じるものがあるなと。見た目から『怖い生き物なのではないか?』と誤解されてしまうかもしれませんが、もともとその星に住んでいたのはクリーパーであって、クリーパーにとっては人間が未確認生物。本当はとてもやさしくて、人間を助けたり、対話することで平和的に交渉をしようとしたりする、愛の塊のような存在です。純粋無垢な生き物で、それに比べると人間はなんて愚かなんだと…。クリーパーが愛にあふれているので、欲望だらけの権力者たちの醜さ、汚さ、愚かさが浮き彫りになって、『お前ら、恥ずかしいと思え!』と説教したくなりました。クリーパーから教えられることがたくさんありましたし、人間目線、クリーパー目線と、いろいろな角度で観るとすごくおもしろいなと思います」
――17号とクリーパーのやり取りも大きな見どころですね。
まひる「あれはやっぱり、心のやさしい17号だからこそできたことですよね。まるでナウシカのようでした。そしてその想いを18号も理解している。あの瞬間は、それぞれがいろいろな形で愛を示していることがわかってすごく感動的でした」
よしこ「クリーパーをどうしてあのようなデザインにしたのか、すごく気になります。口の中までリアルで最初は『怖い!』と思ってしまうんですが、だんだん尻尾までかわいく見えてきて。それに違う星に行ってまで人間が欲望をむきだしにするという展開は、テクノロジーの発達した未来予想図のようでもありましたよね。現実離れしている話かと思いきや、ゆくゆくはこうなるんじゃないか…と感じることがたくさんありました」
「自分にもミッキーみたいにいろいろな自分がいるんだなって、愛おしくなりました」(よしこ)
――意図せずにヒーローになってしまうミッキーを通して、格差や労働搾取といった社会問題と共に、「どう生きるか?」という人生の本質まで浮き彫りになるような映画です。お2人は観終わった後にどのような感覚になりましたか。
よしこ「いろいろな感覚を刺激されて、観終わってまず率直に『おもしろい!』と思いました。共感できる部分もあるし、前向きにもなれるし、この世に対して思うことが出てくる人もいるかもしれません。私は『もっと自己主張をしてもいいのかな』『もっと強くなりたいな』と思いましたし、『自分の愛を貫きたいな』とも思いました。大きな愛を感じたい人に、ぜひオススメしたいです」
まひる「ミッキーは何回もコピーをされて生き返りますが、すべて同じように見えても、それぞれ違うミッキーがいました。例えば勇気を持って踏みだそうとしている自分、躊躇している自分など、自分のなかにいろいろな自分がいて、それが戦ったり、せめぎ合ったり、助け合いながら日々を乗り越えているんだなと思うと、自分自身が愛おしくなって。ミッキーは何度も生き返ることができますが、本来の人生は一度きり。だからこそ、いろいろな自分を愛してあげたいなと思いました」
よしこ「本当だね。17号の部分や18号の部分など自分のいろいろな側面を集めながら、これからもあらゆることに挑戦できたらいいなと思います。実際にあるんですよ。ものすごくスベってしまった日の夜など、お風呂で頭を洗っている時に、一人で『なんであんなことしたんだ!』『お前がそうしろって言ったんじゃないか!』と意見を戦わせるようにしゃべってしまうことが(笑)」
まひる「『クソが!』と叫ぶよっちゃんは、18号だね」
よしこ「そう!でもそういうことって、誰にでもあると思います。自分への愛にも気付かされるなんて、まさかこんなお話だと思いませんでした。これ、すごい映画ですね!」
――お2人のコンビ愛の強さにも、胸を打たれました。
よしこ「まーちゃんがすごいんです。一緒にいればいるほど感じますが、自分をないがしろにしてまで人に愛を注げる人で、私はまーちゃんに愛を教えてもらいました」
まひる「そっくりそのままお返しします(笑)。17号、18号のように運命共同体です」
よしこ「私たち、前世は双子だって言われたことがあるんです!」
まひる「本当にそっくりな双子で、どこに行っても比べられる人生だったそうです。それが嫌で『次は別々の場所で生まれようね、でも絶対に出会おうね』と言って死んだらしくて。覚えている(笑)?」
よしこ「覚えてないよ(笑)!でもこれからもずっと一緒。17号、18号のように補い合っていきたいです」
取材・文/成田おり枝