山口健人監督「映画文化の豊かさを支えてくれる場所」
(1)「全国の方々に作品をご覧いただき、直接お会いできることを楽しみにしています」
(2)「ミニシアターは、映画文化の豊かさを支えてくれる場所です。海外の小さな作品から国内のエッジの効いた作品など、ミニシアターがあるから、そして、そんな作品たちを愛する観客の方々がいるからこそ、生み出せる作品の幅が増えるのだと思います。映画芸術にとってなくてはならない空間であり、僕個人にとってもなくてはならない空間です」
(3)「早稲田松竹です。大学に通っていた頃から講義終わりだったり、講義をサボっていったり、沢山の作品に出会えた場所です。カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』は衝撃的だったなぁ」
(4)「ミニシアターに活気をもたらせるような作品を作ること。沢山の方々にまだ見ぬ映画との邂逅をお届けすること。そして、映画文化の豊かさを感じて、もっと好きになってもらうこと。それが僕の使命だと思ってます」
アベラヒデノブ監督「真っ赤な情熱をたぎらせてくれる、映画人みんなの家」
(1)「キャラバン【隊を組んで砂漠を行く商人の一団】なんてステキなタイトルなんだろう、と。時短、コスパを謳う昨今の世の中で、労働・感謝の長旅は、人としての活力の源泉を取り戻す大変ありがたい機会だと思います」
(2)「何者でもない、何者でもなかった自分たちを『映画人』として扱ってくださる、夢の製造工場のような場所です。薪をくべて真っ赤な情熱をたぎらせてくれる、映画人みんなの家です」
(3)「すべて印象に残ってます。東京にきて、いまはもう無くなってしまった家もあります。地元・大阪でも、地方でも、愛に満ちた心優しき映画人たちの笑顔が忘れられません。もう一度、あの時の空気を吸い込みたい。舞い戻るように、前進したいです」
(4)「交流。まさに【キャラバン】のように、人と人とが顔を見合わせて、交流できる機会を作り続けることだと思います。映画館で映画を観ることの悦びを、共に体験し語り合うこと。そしてなによりも、そんな価値のある映画作品を生み出すこと」
志真健太郎監督「意思を持って、ミニシアターと共生していくことが大事」
(1)「15周年でミニシアターをキャラバンをすると聞いたとき、“恩返し”なのかなって思いました。特に藤井はこの10年、全国の劇場で自分の映画を上映してきてもらっていて、人一倍思いが強いんだろうと思います。BABEL LABELの初期のときに、自分もミニシアターで自主制作の短編映画を流してもらって、その経験はなににも変え難い大切なものとなっています。今回、この機会を得られて本当に幸運ですし、僕自身も楽しみにしています」
(2)「自分だけの映画体験ができる場所だと思います。ミニシアターは学生の頃、ひとりでよく行ってました。“誰かと行く”とか“みんな観てる”からとか、そういうことではなく、自分ひとりが思い入れて観に行くのは絶対的な価値があると思います。そういう映画体験は、作り手にとってもすごく大事だと思っています」
(3)「横浜の黄金町にあるシネマ・ジャック&ベティで『LAPSE』の上映と舞台挨拶をさせていただいたことがあります。舞台挨拶の控え室や劇場のいたるところに多くの日本映画のポスターが貼られていて、映画愛にあふれた劇場なんだなと感じました。また、こういう劇場が大作だけではなくて“名作”や“古典”を世に送りだしてきたんだと実感したことを覚えています。そういう場所で愛される映画を作りたいなと、いまも思っています」
(4)「視聴環境の変化は本当に実感しています。かくいう自分も学生時代ほど、ミニシアターに足を運んでいるかというと、サブスクやら便利で楽な方法で観てしまうなとも思っています。でもミニシアターには、そこでしか観られないものが多かったり、そこで観客と作り手が交流したり、ミニシアターならではの価値が本当にあると思います。自分の作品をひとりでも多くの人に、泥臭く届けるんだ!っていう意思を持ちつづけることはしたいと思います。その意思を持って、ミニシアターと共生していくことが大事だと思っています」

■BABEL LABEL15周年特設サイト:https://retrospective.babel-pro.com/
【監督プロフィール】
●藤井道人
1986年生まれ。日本大学藝術学部映画学科を卒業後、「BABEL LABEL」を設立。『オー!ファーザー』(14)で商業映画監督デビューを飾り、『新聞記者』(19)で数多くの映画賞を受賞。その後もコンスタントに作品を発表しつづけ、『余命10年』(22)では興行収入30億円の大ヒットを記録。『青春18×2 君へと続く道』(24)で初の国際共同製作に挑み、『正体』(24)は第48回日本アカデミー賞で最多12部門で13の優秀賞を受賞。監督賞を含む3部門で最優秀賞を獲得した。
●原廣利
1987年生まれ。日本大学藝術学部映画学科を卒業後、広告制作会社を経て「BABEL LABEL」に参加。広告映像のディレクションのほか、「絶メシロード」や「八月は夜のバッティングセンターで。」や「真夜中にハロー!」など数々の深夜ドラマで監督を務める。人気ドラマ「あぶない刑事」シリーズの8年ぶりの新作となった『帰ってきた あぶない刑事』(24)で長編監督デビューを飾り、続く『朽ちないサクラ』(24)と共に高い評価を集めた。4月にTBSの金曜ドラマ枠で放送開始される「イグナイト -法の無法者-」の監督も務める。
●山口健人
1990年生まれ。早稲田大学文学部演劇・映像コース卒業。大学在学中より映像制作を始め、2016年より「BABEL LABEL」に所属。広告やMVを数多く手掛け、近年では『静かなるドン』(23)、『生きててごめんなさい』(23)などを制作。制作決定したNetflixシリーズ「イクサガミ」では、藤井道人と共に監督、脚本を務める。
●アベラヒデノブ
1989年生まれ。映画監督、脚本家、俳優。大阪芸術大学芸術学部映像学科の卒業制作として製作した監督・脚本・主演作『死にたすぎるハダカ』(12)で2012年モントリオール・ファンタジア映画祭入賞。同年より「BABEL LABEL」に参加。監督として『ジャパニーズスタイル』(22)、ドラマ「あの子の子ども」(24)など。俳優としても『ヤクザと家族』(21)や、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」などに出演している。
●志真健太郎
1986年生まれ。日本大学藝術学部映画学科を卒業後、制作会社勤務を経て、ニューヨークでドキュメンタリーを撮影。帰国後、藤井らと共に「BABEL LABEL」を設立。ミュージックビデオや広告映像を中心に活動し、これまで多数の広告賞を受賞。2022年にNHK総合で放送された「セイコグラム 〜転生したら戦時中の女学生だった件〜」では監督・脚本を務め、ABEMAオリジナルドラマ「警視庁麻薬取締課 MOGURA」では監督を務めている。