誰もが取り残されない世界の実現に生涯を捧げた、重度障害のあるアメリカ人博士ブックマン・マークのドキュメンタリー。監督・製作は、マークの父ポールの大学時代の同級生であるロン・スモール。
ストーリー
ブックマン・マークは、1991年にアメリカ・フィラデルフィアで生まれた。16週早く生まれ、体重はわずか752グラム。筋肉が弱まる難病により10歳の時に心臓移植を受け、車いすを使いながら、障害を持つ自身の経験を力に変えてきた。日本の歴史や宗教観に強い関心を持ち、日本文化・アニメに魅せられた少年はやがて博士号を取得。東京大学で博士研究員を務め、日本の歴史と政策を現場から深く見つめる“行動する学者”へと成長した。教育者、歴史家、そして活動家として、障害者の権利のために行動し続けた彼の姿は、多くの人に希望と問いを投げかける。撮影は2022年秋、マークの父ポールが東京在住だった息子と3年ぶりに再会した直後に行われた。だが、マークはそのわずか2か月後、心不全で急逝してしまう。父ポールは本作の監督ロン・スモールと共に、障害学生の海外留学や国際的活動を支援するNPOを設立し、息子の遺志を未来へとつなごうと活動している。また、障害者権利活動家の奥平真砂子、ユニバーサルデザイン建築家の川内美彦、カリフォルニア大学バークレー校障害学教授・中村かれん、障害学研究者・長瀬修など、マークと接点のあった国内外の多様な実践者たちの言葉を通じて、マークが対峙した障害をめぐる社会の構造が浮き彫りになっていく。バリアのある社会で障害をめぐる“対話”を続けた若き研究者の軌跡は、今を生きる一人ひとりの未来へのヒントになるだろう。
キャスト
ポール・ブックマン
レイチェル・ブックマン
ワサナ・ダバグ
リチャード・ドナー
ビクター・ドーバー
ケビン・ギンズバーグ
ジョッシュ・グリスディル
グレッグ・ハンナ
畠山諒
奥平真砂子
川内美彦
中村かれん
長瀬修
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Mark - A Call to Action
- 製作年
- 2024年
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- Mark Bookman Foundation
- 初公開日
- 2025年10月18日
- 上映時間
- 87分
- 製作会社
- Glide Fund Inc.
[c]キネマ旬報社
