
クアン・トゥアン
Nam
ベトナムで興行収入6億円という歴代最高成績を収めたホラー映画。家父長制、不気味な村コミュニティ、狂乱の黒魔術儀式など、父の葬儀のために婚約者と共に帰省した青年に降りかかる、一族に継承される“業(カルマ)"が生み出した惨劇を描く。監督はルー・タン・ルアン。出演はクアン・トゥアン、ミー、ヴァン・ドゥン、ナム・トゥー、ハン・トゥイ、キム・スアンほか。
ナムは父の葬儀のため、婚約者スアンと共に帰省する。しかし、実家が経営する犬肉店やスアンの妊娠をめぐって口論となり、家族の非情な態度と不穏な雰囲気に、次第に不快感を覚えるように。そして葬儀の夜、ナムはある夢を見る。その夢の中では、まるで売られる前の犬のように家族全員が殺され、吊るされており、その傍らで亡くなった父が“一族全員が殺される”と言い放つのだった。その言葉通り、不可解な出来事が起こり始め、家族が次々と犠牲になっていく。かつて同様に家族を亡くした近所の犬肉店の娘ライは、“赤い鼻の白い犬に気をつけろ”と警告。だがそれは、ナムの実家の番犬の特徴と同じだった……。“犬肉"を生業とする一族に継承される“業"に飲み込まれていく家族の運命は……。
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