ゴジラ最大の宿敵はいかに進化してきたのか?『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』から『ゴジラ-0.0』へと至るキングギドラの変遷を追う
最も残虐な捕食者となった『モスラ3 キングギドラ来襲』
平成モスラ3部作の最終作『モスラ3 キングギドラ来襲』(98)では、本来の宇宙超怪獣としてのキングギドラが復活した。ずる賢く残虐な性格で、人間の子どもをドームに幽閉して捕食しようとする。対するレインボーモスラは白亜紀にタイムスリップして幼体のキングギドラを倒そうとするが、そこでも恐竜を食いまくっていた。モスラを踏みつけ、羽根を食いちぎるなど容赦ない戦いぶりを見せながらも相打ちとなって火山の噴火口へ落とされる。しかし、この時に切断された尾から蘇生し、現代型キングギドラとして復活。敵となる存在のいない世界で暴れ回るが、繭の中で1億3000万年もの眠りから覚めた鎧モスラの反撃に遭い、翼を切られ、体を撃ち抜かれて爆死する。
日本を守る護国三聖獣となった『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』
ゴジラを含む怪獣たちの設定を一新したミレニアムシリーズの『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)では、なんと日本を守る護国三聖獣の1体として登場。富士の樹海で眠っていたギドラ(魏怒羅)が、怨念を宿したゴジラ出現を受け覚醒し、バラゴンやモスラと共に戦いを挑む。一度はゴジラに倒されたが、モスラのエネルギーを得て陸海空を制する千年竜王キングギドラへと進化。ゴジラの放射熱線で肉体は滅びるが、霊体となってゴジラの邪気を追い払う。デザインはシリーズを踏襲しているが、翼を広げまばゆい光を放つ姿は神々しいばかり。ゴジラに噛みつかれ赤い血を流すなど、かつてない戦いぶりも見どころだった。
“モンスター・ゼロ”と呼ばれたモンスター・ヴァース3作目『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
ゴジラとコング、日米怪獣王の激突を描くモンスター・ヴァース。その3作目『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)に登場するキングギドラは、太古の地球に飛来した宇宙怪獣で、古の時代にゴジラと死闘を繰り広げたライバル。モナーク南極基地に氷漬けで眠っていたが覚醒し、各地の怪獣たちを支配しようとする。モナークには“モンスター・ゼロ”の名で呼称されており、気象を操る能力を持ち、ゴジラに首を噛みちぎられてもすぐに新たな頭が生えてくる強い再生能力も持っている。そのパワーでゴジラを圧倒したが、モスラのエネルギーを吸収しバーニング状態のゴジラの放射線で倒された。この時ちぎれた首は、『ゴジラVSメカゴジラ』と同じく、続く『ゴジラvsコング』(21)のメカゴジラに流用された。
4つ足やエネルギー体など様々な亜種も登場
ゴジラシリーズの長い歴史のなかでは、キングギドラ以外によく似た亜種も作られた。平成モスラシリーズの第1作『モスラ(1996)』には宇宙超魔獣デスギドラが、『ゴジラ FINAL WARS』(04)にはカイザーギドラ(カイザーはドイツ語で皇帝)が出現。どちらも3つの首を持つ4つ足の怪獣だった。また、長編CGアニメーション『GODZILLA 星を喰う者』(18)に登場したのは、異次元のエネルギー体ギドラ。実体を持たず、無限に延々と続く3本の長い首として出現し、ゴジラからエネルギーを吸い取る姿が描かれた。
初登場から60年以上にわたりゴジラと戦い続けてきたキングギドラは、最新作『ゴジラ-0.0』でもゴジラと死闘を繰り広げる。デザイン、設定とも過去作を踏襲しつつ、かつてない生態や能力をプラス。過激な戦いぶりを含め、決定版というべきスケールと迫力はまさにスクリーンでこそ真価が味わえる大怪獣なのである。
文/神武団四郎
