ゴジラ最大の宿敵はいかに進化してきたのか?『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』から『ゴジラ-0.0』へと至るキングギドラの変遷を追う
『ゴジラ-1.0』(23)でゴジラの魅力と存在感を、改めて世界に知らしめた山崎貴監督による『ゴジラ-0.0』がついに公開。本作のトピックは、前作で爆散し、海に消えたゴジラの復活に加え、最強のライバル怪獣キングギドラの登場だ。金色に輝くボディに3つの長い首、巨大な翼で空を飛ぶ大怪獣がデビューしたのは、ゴジラ誕生から10年の節目となる1964年。それ以来、何度もゴジラと激闘を重ねてきたキングギドラの変遷を振り返ってみよう。
キングギドラのデビュー作『三大怪獣 地球最大の決戦』
キングギドラがデビューしたのは、ゴジラシリーズ第5作『三大怪獣 地球最大の決戦』(64)である。5000年前に金星文明を滅ぼした宇宙怪獣で、黒部渓谷に墜落した隕石から出現。ゴジラ、モスラ、ラドンを相手に激しい死闘を繰り広げた。それまでのゴジラシリーズの怪獣たちは恐竜や昆虫がベースだったが、キングギドラはそれらを凌駕する規格外の大怪獣だ。隕石の中から炎と共に出現し、松本城を壊したあとに首都圏に飛来。引力光線でビル街を木っ端微塵にしていく様は圧巻だった。最後はモスラの糸で首を1本に縛られ逃げ去るが、3対1でも一歩も引かず渡り合う貫禄を見せつけた。『ゴジラ-0.0』には『地球最大の決戦』を意識した見せ場がいくつも用意されているので、予習しておけばより楽しめる。
『怪獣大戦争』以降は地球を狙う侵略者の切り札に
続いてキングギドラは『怪獣大戦争』(65)に登場。『地球最大の決戦』と同じ個体で、地球を離れてX星に飛来。X星人からは、怪物ゼロと呼ばれている。X星人により地球から連れてこられたゴジラ、ラドンと激突するが、その後は地球で暴れ回った。本作以降、キングギドラはおもに地球を狙う侵略者の切り札として登場する。ゴジラシリーズをはじめ東宝特撮映画を飾った11大怪獣が集結した『怪獣総進撃』(68)では宇宙生命体キラアク星人の手先となり、完全アウェー状態で地球の怪獣たちと戦うが、さすがに数が違いすぎ最後はダウン。『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(72)ではM宇宙ハンター星雲人にコントロールされ、ガイガンと共にゴジラ、アンギラス組とタッグマッチを演じた。昭和シリーズ最後の出演作となった本作は、燃えるような赤い目で飛来する憎々しげな姿も印象的だった。
設定を一新し、メカキングギドラまで登場した『ゴジラVSキングギドラ』
平成VSシリーズの『ゴジラVSキングギドラ』(91)では設定を一新。バイオテクノロジーで生まれたペット生物ドラットが水爆実験の放射能を浴び、3体が1体に融合して怪獣化した超ドラゴン怪獣キングギドラとして登場する。精悍な顔つきはその名の通りドラゴンを思わせ、F-15J戦闘機とドッグファイトを展開するなどアクティブに大暴れ。長い首でゴジラを締め付けるなどラフファイトも演じるが、体内放射による攻撃で吹き飛ばされ、さらに放射熱線の直撃で中央の首を失うなど致命傷を負って海底に沈む。その後、未来人によって武器満載の対ゴジラ用サイボーグ、メカキングギドラとなって復活。アーマーを纏ったボディに金属の翼、レーザー光線を放つメカヘッド、腹部から発射するマシンハンドでゴジラと激闘。最後はゴジラと共に海に沈むが、機械化された頭部は、続く『ゴジラVSメカゴジラ』(93)で回収されてメカゴジラ開発に使われた。
